山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

東北学が必要だ/『古代蝦夷と天皇家』

2013-02-10 20:00:44 | 読書
 紀元前から今も続いている「中華思想」は、ヤマト朝廷にも影響した。
 ヤマトの先住アイヌ人への差別・侵略政策がすでに4・5世紀ごろから始まっていた。

 石渡信一郎『古代蝦夷と天皇家』(三一書房1994.2)をなんとか読み終える。
 作者の考えはきっと学会の主流ではない気がするが、なるほどと思える論考が展開されている。

 ○空海・菅原道真も蝦夷を差別視していた。
 ○亡命百済系王朝と古代天皇とは血縁関係があった。
 ○ネブタ祭りの起源は津軽の蝦夷指導者を祭りに乗じて討ち取ったことを記念して始まる。祭りは坂上田村麻呂を英雄視しているが征服者を被害者がまつるほどに差別が厳しかった。
 ○加羅(南朝鮮)からの渡来人が邪馬台国を征服し、奈良に古代国家を建設。
  その後、百済系をはじめとする渡来人が官僚として国家を担う。
 ○勝ち目のない百済へあえて軍事応援したのは、天皇家が百済系だったから。
 ○蝦夷はヤマトの侵略に果敢に粘り強く闘うが、アメとムチの政策で内部を分裂させられる。

 以上のような断片が興味深かった。
 知らなかったことばかりだが、われわれは東北を加害者の歴史観しかみていないのがわかった。

 抑圧の歴史にあった東北は現代の沖縄と似た運命にあったのかもしれない。
 それは同じルーツをもった縄文人であり、和の精神を貫いてきた原日本人だったのではないか、と思えてならない。

 最近、3・11災害もあり「東北学」が提唱されているが日本の原点を探る意味でその価値は大きい。
コメント
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