森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

キオン

2013年10月26日 | 自然観察日記
正直言って戸惑いました。キオンは公園の里山にも普通に自生している種ですから、こういう深山や高山で見るのは奇異な感じがしました。それも花の季節は大きくずれていて、里山なら6月なのにここでは9月でも花盛り。そういえば、8月に月山に行った折もキオンがあってどぎまぎしたものです。2度も立て続けの出会いに認識を新たにしなければなりません。キオンは里山の花ではなくて高山帯から低地帯まで分布域を持っている種なのです。今まで気づかなかったものですから、月山で見たときは全く知らない種があったとさえ思ったのです。しかし、見れば見るほど「キオン」。先入観を持って観察するとあらぬ方向に行ってしまうものです。

キオン 花

2013年10月26日 | 自然観察日記
キオンは紫色のシオンに対比されて名づけられたものでしょう。それにしても花の季節が里山と志賀高原ではこんなに差があるのが不思議です。それこそ気温的に里山の6月頃とここの8~9月が似ているのでしょうか。同一種でこんなに差があるのも違和感がありますから、遺伝的な系統が異なるのかもしれません。