一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

隠居岳……行く方も躑躅(つゝじ)なり。來し方も躑躅(つゝじ)なり……

2008年06月05日 | 国見山系
ヤマツツジ(山躑躅)は、日本全国の山地で普通に見ることができる。
日本のツツジの代表であろう。
花の色は、赤というべきか、朱色というべきか、強烈な印象を残す色である。
私など、むしろ紅色と呼ぶべきではないかと思っている。
妖しく艶めかしい色である。
樹高は高く、4m~5mほどになるものもある。
このヤマツツジの大群落が、隠居岳にある。
数万本の自生のヤマツツジが、隠居岳の山肌を紅色に染める。
見頃は5月下旬から6月上旬。
隠居岳は私のふるさとの山なので、ヤマツツジを毎年見に行っているが、昨年はピークを過ぎていて、色褪せた花しか見ることができなかった。
今年は、今日(6月5日)登ってきた。
この隠居岳の中腹には、私が高校生の頃から「美しい村」と呼んでいる集落がある。
今日もその村に行ってみた。
田には水が張られ、田植えを待つばかりになっていた。


登山口のウォーカーズ・パークには、ニワゼキショウなどの花々が咲き誇っていた。




コガクウツギも美しい!




杉の樹林帯に入ると、ツクシタツナミソウが足許に咲いていた。




杉の樹林帯を抜けると、そこはもうヤマツツジの大群落。


背よりも高いヤマツツジの中を、展望台へ向かう。


展望台から西岳方面を眺める。
これほどのヤマツツジの群落は、そう見られるものではない。
「行く方も躑躅(つゝじ)なり。來し方も躑躅(つゝじ)なり。」
とは、泉鏡花の『龍潭譚』に出てくる文章であるが、この隠居岳のヤマツツジの群落を表現したもののように思えてくる。


西岳の方に向かい、反対側から展望台方面を眺める。


西岳の方は、ヤマツツジと他の常緑樹が混在していて、なにやら熱帯のような雰囲気。


多くのヤマツツジの花を見ていると、泉鏡花ならずとも、幻想の世界に引き込まれそうになる。
「茜さして、眼もあやに躑躅の花、たゞ紅の雪の降積めるかと疑はる。」


「山土のいろもあかく見えたる、あまりのうつくしさに恐ろしくなりて……」

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4 コメント

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楽しんできて下さい (タク)
2008-06-07 04:28:45
bambooさんへ
土曜日までは天気も良さそうですね。
椎原峠ルート、楽しんできて下さい。

>フライパンは確認しました

フライパンに気をとられて、他のものを忘れないようにね。
ブログ楽しみにしています。
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じゃあ・・・ (bamboo)
2008-06-06 22:44:24
明日はまた脊振りへ、福岡椎原から登ります。迷いが取れてすっきりしました。ありがとうタクさん。フライパンは確認しました
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清掃登山 (タク)
2008-06-06 18:53:31
bambooさんへ

隠居岳のヤマツツジは、昨日の時点でピークを過ぎていました。
今年は止めて、来年にした方がイイと思います。
来年の5月の最後に日曜日を今から予定に入れておいて下さいませ。
国見山系は、車道が山頂まで延びている山が多いので、ゴミも多く、印象が良くないですね。
わが山岳会では、6月15日(日)に国見山を清掃登山してきます。
頑張ります!
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Unknown (bamboo)
2008-06-06 10:38:47
山躑躅に逢いに行きたいのですが、その前にpole-poleを説得しなくっちゃ・・。以前国見山系に幻滅してるのでそちらへ車を走らせてくれるかな?
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