森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ユリ科の多肉植物

2011年01月19日 | 自然観察日記
多肉植物のコーナーもなかなか面白いものがあります。日本名で「玉翁」とありましたが、単独の名前ではなさそうです。やや古くなった花茎を伸ばしていて花後の割れた実がついていました。小さいので目を凝らしての観察ですが、「ユリ」なんですね。この葉の姿形からはなかなか想像つかないのですが、果(さっか)の様子からユリ科の植物だと見当をつけて調べてみると、当たり!。ユリ科のハオルチア属だそうです。ユリ科の植物もいろいろな適応を果たしているんですね。

バナナホウズキ ①

2011年01月18日 | 自然観察日記
ナス科の種とも思えない姿です。花が咲いた後の実が細長くバナナ状なので面白い名前が付いているのでしょう。ホウズキというくらいですから熟すと赤くなっていました。

バナナホウズキ ②

2011年01月18日 | 自然観察日記
先入観が強くてホウズキにはなかなか見えません。むしろトウガラシを連想させる形をしています。もっともホウズキもトウガラシも同じナス科。近縁種でした。それにしても見かけない形態をしています。
園芸種や外来移入種の知識が少ないのでどこの産なのかは不明です。最近は本当にいろいろ変わったものが店頭に並んでいて世界の植物の知識を得るのに格好の場所となっています。冬の季節はこういうところをはしごして持ち合わせていない知識を膨らませることにします。

ムシトリスミレの仲間

2011年01月17日 | 自然観察日記
葉を見るとムシトリスミレの仲間と思われます。種名が判然としませんが、葉はロゼット状で展開しています。見た目ではあまり粘着性がないようは表面でこれで捕虫できるのかちょっと疑問です。でもこの種の中では見ごたえのするいい花です。大きさは2cmくらいはあるでしょうか。どんどん新種が見つかっているという食虫植物、次々に日本に移入されることになるのでしょうね。

タヌキゴケ ①

2011年01月16日 | 自然観察日記
聞きなれない名前です。「タヌキゴケ」と名づけられたこの種はミミカキグサ(tヌミモ科)の仲間のでしょうね。在来種ではありません。アップで見るととても尾面白い。漫画の世界にでも出てくるような可愛い魔物のよう。

タヌキゴケ ②

2011年01月16日 | 自然観察日記
食虫植物の場所においてあったのでそう思い込んでいるのですが、葉はごく小さなへら状で密生していてモウセンゴケのような葉ではありません。花からしてミミカキグサに近いようですから、捕虫装置は根にあると思われます。根といっても土の中に入り込んでいるわけでもなくミズゴケに近いマット上に植え込まれていますから根を取り巻く水の環境から微小生物を捕らえるのでしょう。距が長いのが特徴的です。口吻の長い昆虫が花粉の媒介をするのでしょう。

ナガバノモウセンゴケ

2011年01月15日 | 自然観察日記
食虫植物はその形態ばかりでなく生態的な特徴で興味を惹かれます。マニアが多いのもうなづけますね。ほとんどは貧栄養の湿地に生息していて、主要な栄養素のうちの窒素源を動物(昆虫など)に求めた適応の姿として説明されます。生産者として位置づけられる植物がこの部分では唯一消費者的な働きをしています。
モウセンゴケの仲間は葉に細工を施して粘着性のある液体を葉の毛から分泌して小さな昆虫を捕らえて分解し窒素源を吸収するとされます。名札にナガバボモウセンゴケとありましたが、以前尾瀬で見たものとは毛の色など違いがありますから在来の種ではないのかもしれません。

ミミカキグサの仲間

2011年01月14日 | 自然観察日記
国内でも湿地にはミミカキグサが自生しています。といっても花の時期に合わせる事と生息していそうな湿地をさがすことが大変難しくてなかなか出会うことがありません。以前入広瀬のスキー場に出来ていた湿地(地下水が染み出していて小さな湿地になっている)を探しているとムラサキミミカキグサの何個体か花をつけているものを見つけました。印象として、崩壊地に近い環境で絶えず水が供給されているところがあれば見つけられるものではないかと思っています。
食虫植物のブームからなのでしょう。こんな小さなミミカキグサが商品となって並んでいます。この種の植物を観察するには園芸店がいいようです。どこの国のものかは分かりませんでした。

