山菜を当てにしていた向きは期待はずれでしたが、その代わりはキノコでカバーです。ナラタケが大量で、この季節にキノコ!と一同ちょっと興奮。各自両手一杯くらいの獲物をゲット。もうこれだけで鹿跳橋まで行けなかったことは帳消しです。私も少々採集して、翌日美味しくいいただきました。
何種類かのキノコを観察しました。残念なことに他の人が採集したマスタケ(orアイカワタケ)の剥ぎ取った跡を見つけ落胆、先ほどすれ違った山道を工事してきたという人が採集したと知りました。道草などしないでもう少し早く来れば・・・。
それはそうと、家の近くで見るアミスギタケとかなり雰囲気が違います。別種としたほうがいいのかもしれませんが、一応特徴的なことは全て一致していますからここではアミスギタケにしておきました。木材腐朽菌、食用とはしません。
それはそうと、家の近くで見るアミスギタケとかなり雰囲気が違います。別種としたほうがいいのかもしれませんが、一応特徴的なことは全て一致していますからここではアミスギタケにしておきました。木材腐朽菌、食用とはしません。
今回の清津峡の観察の目玉の一つがこのメグスリノキです。僅かしか自生していない珍しい樹木で、その価値を知っている人には垂涎の対象ではないかと思うのですが、あいにく今回は花もなく実も観察できずで「フーン」で終わりでした。この季節の葉だけではその価値を伝えられないもどかしさがあります。近くに直径40cmはあろうかという大木も見つけましたから、今度は秋に再び訪れようか考えています。紅葉の圧巻は度肝を抜くことでしょう。
此花も久しぶりに出会いました。新潟の深山の沢沿いにはごく普通に見られるものなのですが、最近では奥深い山の沢にはで向いていない証拠でしょうか。湿った涯に垂れ下がるようにして大き目の穂を伸ばしています。カヤツリグサの仲間でけっして花としては注目されないものですが、独特の風情をかもし出します。
フデリンドウはもっと明るい林の中に住んでいるものという感覚がありましたから、同行された方には「ハルリンドウ」かなと話をしておきましたが、根元にロゼット葉がないので変種とされる「タテヤマリンドウ?」などと話をしたものの今だ確たる確信がもてないままです。
手持ちの資料では、フデリンドウにするのが最も無難と考えてフデリンドウにすることにしました。撮影してきた写真での判定ですから間違えているかもしれませんね。
それはそうと、春に咲く小さなリンドウは素敵な花です。この水色はこのグループの中でもほとんど見ない色でその美しさは格別です。
手持ちの資料では、フデリンドウにするのが最も無難と考えてフデリンドウにすることにしました。撮影してきた写真での判定ですから間違えているかもしれませんね。
それはそうと、春に咲く小さなリンドウは素敵な花です。この水色はこのグループの中でもほとんど見ない色でその美しさは格別です。
久しぶりのルイヨウボタンです。全体的には花が終わり加減でしたが、しっかり咲いている個体もあって、しばし心の中で会話しました。そんなに派手な花ではありませんが、引き付けるものがあります。初夏から夏の森の中は落ち着いた品のいい花が多いのです。暑いからいやだとかいう人は可哀想な人だなぁと思っています。
葉は確かにボタンに似ている気がしますが、花はまるで違います。実は花の作りは奇妙奇天烈なのです。花弁様の6枚のものは花弁ではありません。大体「6」という数字がおかしい!のです。真ん中のものが雌しべで、先に黄色の粉状の物を付けるのは雄しべ・・。で、その縁に着く付属物が花弁?・・・らしくありませんね。
考えてみると「メギ科」の花は変わったものが多いように思います。花弁や花糸の数4とか6とかがあります。花弁がないもののあるとされます。
考えてみると「メギ科」の花は変わったものが多いように思います。花弁や花糸の数4とか6とかがあります。花弁がないもののあるとされます。
ユキザサです。もう少し沢山あることを期待しましたが、出合えたのはそれほど多くありません。「山菜として美味しいのだ」などと言っていた手前少々ばつが悪い感じです。山菜取りの対象にはしてはいけません(イラクサは沢山ありましたからこれは少々いただいてもいいかな)。細かな白い花が塊になって咲く様は素敵ですよ。それも、深い森のなかですから格別です。
