森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

初 イワナ

2010年06月05日 | 自然観察日記
無性にイワナの顔が見たくなって、朝早くから車を飛ばして県境へ。昨年は来ていませんから1年半ぶりくらいでしょうか。まだ残雪のある沢に入ってみました。この季節に繁茂する川藻で岩がすべりかなり慎重に進む必要があり、かなりのアルバイトです。当然水の中にもはいりますから、冷たい水がジーンと足に伝わります。すでに雪代は終わっていますから、晴天の水遊びは本当に命の洗濯です。
これが今年の初イワナ。小さいけれど大満足、背景の山を入れての記念撮影。もちろんこの後リリースです。

尺イワナ!

2010年06月05日 | 自然観察日記
驚いたことに尺イワナがヒットです。厳密な計測ではありませんが、およそ7cmの糸巻きが4つ分と+α(2~3cm位)。手ごたえのない当たりで、針が岩に引っかかったのかと思ったくらいの感触で、グイと竿を立てると今度は激しい引き。これほどの大物は最近ないので堪能しました。この醍醐味、経験のない方には伝わりにくいとは思いますが達成感あふれるものなのです。

オオバスノキ

2010年06月04日 | 自然観察日記
ナツハゼと並んで咲いていたのでつい見逃しそうになりました。同じつぼ型をしたツツジ科の花です。一つ一つの花を見て比べるとあまりよく分からないのですが、花序としてみると歴然としています。数cmの長い花序はナツハゼ、数個の花の花序はスノキです。1枚の葉も両者は案外よく似ていますから、混在すると見極めがたいへんです。もう一つ厄介なことに、オオバスノキより幾分小型の葉でカクミノスノキ(ウスノキ)という種も生えていますから、このグループも手こずりますね。オオバスノキの実は黒く熟しカクミノスノキの実は赤く熟します。

タニウツギ 白花

2010年06月04日 | 自然観察日記
丘陵公園で観察を続けていると、各種の白化品が良く報告されます。今回はタニウツギです。自生種は濃い桃色から薄い桃色まで連続的に変異しています。その延長線での白花という見方も出来ますが、この個体は完全な白化品で赤い色素は含まれていないようで実に澄んだ色をしています。

タニウツギ 白花 ②

2010年06月04日 | 自然観察日記
こんなに白いと別種かなと思うほどで、他にはないいい花ですね。これでまた仕事が増えました。この個体から白花のタニウツギを増殖させ、公園の売り物にでもしましょうか。いつの日か、一区画全部白花のタニウツギで埋まる日がくるかもしれません。

オニグルミ 雌花

2010年06月03日 | 自然観察日記
今年はクルミの樹の枝先が枯れている個体が多いのが気になります。大雪で折れた個体も多く、スギの樹同様かなりの実害があった樹種です。そんな中、目の高さに花がついている個体に遭遇して、久しぶりにじっくりと花を観察できました。
普段はなかなか目に触れることはないのですが、これは雌花です。雌しべの先端が綺麗な赤い色をしています。子房がややふくれていますが、受粉後ここにクルミの実が出来るのですね。花弁はありません。

オニグルミ 雄花

2010年06月03日 | 自然観察日記
少し若い雄花です。(同じ樹の中では雄花と雌花が同時に熟さないように出来ているみたいです)。尾状花序で、一つ一つが花粉を放出する雄花です。こちらは花後に木の下にどっさりと落ちてきて、道路などでは片付けるのに困るくらいです

トチノキ

2010年06月02日 | 自然観察日記
街路樹に利用される樹種にトチノキがあります。在来のトチノキばかりでなくベニバナトチノキなどの外来種も多いですね。トチノキは自然の中では決まって沢沿いに見られるもので水分条件が恵まれないと機嫌が悪いものです。条件さえ合えば30mを越す巨樹になります。街路樹で日当たりの良い乾燥気味のところに植えられて苦しそうにしているトチノキは本当に可愛そうです。大型の花序を垂直に立てて花を咲かせる立派なトチノキを街路樹で見ることはほとんどないですね。

トチノキの花(雄花)

2010年06月02日 | 自然観察日記
トチノキは実のつく樹とつかない樹があると聞きます。図鑑では両性花と雄花が混在するとなっていますから、全くつかないことはないと思います。写真に写した花序は全て雄花のようで、雌しべは確認できませんでした。他にも幾つかの花序がありましたから、それらを調べれば雌しべを持つ両性花もあるのではないでしょうか(上過ぎて確認できませんでした)。

ツクバネソウの葉の変異個体

2010年06月01日 | 自然観察日記
 ツクバネソウの葉は4枚の輪生が普通ですが、この個体は6枚という変わり者です。別にクルマバツクバネそうという8枚が輪生する種があるのですが、こちらはもう少し深山や北方に生育しています。そういえば、クルマバツクバネソウも葉が少ないときは6枚ということがあるのだそうですが、そういう点ではこの個体とダブります。しかし、この個体は4枚の葉の集団の中に成育し花や葉の形などもツクバネソウに共通していますから間違いなくツクバネソウですね。
 近縁の2種、どういう経緯を辿って種として独立していったのでしょうか。進化の過程を考えるととても不思議な感じがします。一方で種が混じり一方では種が分かれ複雑に変化していく自然、面白いですね。自然は流体のように常に変化している存在なんです。

ヘビイチゴ

2010年06月01日 | 自然観察日記
草むらに小さな黄色の花が這うように咲いています。その葉が黄緑色ならヘビイチゴと考えて間違いないでしょう。イチゴのような赤い実をつけますが、ぱさぱさして美味しくありません。「ヘビ」という名が付いていても有毒ではありませんよ。
実を言うと、この仲間や近縁のものはとてもよく似ているものが多いので結構難しいグループですね。エチゴキジムシロやミツバツチグリやダイコンソウ、それにヘビイチゴ。オヘビイチゴなどというのもあります。これらを区別できる人はかなりの達人です。