シナノキの実には翼のような装置をした軸が付着しています。夏の終わりころから秋の初めにかけてこの様子が樹に付いた状態で観察できます。やがて落ちるのですが、くるくると回転しながら落ちてくる様はとても感心させられます。強い風でも吹かない限り遠くに運ばれることはなくて、たいがいほぼ真下に落ちてしまうのですが、一応種を遠くに運ぶための工夫と考えられています。それにしても、「脳」というものを持っていない植物が、どうやってこういう仕組みを編み出してくるのか・・・。不思議ですね。自然の面白さが感じられます。
シナノキは大木になります。径1m以上の幹の大木が中島台のレクリエーションの森にありました。高さは20m以内で幹回りにしては低い感じです。葉はゆがみがある独特な形。この形状でシナノキ科がグループ化ができるほどです。シナ布織りという言葉があるようにこの樹の皮を剥いで繊維状にして布が織られたことは周知のことです。