森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ウツギ

2010年06月23日 | 自然観察日記
○○ウツギというのが沢山あるので、単にウツギというと「何ウツギですか?」と返され一瞬言葉に窮しました。そのお方は、「卯の花」というとなぜか納得されてその場をのりきりました。タニウツギより少し遅れて咲くのですが、まだ花が見られます。今年はどの植物も天候の性で花の時期が1週間ほどずれているようです。
「卯の花匂う垣根の・・・」の「夏は来ぬ」のメロディーを口ずさみながら散策してみてはどうでしょう。確かに、じっとしていても汗ばむ季節になってきましたね。

ヤマトキホコリ

2010年06月23日 | 自然観察日記
むしろ「ミズナ」という山菜名で知れ渡っている種です。個人的にはあまり山菜として採取したことがなくて、過去に宿泊した民宿の夕餉に食べたことが思い出される程度です。近縁種にウワバミソウというなんとも凄い名前のものがあります。両種とも日陰で湿気の多いところに群生していて、考えようによっては余り近づきたくない雰囲気をもった環境の主ですね。

クワ 果実

2010年06月22日 | 自然観察日記
ご存知の桑の実です。手や唇を紫に染めて食べたことはありませんか。里山に遊びに来る子どもたちにはどうしても食べさせたい代物です。少しくらい衣服を汚してもいいではないですか。お母さんちょっと大目に見てください。
この果実は、よく見ると沢山の小さな果実(液果)が集まった形状をしていますから、集合果といことになります。つぶつぶ一つ一つが雌花だったんですね。ところで、クワは雌雄異株で実の着く木と着かない木があります(稀に雌雄同株の個体もあるそうです)。

ヘビイチゴ 果実

2010年06月22日 | 自然観察日記
果実とはいうもの、カキのように卵細胞を持つ胚珠(種子のもと)を包む子房が肥大しているのではないので真果ではなく、擬果ということになります。表面のぶつぶつがそれぞれ種子ですから、雌しべが付着していた花床という部分が丸く肥大したのですね。バラ科の果実はいろいろなタイプがありバラエティーに富んでいます。

ダイコンソウ 果実

2010年06月22日 | 自然観察日記
果実を取り上げたついでに、もう一つ紹介します。先日花を載せましたが今回は果実。これは、ヘビイチゴのように瑞瑞しくありませんね。一般に乾いた果実を乾果といいますが、ダイコンソウの実はその一種でそう果(痩果)といいます(果皮と種皮が密着=子房は未発達)。バラ科ですから雌しべが付着する花床はしっかりありますが、こちらはヘビイチゴのように肥大化しませんから出来上がった果実は大変違った雰囲気になりますね。ダイコンソウの方は一つ一つのそう果が引っかかる装置を身につけて、移動する手段をとりますが、ヘビイチゴは食べられることで移動する方法をとったものと考えられます。

ガマズミ

2010年06月21日 | 自然観察日記
あっという間に花は終わってしまいましたが、1週間前はこんな光景が展開していました。赤く熟した果実のほうが長く見られますから、その印象で覚えておられる方も多いのではないでしょうか。オオカメノキとしばしば混同されるのですが、ガマズミのほうが美味しいお酒になるのだそうです。

ガマズミ 花

2010年06月21日 | 自然観察日記
ヤブデマリなどとは異なり装飾花を持たないスイカズラ科の花です。一つ一つの花が分業という方法を取らずに、同程度に発達して集団としてポリネーター(花粉媒介者)にアピールしています。よく見ると花弁がくっついています(合弁花)から、アジサイなどのユキノシタ科の植物(離弁花)とは明らかな違いがあります。

コウリンタンポポ群落

2010年06月20日 | 自然観察日記
タンポポモドキ(ブタナ)と同じように最近目に付きだした帰化植物ですね。長岡あたりですと前者に比べまだまだ少ないのですが、着実に生息域を拡大しているようです。余りの鮮やかな色彩ですから、意図的に植え込まれたのかと勘違いするくらいです。

コウリンタンポポ

2010年06月20日 | 自然観察日記
調べてみると日本への移入は明治の中期だそうで、やはり観賞用にヨーロッパから持ち込まれたものだそうです。北日本に多く野生化しています。見れば見るほど野生種とも思えないほどの色鮮やかな花です。

タンポポモドキ

2010年06月19日 | 自然観察日記
タンポポモドキなどというと何だろうと思うかもしれませんね。普通使う名前は、「ブタナ」。ヨーロッパ原産の帰化植物でいたるところにはびこってきました。丘陵公園のアプローチとしての外周道路わきにはなかなか見事な群落が掲載されていて、およそ1Kmの間黄色のカーペット状態です。定期的な草刈をする場所ではロゼット葉をもったタンポポモドキにとっては絶好の環境なのですね。
この花は陽が出る頃から開花し始め、夕方4時頃には閉じてしまいます。ですから、出勤時間は黄色の絨毯で華やか、しかし退社時間には目立つものが何もない状態でその落差が大きいのに感心させられます。

ハマヒルガオ

2010年06月19日 | 自然観察日記
マンテマが生える脇にはハマヒルガオの花も沢山見られる季節になりました。植え込みのふちに一列になって咲いています。本当はもう少し広々とした砂浜や草地が似合うと思うのですが、なんとなく追いやられてここに来たという感じです。

ハマヒルガオ群落

2010年06月19日 | 自然観察日記
この花が広大な砂浜に咲く光景を見た記憶があります。それは、50年くらい前の寺泊の海岸でそれはそれは広大な砂浜が広がっていたものです。今ある道路は当時はなく、記憶では山際の民家から波打ち際までの遠いこと、夏ですから素足では砂の熱さでとてもたどり着くことができないほどです。流砂を止めるヨシズがところどころあったものの、ハマヒルガオの大きな群落があったのです。
それはそうと、このハマヒルガオの群落の中にタンポポモドキ(ブタナ)が入り込んでいるのには少々驚きです。砂地の場所でも、適応できる能力には舌を巻きますね。一方はどんどん減少していく種、もう一方はどんどん拡大している種です。身近なところでも自然は確実に変化しているんですね。

マンテマ

2010年06月18日 | 自然観察日記
海岸近くの草むらにはマンテマが咲いていました。かって石地の海岸砂地に結構な群落を見つけ、それも良い具合に花周景になっていましたからすっかり土地になじんでいるようでした。海岸近くではどこにでもある雑草なのでしょうが、なんとなく懐かしい想いで、小さな花としばしの語らいです。よく見るとこの花もなかなか素敵な花ではありませんか。帰化植物ではあるものの受け入れてしまっている花の一つです。

トベラ

2010年06月17日 | 自然観察日記
所用で新潟に行きました。トベラの花が満開で花の香りが当たりに充満していました。花の季節にトベラのある場所にはあまり行ったことがないので、こんなに強い香りがするのかと新しい発見で感心しました。民家の庭先でのことでしばし観察です。花が古くなると黄色く変色しやがて落下するんですね。

シャリンバイ

2010年06月17日 | 自然観察日記
これも新潟では植え込みなどに沢山使われている樹種でそろそろ花のピークが過ぎた頃でした。トベラと同じく海岸に近いところでよく目にしますね。街中の家々に栽培されている草木を観察しながら散策するのも結構面白いものです。その家の特徴が出るというか個性が表れる気がします。でも今はバラの花がいたるところに咲き乱れていますね。