一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

由布岳 …登山を楽しんだ後に、東勝吉さんの描いた由布岳の絵を鑑賞する…

2013年03月17日 | その他・佐賀県外の山
30年来の友人、ヤスさんが山登りを始めたと聞いて、
一緒に山歩きをしたのは、2月24日のことであった。
岩国市へ遠征し、錦帯橋からの城山へ登り、
その後、錦町へ移動し、本州西南限のセツブンソウを観賞した。
ヤスさんにとってとても感動的な山行であったらしく、
「またぜひ行きましょう!」
ということになった。
スケジュール調整をして、
3月17日(日)に登山することに決定。
目指す山は、ヤスさんの希望で、由布岳。
由布岳にはまだ登ったことがなく、憧れの山であるらしいのだ。
だが、17日(日)の天気は、
一週間前から「雨」の予報。
自称「晴れ男」のヤスさんの神通力も危ういものとなった。
15日(金)まで傘マークが消えなかったので諦めかけていたところ、
前日(16日)になって、傘マークが消えた。
ビックリである。

そして迎えた本日。
前回と同じく、午前5時に基山で待ち合わせ。
高速に乗り、一路、由布岳へ。
途中、狭霧台に立ち寄る。


湯布院を覆い尽くす朝霧……とは言えないが、
うっすら靄のようなものがかかっている。


狭霧台から見る由布岳。
秀麗な双耳峰。


6:50
正面登山口より出発。
後ろ姿はヤスさん。


ゆっくりゆっくり歩いて行く。


7:03
日向岳自然観察路分岐を通過。


素晴らしい雰囲気の登山道を登って行く。


7:37
合野越を通過。


朝陽が眩しい。


樹林帯を抜け、茅野の斜面に変わると、展望がひらける。
飯盛ヶ城が美しい。


見上げると、山頂が見えた。


登山道は次第に傾斜を増し、急登にあえぐ。


8:43
マタエに到着。


まずは東峰へ。
途中、振り返って、次に登る西峰の方を見る。


8:58
東峰に到着。


わざと逆光でパチリ。(笑)


素晴らしい展望を楽しむ。


マタエに戻り、西峰にとりつく。


クサリ場が連続する。




西峰の方を心配していたヤスさん、
垂直に近い障子戸を、
クサリの助けを借りて慎重にクリア。


9:33
西峰に到着。


こちらも素晴らしい眺め。


反対側は、山岳美。
ヤスさん、大感激。


下山にかかる。
9:58
マタエを通過。

10:53
合野越に到着。
ここでランチ。
タク特製「玉子入り肉うどん」をヤスさんにご馳走する。


11:31
合野越を出発する。
自然が創り出す芸術品を見ながら下山する。


正面登山口が見えてきた。


11:57
正面登山口に戻って来る。
振り返って、由布岳にお礼の挨拶。
素晴らしい登山であった。




この後、再び「由布岳」に逢いに行く。
東勝吉さんという方が描かれた、多くの「由布岳」に……


【東勝吉さんのプロフィール】
明治41年2月21日生まれ(大分県日田市出身)
昭和61年11月、湯布院町・特別養護老人ホーム温水園に入所
平成3年、初めて絵筆を握る(83歳)
平成9年11月、由布院駅アートホールにて初めての個展を開催
平成19年3月14日、湯布院町・特別養護老人ホーム温水園にて永眠(享年99歳)



東勝吉さんについては、
以前(2008年6月6日)、そよかぜさんのブログにコメントしたことがあるので、
その文章を書き写してみる。

東勝吉という画家(タク)
2008-06-06 18:41:41
今年の3月、武雄市図書館で、「東勝吉展」という催しがありました。
図書館で本を借りたついでに、展覧会場へ足を運んでみました。
東勝吉については、まったく知らなかったのですが、その経歴を見てビックリ。
「83歳で初めて絵筆を握り、99歳まで由布院を描き続けた」とあります。
それまでは木挽きをしていたそうです。
83歳で初めて絵筆を握り、独自の世界を創り、99歳まで描き続け、由布院に彼の絵の常設館ができているというのです。
初めて彼の絵を見たのですが、その力強い画風に驚嘆しました。
特に「由布岳」を描いた絵は素晴らしく、とても感動しました。
83歳に初めて絵筆を握り、これだけのものを描けるようになるとは――。
人間の能力の底知れなさ、奥深さ、果てしなさを感じました。
すべての人に勇気を与える絵だと思いました。



5年前、私は初めて東勝吉さんの絵を見た。
《特に「由布岳」を描いた絵は素晴らしく、とても感動しました》
と、コメントにも書いているように、
東勝吉さんの描く由布岳に強い衝撃を受けた。
繊細かつ、力強く、美しい。
〈これが83歳で初めて絵筆を握った人の絵だろうか……〉
と思った。




あれ以来、湯布院にある東勝吉さんの絵の常設館に行きたいと思っていた。
由布岳に登りに行くことは何度もあったが、
山岳会の月例山行であったり、
山仲間とのグループ登山であった為、
なかなか東勝吉常設館に立ち寄ることができなかった。
今回、ヤスさんにこのことを話すと、
「ぜひ行きましょう!」ということになり、
やっと実現の運びとなった。

東勝吉常設館に向かう途中に、
黄色い水仙のたくさん咲いている場所があった。


東勝吉常設館は、南湯布駅の近くにあり、
東勝吉さんが入園されていた「温水園」という特別養護老人ホームの中にある。


やはり、由布岳の絵が多く、大きな感動を頂いた。




東さんが実際に愛用していた机と、
実際に使われていた画材も展示されていた。


東勝吉常設館がある「温水園」は、
旧館の近くに、新館が建っていた。
東勝吉常設館もこちらに移設するとのことで、
(2013年)4月1日からは、新しい建物の方にお越し下さいとのこと。
みなさんも、湯布院にお越しの際は、ぜひぜひ。

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