森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ゼフィルス① アカシジミ

2011年07月20日 | 自然観察日記
丘陵公園の里山フィールドミュージアムのエリアでまだ足を踏み入れていない場所が各所にあって、いつか歩きたいと思っていましたが、機会があってそのうちの一つに行ってみました。昔からの里道が公園の縁にあって境界の一部になっています。もうほとんど使われていなくてブッシュの場所もありますが、比較的しっかりした道が残っていました。
いろいろなものが出てきます。やや興奮気味で写真を撮ってきました。そのうちの一つがこのアカシジミ。高い樹の上にいる蝶なのですがこの日は目の高さに止まっています。
中学のころ蝶に魅せられて捕虫網を持って里山を駆けずり回りました。当初はウスバシロチョウでしたが、次第にゼフィルスに移って高校から大学への入りたてではまさに魅せられた状態でした。大学時代にミドリシジミの仲間を追って山梨の高原に採集しに行ったときもありました。どこか懐かしく、当時のワクワクした気持ちを思い返しながら遠めで何枚かの写真をとりました。


ゼフィルス② ウラナミアカシジミ

2011年07月20日 | 自然観察日記
「ゼフィルス」とは西風の意味だとか。私はミドリシジミの仲間をそう呼ぶということを教えられて以来単純に利用しています。でも個人的には「森の妖精」という特別な意味合いをこの言葉にかぶせて使っています。高い樹の上でキラキラと光沢のある翅で舞う姿は私にとっては森の妖精そのものでしたね。
アカシジミよりウラナミアカシジミのほうを良く採集しました。個体数はこのほうが多いのでしょうか。とはいえアカシジミが姿を現してまもなくウラナミアカシジミに出会うとは・・。ちょっと感激しました。しかし、本命のミドリシジミ類は姿を現してはくれませんでした。

テツカエデ

2011年07月19日 | 自然観察日記
里山にはウリハダカエデが沢山自生していますが、これによく似たカエデで魚沼の深山に入るとテツカエデが自生しています。若い茎でも緑色にはなりませんし、葉の元の様子がウリハダカエデと異なりしっかりと広がりもう一つの出っ張りを作ります。県内ではそれほど大きな樹は見たことが無いので雪国では亜高木という範囲の成長なのでしょうか。

テツカエデ 花

2011年07月19日 | 自然観察日記
花は穂状で両性花もあれば単性花もあるそうです。これは雌花のようです。鈴なりの種子を付けたウリハダカエデを見ていますから、それを上回るくらいのふさになるようですね。

モミジカラマツ 1

2011年07月18日 | 自然観察日記
カラマツソウの仲間で葉がもみじを連想させる掌状葉ですからこの名前がつきました。他のカラマツソウは丸い小葉が沢山ついた葉をしているのに変わった性質です。亜高山性の草本とされているようですが、魚沼の深山なら普通に見られます。

モミジカラマツ 2 花

2011年07月18日 | 自然観察日記
キンポウゲ科の花は花弁がないのですが、カラマツソウもご多分に漏れず花弁はありません。目立つのは白い雄しべ。非情に沢山あります。この花を見るときはほとんどが水辺、涼やかでいい花なのです。昔、渓流つりで未丈岳の沢に入った折、このカラマツソウが一角を埋め尽くして咲いていた光景がまだ目に焼きついています。一人感動を享受できる幸せ、この世の贅ですね。

クサレダマ 1

2011年07月17日 | 自然観察日記
丘陵公園の未開園のところにクサレダマを見つけ開園部分に移植する目的で確保しました。これもめっきり少なくなってしまった湿性の植物で貴重なものです。群生すると素敵な景観になると思います。名前は「レダマ(連玉)」に似ている草本性のものといわれますがあまり似ていないとも言われます。クサレダマは「草連玉」で「腐れ玉」ではありません。

マツモトセンノウ 花

2011年07月16日 | 自然観察日記
たきがしら湿原はいろいろな花を持ち込んで人工的に作った湿原です。マツモトセンノウも其のうちの一つらしいのですが、適応しないのは自然に消えていくという発想で整備されています。これも細々と生きているという感じですね。少ないとはいえ緑一色の中にこの鮮やかな朱色は鮮烈です。白い点状のものは裂開しない雄しべ。

ヒオウギアヤメ

2011年07月16日 | 自然観察日記
これはとても小さなヒオウギアヤメ。野生で見るヒオウギアヤメの1/3くらいでしょうか。それとも周りに高茎の草本が無いために伸びる必要が無いので状況にあわせての草丈なのかもしれません。

コウホネ 花

2011年07月15日 | 自然観察日記
コウホネの花です。スイレン科と分類されますが、じつはなかなか変わった花です。外側の5枚の花弁様のものはがく片です。分かりにくいかもしれませんが、中央の丸いものが雌しべでそれを取り巻いている小さな丸いつぶつぶ群が雄しべ。さらにそれを取り巻く先が割れて反り返っているのが花弁です。花弁は沢山ありますね。

ヤグルマソウ

2011年07月14日 | 自然観察日記
たきがしら湿原に行ってみました。ちょうど賑わいの季節を外れ人の少ない湿原でした。ここはかつても山里があった場所で人工的に湿原を作った場所。これを維持するために大変な労力を使っていることが分かりました。
湿原の一角、川沿いにヤグルマソウがありました。花の季節が終わりひっそりと佇んでいいる風情。でも大型の葉は遠目にも目立ちます。

モリアオガエル 1

2011年07月13日 | 自然観察日記
例年田植えの時期に沢山見られたモリアオガエル、今年はおよそ1ケ月くらい遅れて里山フィールドミュージアムに産卵しました。大きさ5cmくらいのおとなしく可愛いカエルです。

モリアオガエル 2  卵塊

2011年07月13日 | 自然観察日記
適当な環境がないせいか公園のモリアオガエルは草原や水田の中に直接卵塊を作ります。たまり水にせり出した樹がないせいでしょうか。目下湿地を改造中ですからモリアオガエルが産卵しやすいようなたまり池とそこにせり出す森を作ってやろうと思います。来年以降は卵塊が木の枝に垂れ下がる様子が見られるといいのですが・・・。
これは先月下旬、水田の土手の草むらに今盛んに産卵している様子です。