まだ足元不如意であるが、解決する頃は春が過ぎているだろうし、今現在必要とされる手間があるのだ、と理屈をこねてリハビリがてら幼樹の刈りだしを行う。
八月に刈り払い機で下草刈りを行ってあった場所だが、すでに腰くらいまでの草丈になっている。伸びているだけなら良いのだが、蔓性のノササゲやヤマノイモなどは幼樹を覆い隠すまでになっていた。
枝を傷めないように蔓を外すと幼樹には葉っぱ一枚付いていないのが多い。「枯れたのか?」と思えば冬芽はしっかりと付いていて安心した。
日が短くなったとは言え、落葉には早いから、何枚かでも葉が残っていれば成長の足しにはなっていただろうと思うけれど、「やらないよりはまし」位のことしか出来ないこの身である。平坦地ならまだしも、不整地で思わぬ窪みやコブに健足を置くと、患足は軸足として対応でき難い。筋力も戻っていないから足場を確認しての一歩一歩は時間のかかる作業となった。情けないことに三千歩程度でかかと付近がピリピリしてくる。
今日の今日まで「ヌスビトハギ」と思っていたのは「アレチヌスビトハギ」だった。ついに我が家の勝手口先にまで侵入してきた。フイールドの人が入るところは、殆ど姿を見られるほど近年大繁殖をしている植物の一つである。きっとフイールドから運搬した種子からの発芽に間違いないだろう。
近似種があるのは承知していたが、特に鑑別することもなく「ヌスビトハギ」と思っていたのだが、図鑑を当たったら種子の連なりが二個ではないので「荒地ヌスビトハギ」だった。小生的にはその程度の相違なら「ヌスビトハギ」ひとくくりでかまわないのだが、会話の中に出してしまったらそれは「人括り」になってしまいかねない。まあ、ただしい呼称でこれからは言える。
花が綺麗なので騙されるが、翌年にはバブルのようにはじけて大繁殖だ。撮影だけして処分となった。まだ未熟果だけど「引っ付き力」はしっかりしている。小さくても全面密着感のある高性能の戦略種子なのだ。一冬越してもその接着力はしっかりと維持されているはなはだ迷惑な代物で、つい先日まで永田にも生えていた…。こっちには戦略などは全く無かったけれど。