畑の周りの木や竹を見てみるとそのてっぺんが白くなっているのがわかった。このところ勢力を伸ばしている「コボタンヅル」(キンポウゲ科)であるのがわかった。近くで見るとなかなか清楚な感じで、群生していることが多い。放置していると茎が木質化してまるでツル性の樹木のようにも見えるし、クズと並んで生命力あるしぶといツル植物だ。
白い4枚の十字型の花は、何を隠そう花ではなかった。花はもともとないのだ。それは変容したガクなのだが素人にはわかりづらい。似た仲間に「センニンソウ」があるが、こちらの葉には鋸歯がない。
近所の空家ではコボタンヅルが屋根を占拠し、そのうえの樹木へと侵出している。まるで屋根が花園のようにさえ見えてくる。廃屋と見なければ壮大なアートな活け花と見てもいい。ただし、キンポウゲ科の植物は有毒なのが多いので注意が必要だ。「そのうちにコボタンヅルとクズのツル植物が過疎地を占拠するのはまもない」とぐーたら当局はひとごとのようにつぶやいた。