森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オヤマボクチ ①

2010年10月23日 | 自然観察日記
なかなか面白い花でしょう?でもこのオヤマボクチの花を目にする人は多くありません。山野をガイドしても秋のこの時期に散策する人がめっきり少なくなってきました。そんな頃人知れず花を見せてくれるのです。アザミに近い種であることは簡単に分かりますが棘はなく痛くはありません。
越後の長岡近辺の伝統の一つにこの葉を乾燥させ葉肉を落とし繊維にしたものを蕎麦のつなぎにするといいます。さらに「ごぼうっ葉」といってヨモギの替わりに草もちの中に入れて団子を作ります。蕎麦を作ったことはありませんが、団子を作った経験がおぼろげながらあります。

オヤマボクチ ②

2010年10月23日 | 自然観察日記
オヤマボクチの花を下から見るとこんな感じ。小さな花(管状花)がびっしりあります。何個あるのでしょうか。ゆうに1000個は下らないと思います。大きさは5~6cmにもなります。

イヌセンボンタケ

2010年10月22日 | きのこ・菌類
イヌゼンボンタケです。白っぽい小さなキノコが地面といわず切り株といわず一面に出ている光景を目にした人もあると思います。よくもまぁこんなに沢山発生したなぁ・・と感心するくらい。これもヒトヨタケの仲間ですが、ヒトヨタケの仲間の小型菌は数の力を発揮するのが得意なようですね。小さいけれどよく見れば綺麗な傘をしています。

カワムラフウセンタケ

2010年10月22日 | きのこ・菌類
足のところ(石づき)が切れてしまって残念ですが脹らんでいます。こういう感じのキノコはフウセンタケの仲間。もっと紫色が強い個体もあるようですが、うっすらと全体に紫色を帯び、特にひだの辺りが紫色になっています。美味しいキノコといいますが、まだ私は食したことがないのです。フウセンタケの仲間はやたら種類が多くて完全に種の同定が難しいということでしょうか。

ヒトヨタケ

2010年10月21日 | きのこ・菌類
見事なヒトヨタケのコロニーがありました。これは出たばかりの幼菌ですが名前の通り一夜であっという間に溶解していくのです。一応食用菌で、酒と一緒に食すると大変酩酊するとか。昔、知人が実験して腰が抜けそうになったなどと話をしていたことを思い出します。

ヒトヨタケ 老菌

2010年10月21日 | 自然観察日記
幼菌の傍らにはこのような老菌がいっぱいありました。昨日出た菌なのでしょう。もう傘が溶けて見る影もありませんね。短命なキノコです。それにしてもこんな株が20~30もあるのですからなかなかの大コロニーでめったにお目にかかれる光景ではありません。

エゾリンドウ 1

2010年10月20日 | 自然観察日記
魚沼市のエコミュージアム、秋の実りを見学に行ったのですが、どうも今年は実成りが悪くて期待していた赤や青の木の実がほとんどありません。これではクマも餌不足で冬眠前の腹ごなしに里に降りてきたくなるのかもしれません。
そんな中、エゾリンドウの澄んだ青い花がとても印象的で心を癒してくれます。里山のリンドウの花に比べると数段格が上でしょうか、整っています。

ミズナラに虫こぶ

2010年10月20日 | 自然観察日記
木の実でも卵でもありません。いわゆる虫こぶ(虫癭:ちゅうえい)で若葉の頃虫(ハエやハチ・アブラムシなど)が葉の組織に卵を産みつけたために脹らんだ組織でこの中で孵化し成長しやがて穴を開けて外に出るという虫の家ですね。いろいろな植物にそれぞれ特有な虫が虫こぶを作るそうでほぼ1対1の関係になっていると考えられます。
それはそうとなかなか綺麗な虫こぶではありませんか。まもなく枯れ落ちる葉ではあるのですが、まだ出て来そうにないようですから中にいるものはこのまま地に落ちて越冬するのでしょうね。たぶんさなぎになって来春羽化するのかな・・・。

色鮮やかなキノコ

2010年10月19日 | きのこ・菌類
芝地にぽつんと紫のキノコ。5~6cmの小型菌。残念ながら種名はわかりません。でも良い色を出しています。
キノコのほとんどは名前が付いていません。毎年新種もどんどん発見されているのではないでしょうか。一般の人が参考にする図鑑にはせいぜい500種くらいしか載っていませんから不明なものも多いのです。

アミタケ

2010年10月18日 | きのこ・菌類
土地の人はこの手のキノコを「あわたけ」とよんで一からげ。いくつかの種類がごちゃ混ぜです。いずれも松林に見られるキノコ。湿り気のあるときは粘性が見られ、傘は管孔で網目状になっている種です。ヌメリイグチも場合によっては混同されるようです。
これは正確にはアミタケで傷をつけても青く変色しません。もっと柔らかく青く変色するのが本物のアワタケです。それにしてもアミタケの大群生でここまでごちゃごちゃ発生しなくともと思いたくなる光景です。今年はキノコ類は豊かですね。

ムジナタケ

2010年10月18日 | きのこ・菌類
園路の脇にムジナタケが沢山出ています。図鑑には「食」と出ています。若いうちはともかく時間と共に黒くなり、色といい雰囲気といい少し引かれてしまうタイプのキノコで「ムジナ」と名づけられても致し方ないのでしょうか。しかし、これも立派な森の掃除屋さん。広い心で受け入れましょう。

リンドウ ①

2010年10月17日 | 自然観察日記
このリンドウは頑張って一人立ちしています。よく見かけるのは他のものに寄りかかって何とか咲いている姿で、高山系の他のリンドウに比べて「軟弱者」なのです。色もすっきりしない感じで園芸種はエゾリンドウやオヤナノリンドウの高山系を原種にしているようです。そうはいっても、里山にはなくてはならない秋の花。最も遅く咲きだす種類のひとつで、とうとうりんどうが咲く季節になってしまった・・という感慨も沸いてきます。

リンドウ ②

2010年10月17日 | 自然観察日記
花をアップで見ると花の青さが目にしみます。晴れていないと開いてくれませんから、こんな形を楽しめるのも運のいいのだとこの時の好運に感謝です。