白山山域にはイブキボウフウ以外にボウフウという名がつく種がもう一つあります。ハクサンボウフウでここ白山のサンプルが基本になっていると思われます。イブキボウフウとはセリ科であってもかなり様子が異なります。そもそも「ボウフウ」とは漢方の一種だそうですが日本には漢方の「ボウフウ」は存在しないようです。察するに根茎が太いものにボウフウという名がつけられているのが多いようですから、大陸に存在するボウフウに類似する根茎の太そうなものを薬効を信じて○○ボウフウとつけたのではないかと考えています。ある資料によれば、在来の「○○ボウフウ」は漢方でいう「ボウフウ」とは全く違うものだそうです。
ハクサンボウフウの葉は変化が多いのですが、1-2回3出羽状複葉になります。小葉は比較的広くイブキボウフウが細く小さいのに比べると大きな差異があります。もっとも、名前に共通部分があるにせよ属はまるで異なりハクサンボウフウはカワラボウフウ属でイブキボウフウはイブキボウフウ属で類縁が異なります。