エビデンドラム 唇弁

2011年01月13日 | 自然観察日記
ランの花は不思議な構造をしているものが多いですね。これもその一つ。エビデンドラムの唇弁の先端。道化師風の部分を切り取ってみました。じっと見ていると人の顔に見えてくるのが愉快です。ラン科のどの花も色彩や形態が特異で昆虫との結びつきの強い植物です。ランは植物界では最も進化した一群と考えられていて、昆虫と一対一に対応して種の保存を図っているものさえありますから、環境破壊の大きい昨今では最も生存を脅かされている一群でもあるといえます。

ロウバイ

2011年01月12日 | 自然観察日記
お馴染みのロウバイです。これも人気が高いものです。雪がなければ庭木に1本くらいあってもいいと思っていますね。花は香りもよく造花みたいな感じがして独特です。

ロウバイの花弁に出た黒い筋

2011年01月12日 | 自然観察日記
そのロウバイの花、咲いたばかりの花でなくて日が経ったものに黒い染みが目立ちます。「ロウバイにこんな染み出たかなぁ・・・」。良く見ると維管束に沿って黒い筋が出ています。新しい品種かなぁ?・・・。この筋がでると花としてはあまり見てくれは良いとはいえないので改良したものでもなさそうです。栽培上の問題で黒色系の色素が維管束に沈着したということなのでしょうか。維管束を観察するにはいいものですね。

ムベの実

2011年01月11日 | 自然観察日記
花屋さんにムベの鉢植えがおいてありました。秋に熟すとはいえこの時期にまだ実をつけています。もうかなり熟していて早晩落果することでしょう。アケビの色とは少し違った色で実も割れることがありません。別名「トキワアケビ」といい常緑のつる植物。西日本の種ですから雪国の人にとっては新鮮なものと写ります。食べたことがないのでしかとは分かりませんがアケビ同様とろっとした甘いものなのでしょう。なんとなくそんなにおいがしました。

イチジク 葉痕

2011年01月10日 | 自然観察日記
冬場は葉痕を観察する時期ですね。かなりマイナーな世界で「おたく」でないと話が合わないかもしれません。葉痕は見た目も面白いのですが、なぜ植物は葉を落とすのかを考えるにはもってこいの切り口だと思うのです。葉と茎の堺は離層という組織で、ここが分かれると葉痕として目に触れるわけです。動物の顔に見えたり人の顔に見えたりするのは、維管束の痕、植物の輸送路(導管、師管)の断面図ということになります。そして腋にある越冬芽の様子でその植物の寒さと乾燥に対する必死の適応の姿を見たり感じたり出来るという存在なのです。・・・やっぱりマイナーな世界ですね。

ハンカチノキ 葉痕

2011年01月09日 | 自然観察日記
毎年のことですが、冬場のブログのネタ探しに苦労します。毎日アップすることもないのは重々承知してはいるものの、一つの習慣になってしまうとそれを崩すことが出来なくなる性分のようでアレコレ探し回ります。同じものが何度も登場したり、畑違いなものを載せたりで日々悪戦苦闘しています。
気が付けば私のフィールドは白銀の世界でおいそれとは出掛けられなくなっています。仕方ありませんから、近くの花屋さんに出かけたりしながら「取材」することにします。
保内の公園には数年前にハンカチノキが植えられました。あまり状態は良くないのですがまだ存続していました。冬芽が面白いですね。なかなかいい表情をしています。ブームになってそれほど日が経っていませんが身の回りにも少しずつ植えられるようになってきているようです。栽培は結構難しいと聞いています。中国の雲南省近辺が原産のミズキ科の高木です。

センボンヤリの種子

2011年01月08日 | 自然観察日記
ふぁ~と舞ったほこりのようなもの。良く見るとキク科の種子です。近くを探すとセンボヤリの果実が何本か伸びていて、そこから飛出してきたものと考えられます。センボンヤリは里山には良く見られる種ですが春と秋の姿は別物でなかなか面白い性質があります。これは閉鎖花が結実した後の種子で、毛状の装置は種子の先端に付いています。