MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『グッバイ・クルエル・ワールド』

2022-10-07 00:54:26 | goo映画レビュー

原題:『グッバイ・クルエル・ワールド』
監督:大森立嗣
脚本:高田亮
撮影:辻智彦
出演:西島秀俊/斎藤工/宮沢氷魚/玉城ティナ/宮川大輔/大森南朋/奥野瑛太/片岡礼子/モロ師岡/奥田瑛二/鶴見辰吾/三浦友和
2022年/日本

クズという「言い訳」について

 個人的には大森立嗣監督は作品によって出来不出来の差が激しいように思うのだが、本作はなかなかの酷さだと思う。
 例えば、クライマックスにおいてガソリンスタンドが爆発を目撃した浜田が急いで現場に向かう途中で、ガソリンスタンドの方から歩いてくる安西幹也と鉢合わせした際に、安西は浜田を持っていた銃で射殺してしまう。それはいいのだが(良くはないが)それまで安西は矢野大輝と坂口美流のコンビと銃撃戦をしていたのである。つまりガソリンスタンドの爆発に矢野と坂口が巻き込まれて安西は逃げてきたのかと思いきや、矢野と坂口は自分たちの車に乗っていて生き残っているのである。何が起こってそのような状況に至ったのか想像がつかないのである。
 あるいはオガタが矢野に腹部を刺されて床に倒れている蜂谷一夫を見つけて口封じのために射殺しようとするとスマホが鳴って電話に出た隙に、逆に蜂谷に銃殺されてしまうのであるが、拳銃を持っているならば蜂谷は何故矢野に刺された際に、矢野を撃たなかったのか不思議なのである。
 登場人物がどいつもこいつもクズであることが映画がクズであることのエクスキューズにはならないと思うのであるが、さらに本作が見舞われた悲劇は同時期に同じジャンルの傑作作品『ヘルドッグス』(原田眞人監督 2022年)が公開されてしまっていることである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/jocr/entertainment/jocr-raditop-451511


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