一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

井原山 ……春の妖精たちは、まだ微睡みの中に……

2011年03月10日 | 背振山系
今年はなかなか春がやってこない。
里の花は咲き始めているが、山の花はかなり遅れている。
1月も2月も山から雪が消えることはなく、遠目にも白いままだった。
3月になってやっと少し暖かくなってきた。
山の雪も消えかけている。

昨年は2月下旬から咲き始めた井原山の春の妖精たち。
今年は3月になってもまだ花の噂を聞かない。
佐賀・福岡のスプリング・エフェメラルと言えば、ホソバナコバイモ。
いつも真っ先に咲いて話題になる井原山のホソバナコバイモの花を見に行こう。

先週、私は猟師岩山に登った。
だが、本当は、新村ルートから井原山に登る筈だったのだ。
ホソバナコバイモの花を見るために……
実際、新村登山口から少しだけ歩いている。
ところが、登山道は倒木だらけで、まったく進めなかった。
今年の雪は、本当に凄かった。
雪の重みで木々は折れ、倒れ、森の中は荒れに荒れている。
新村ルートの登山道は、その全部が倒木で覆われていると言っても過言ではない程、酷い状況になっていた。
今年はもう歩けないかもしれない。

(2011年3月3日撮影)

新村ルートがそういう状態だったので、今日は三瀬峠から登るルートを選択。
新村分岐まで行って、そこから水無に下り、水無登山口まで歩く。
水無登山口から井原山山頂を目指し、三瀬峠に戻ってくる。


今日は、午前中に用事があったので、三瀬峠に着いたのは、正午近く。
12:02
三瀬峠の登山口を出発。


木漏れ日の美しい登山道を軽快に歩いて行く。


12:44
新村分岐に到着。
写真は反対側から撮影。
向こうから歩いてきて、左に下って行った。


この水無へ下る沢沿いのルートも、残雪があり、かなり荒れている。


オオキツネノカミソリの葉も、まだ土から出てきたばかり。


13:04
水無分岐に到着。
ここから登山口まで下って行く。


13:11
水無登山口に到着。
車は1台もない。
この駐車場に至る林道は、雪の被害はないのだろうか?
平日とはいえ、1台も車がないとは……


水無には、まだかなりの残雪があった。


倒木も多く、荒れている。


あの美しい登山道が、各所で寸断されている。


アンの滝分岐も、ご覧の有様。
道標も傾いでいる。


迂回しないと通れない箇所も多々あった。


この「オオキツネノカミソリ群生地」は、まだ葉も出ていなかった。


雪が土を覆っているので、植物たちはまだ出て来られない。


急登前の杉林も悲惨な状況に……


14:26
急登にとりつく。
雪がかなり残っているので、注意しながら登って行く。


急登を登り終えると、美しい風景が待っていた。


春の風景を期待していたのだが、まさかこのような冬の風景を見ることができるとは思ってもみなかった。


なんだか、中国地方の山を歩いているみたい……


14:47
三瀬峠からのルートに出合う。


14:53
井原山山頂に到着。
当然のことながら私の他誰もいない。


展望は抜群。
遠くまで見渡せる。


天山のたおやかな稜線。


右に目を転ずると、八幡岳と船山(女山)も見えた。


15:00
井原山山頂を出発。

15:58
三瀬峠に到着。
16時前に登山口に戻れてホッ。
やはり午後からの登山は気が焦る。
よい子は真似しないように……ね(笑)

で、ホソバナコバイモの花はどうだったかというと……
登山道で見かけたのは、この花のみ。
小さい上に、保護色なので、やっと見つけたという感じ。


登山道から外れた場所にある群生地(GPS軌跡は消去)に行ってみると、けっこう咲いていた。


でも、まだ咲き始めといった感じ。


春の妖精たちが目覚めるには、もう少し時間がかかりそうだ。

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