森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

フタバアオイ群落

2016年06月11日 | 自然観察日記
フタバアオイの群落がかなり見られました。やや湿潤な腐植の厚い場所にびっしりと葉を重ね合わせています。これだけの量のフタバアオイを観るのは今回が初めて。この種は越後にもありますが、なかなか出会えません。雪国越後は雑木林の林床は低木(それも常緑の)が発達していてかなりうす暗く、この物語山の登山道は開放された空間で高木層が発達しているとはいえ覆いかぶさるような種がいません。こんな点がこの個体群の見事さと関係しているのではないかと類推しています。

フタバアオイの花拡大

2016年06月11日 | 自然観察日記
ウマノスズクサ科の花はかなり特異的な花です。運よくこの花にポリネーターとおもわれる「虫」が映り込んでいます。まだ花は花粉が出ていないようですからせっかくの訪問者を利用できません。カンアオイやフタバアオイの花は虫媒花という位置づけではなく蝸牛媒花といわれます。蝸牛とはカタツムリのことで地表を這う「虫」を代表しています。アリなどもその範疇に入れてもいいと思います。