ムラサキケマンなのですが花が白い個体です。たまたま1個体あったわけではなく登山口から1kmくらいの範囲で次々と出現します。こういう品種をユキヤブケマンとかいうのだそうですが、白化品種のムラサキケマンということにしておきます。とにかくこの沢筋にはこの遺伝子が蓄積しているエリアなのか個体数の多さに感激しました。越年草とされる種ですから種子で代々この形質が伝えられていくわけで、険しく切り立った沢筋は遺伝子を保存するには好都合なのかもしれません。
赤紫色の普通種もないわけではありません。ざっくり半々という頻度で生育していたように思います。中にはこの個体のように上部が白花、下部が赤紫色の花で、普通種に比べてやや色彩が薄い感じがしましたが、咲き分けを演じているものもあります。この種を研究するだけでも面白い事実が沢山潜んでいるような気がします。