明後日に「春野いきいき天狗村」主催の散策会がある。サポーターのオイラは主催者の杉山さんと現地の「胡桃平」集落を訪ねる。まずは胡桃平の中心地にある旧「胡桃平小学校」を外から見てみる。屋根の瓦を見ると「学」の字が見える。校庭の隅に小さな石碑「胡桃平小学校跡」もあった。
大正4年には40人の児童がいたというが今は廃校となっている。大正9年の世帯数が42戸・283人だった胡桃平集落は、平成24年の世帯数では11戸・23人という現状にある。
校庭には大正14年(1925年)5月に建立した「胡桃平区事跡」の石碑が誇らしく佇んでいた。古い割には文字はけっこう解読できる。
【 明治22年 森街道開設 / 明治37年 学校新築 / 大正3年 神明神社新築 / 大正5年 犬居街道開設 / 大正9年 電灯電話架設 / 大正10年 和泉平道路改設 / 大正11年 砂川道路改設 / 大正12年 社集合所改築 / 大正14年 大時道路開鑿 】
事跡の下には、石碑を建立した「叢起者世話係」と賛助員の名前が刻印されている。事跡は山村がどんどん発展していく様子がぐいぐい伝わってくる。それは列強に対抗して日本の経済発展を全開してきた歩みと一致している。大正14年(1925年)は治安維持法や普通選挙法が公布され、翌年から昭和が始まる。大正ロマンから戦時体制へと日本の歯車はじわじわと変っていく。発展と奈落の歴史の「法則」が集落を襲う。
「ポツンと一軒家」の番組に出てくるような狭い道を経て、いよいよここから散策会がスタートする。