一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

登吾留山 ……シライトソウの咲く森で、ゆっくりとした時間の流れに身を委ねる……

2015年05月13日 | 登吾留山
すみません。
またまた登吾留山です。(笑)

毎年、この時期になると、訪れている登吾留山。
目的は、シライトソウ。
くじゅうなどに行けば、普通に見られる花であるが、
佐賀県では、おそらく、この山でしか見られないのではないか……

貞松光男著『佐賀の野草』(佐賀新聞社)には、次のように記されている。

薄暗い林の中の細い谷川に沿って歩いていくと、それは山道の長さ50メートルくらいの範囲に点在していた。楚々とした白い花だった。薄暗いところでの白はただでさえ目立つものだ。それに花の形もだが名前も良い。シライトソウは日本人好みの名前と思う。全部で200株くらいあっただろうか。心ない人の目に触れれば一たまりもないだろう。楽しみを分かちたく人を案内して何度か苦い経験をした今は、本当に気心の知れた人達とだけ楽しむようにしている。

「登吾留山」と、
架空の山名にしていることをご理解頂けただろうか?

シライトソウの学名Chionographis japonicaは、「雪の筆」の意。
シライトソウをヨーロッパに紹介した、
スウェ-デンの植物学者ツンベルク(C.Thunberg)の『日本植物誌』(1784年)が初出とか。
「雪の筆」という学名も美しい。

シライトソウの花言葉は、
《ゆっくりとした時間の流れ》
慌ただしい日常から離れ、
しばし、シライトソウの咲く静かな森で、
ゆっくりとした時間の流れに身を委ねたい。

登吾留山に着くと、


いきなり緑に包まれ、


ホウチャクソウや、


ツクシタツナミソウが迎えてくれた。


蝶も多く見られた。




いざ、シライトソウの森へ……


「咲いてる!」


あっちにも、


こっちにも……


訪れるのが時期的に少し早いかなと思ったが、


思った以上に咲いていた。


感動!


目移りするほどに咲いている。




咲き始めの花もあるけれど、




美しく開花した花も多い。


いいね~


こちらも見事に開いている。


いいね~


真上から撮ってみる。


初めてのアングル。


得も言われぬ美しさ。


今日いちばんの美人さんを探して、
森の中を彷徨う。






数ある美しきシライトソウの中から選んだのは、


すこし首を傾げたような風情のシライトソウ。


見惚れてしまった。


このシライトソウの群生地で、
驚いたことに、サイハイランを見つけた。


それも、たくさん。
シライトソウの群生地内でサイハイランを見たのは初めての経験。


こうしてマクロ撮影すると、ラン科の花であることが判る。


今日も「一日の王」になれました~


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