実はユキザサの仲間には大形の種があるのですが、このあたりの標高では出てきませんでした。その一つ、ヤマトユキザサはもっと高山に行かないと見られないようです。(とはいっても、あってもよさそうな気がするのですが・・・)
実はユキザサの仲間には大形の種があるのですが、このあたりの標高では出てきませんでした。その一つ、ヤマトユキザサはもっと高山に行かないと見られないようです。(とはいっても、あってもよさそうな気がするのですが・・・)
見かけないナス科の植物の群生地に出会いました。頭の中の辞書をめくって「ハシリドコロ」であろうとは推測したものの、県内で見たことがなくましてや湯沢地域にあるという知識を持っていませんでしたのでその場では「?」。そういえば、この季節にここを散策したことがなかったのですね。いくら、テリトリーなどといっても年中来れる場所でもありません。
帰っての調べでは予想どおりなのですが、非情に早くに花を見せ夏には消えてしまう「春植物」であることが分かりました。夏に散策してもその姿がないことも納得です。
帰っての調べでは予想どおりなのですが、非情に早くに花を見せ夏には消えてしまう「春植物」であることが分かりました。夏に散策してもその姿がないことも納得です。
花はもうなくどの個体も若い実をつけている時期でした。花の写真を取りたかったですね。赤茶色の花がつくはずです。私が見たのはもう30年も昔のこと、群馬県の下仁田の奥に出かけたときでしたから、ずいぶん過去の話になります。
それにしても面白い生ですね。「ハシリドコロ」とは!猛毒の植物とされますが、新潟ではほとんど知られていません。恥ずかしながら県内にも分布していることを今回始めて気づきました。新しい発見で嬉しいですね。自然の中には新しい感動が沢山々々埋もれています。
それにしても面白い生ですね。「ハシリドコロ」とは!猛毒の植物とされますが、新潟ではほとんど知られていません。恥ずかしながら県内にも分布していることを今回始めて気づきました。新しい発見で嬉しいですね。自然の中には新しい感動が沢山々々埋もれています。
ラショウモンカズラがすばらしい群落を作っていました。深い森の林床に蒼い花が群生していて、一同大感激です。花穂は地面から20cmほど立ち上がり十数個の花をつけています。茎はというと地面を匍匐しところどころ花穂を立ち上げるという形態をしていてなかなか面白い性質を持っています。
「羅生門蔓」とは綺麗な花の印象に比べて少々おどろおどろしい名前です。花が持つ丸いふくらみが、渡辺綱に切り落とされた鬼の腕を連想しての名前とされますが、「ほう!」と感心する反面、もう少し違う連想をしていただきたかったというのが率直な感想です。
シソ科の花としては一個の花としては大きな花をしています。
シソ科の花としては一個の花としては大きな花をしています。
私の「テリトリー」のひとつ、湯沢八木沢の清津川渓谷の中流域に出かけました。鹿跳橋までの往復という計画で何人かの人を案内しました。季節はとてもよく、天候にも恵まれてブナの原生林の中の散策はまさにルンルン気分。しかし、私自身が興奮して大いに道草を食ったために、なかなか先に進まず予定外のところでの昼食になってしまい顰蹙を買うはめになりました。時間が過ぎ断念して途中引き返そうかと思ったものの、昼食後鹿跳橋まで行こうというので、待たせた車を気にしながらも前進(結果は橋の手前で大きながけ崩れに出会い、巻き道はあったもののたどり着くことは出来ませんでした)。目的は果たせませんでしたが、フィトンチッド広場までの往復と切り替え、初夏の森の中の散歩を楽しみました。いろいろな収穫がありましたね。
トチの大木が大岩を抱きかかえています。こんな光景がこの渓谷沿いに点在していますから、この平坦な原始の森は清津川の河川敷に作られたことをしめしています。ここまで来るには数百年の時間は必要でしょうから、大きな河川の氾濫後長い間安定した状態を保っていたことがわかります。ブナは直径1m以上のものも点在していました。すばらしい森です。
ヤマサナエでしょうか。トンボはあまり詳しくないので間違えているかもしれません。しかし、森林インストラクターを名乗っている以上この分野もそれなりに理解しておかないといけませんね。まだ羽化したばかりなのかあるいは朝の時間で十分に温まっていないせいでしょうか、飛びたてないので簡単にカメラに収めました。小型のオニヤンマみたいなサナエトンボの仲間です。付近に川はなく森の草むらに止まっていました。