トンボ池、泥水地でトンボの食料生産用に植えた水稲が収穫された。「さあ、どうする。困った」である。玄米にするまでの手づるがないのだ。収穫量にして5升程度の量だから頼まれる方だって迷惑な分量なのである。
そこで、機械力の無い時代に行っていたであろうローテク・アナログ方式を試みた。脱穀は陶器と板を使った。慣れると面白いほどに籾が外れてくれる。「ローテク侮れない」のであった。籾摺りは幾つかのやり方があったが、今回は「板摺り法」と「すり鉢法」をやってみる。「すり鉢法」はソフトボールが無いから、玩具店でボールを買って試みたが軟らかくてダメだった。
「板摺り法」も割合良く籾が外れるが、最終的に余さず玄米にするのが少々難しい。婚期は過ぎたが根気あるのみである。皮を敷いて摩擦力の違いを大きくすれば早いだろうとやってみたが、籾が回転しないで上の板が滑るだけで役に立たなかった。
「!」と思って、コンクリートのたたきの上で板で摺ったら残念なことに割れてしまう。そこで厚手の皮手袋をして摺り摺りしたら、これが思いがけなく好調だった。板の様に一様でなく部分を見ながら力を加えれるからである。しかし最大の難点「籾殻を吹き飛ばしても風の吹きようで戻ってくるのだ」
板摺りは縁台の上で、ドライヤーで吹き飛ばしながら快調だったが、平面ではもろ浴びなのだ。口に入るまでには長い道のりだ・・・。
名月を横切る機影乗る人は月見て飛べるかぐや姫かな
こうこうと注ぐ光を身に浴びて風は涼しき虫の音時雨
ぼうと見る月は注ぐや荒れた庭茫々の草ぼうと浮き出て
灯火消しカーテン開けばこうこうと光は注ぐ居間の隅々
こんなにも素晴らしき哉満月の光溢れた夜の世界は