梅雨明けとはなったが、今度は蒸し暑い。それでも、近くの国道をウォーキングして植物や昆虫に出会うその意外性を楽しみにしている。その途中に、高度成長期に造成されたのだろうか、高い擁壁をコンクリート一色で塗り固めた場所がある。田舎にはそぐわない風景がそこにある。コンクリートジャングルで育った都会人としてはむしろ余計に違和感がある。
その無機質なコンクリートを見ていたら、わずかな割れ目からなのだろうか一本の草の花が咲いていたのが見えた。これはニュースだ。紫の花だった。
この花は、帰化植物の「宿根バーベナ」(クマツヅラ科)のようだ。道路際などで勝手に繁殖している外来生物だ。花がきれいなので庭で栽培している人もいる。アカメガシワの樹もしっかり根を張っているのが見えた。
南米原産の外来種のバーベナではあるが、ちょくちょく見かける花だ。種類はアレチハナガサ・ヤナギハナガサとかの仲間はあるが同定は難しい。他の花は背丈が1mくらいあるらしい。こんなコンクリートの無機質な環境に挑むバーベナに「あっぱれ」の「ど根性」賞をあげたい。それ以上に、国道開削のために擁壁をコンクリート一色に塗りたくってしまう無神経さ、経済合理主義が残念で仕方かない。その「伝統」は、コロナ禍の中でもうずうずと深い根を張っている。