捨てられる米と知りつつ苗植えて八十八の手間かけて秋
廃棄米稲穂を拾い束に挿す農夫触れ行くハザ掛けの稲
農地ゆえ作付けなくて荒れゆくを秋津飛ぶ原老父立ち見ゆ
除染すら行程も無く冬迫る春の帰農は夢のまた夢
捨てられる米と知りつつ苗植えて八十八の手間かけて秋
廃棄米稲穂を拾い束に挿す農夫触れ行くハザ掛けの稲
農地ゆえ作付けなくて荒れゆくを秋津飛ぶ原老父立ち見ゆ
除染すら行程も無く冬迫る春の帰農は夢のまた夢
自家醸造だけれど「お縄頂戴」なんてことには決してならない酒である。新米御飯を会友に先立ち試食するにも、コイン精米所まで行かねばならぬ。だから、その前に玄米で新酒を造る事にしたのだ。その年の新米でお酒を造って腹に収めることは、八百万の神々への理に適っている。
2カップの玄米をお粥に炊き、65度に温度を下げて乾燥糀を加え、8時間60度前後を維持する。少々固めのお粥でも、糀を加えてしまうとユルユルになってしまうのが何とも不思議である。乾燥糀が水分を奪い、かえって固くなるかと思うのだが実際は逆なのだ。
発酵時は、密閉しないために電気ガマの蒸気排出口の弁を外し通気状態を維持するのだが、常時保温通電状態では適温を越えてしまう。温度計で測定しながらON,OFFの繰り返しだ。動かぬ足を引きずってブラブラしている身には丁度良い。
概ね、55度程度になったら40分通電で65度に到達するのでOFF。温度測定で確認しながら、ついでに発酵状態を試飲して確かめる。朝食後にお粥を炊いて、出来上がりは夕食後である。下戸の小生でも飲める玄米新酒は、ことのほか美味しいが精米された米には負ける。
つまり、玄米で造ると米の粒が糊化し難い。粒々で口当たりが悪いのだ。そこで今回はすり鉢で摺ったが、出来上がりは「どぶろく」だった。税務署や警察のお手数をお掛けしないために申し添えれば、新酒には違いないけれど「甘酒」。小生的には「飲む点滴」と言うのがしっくりする。玄米だと栄養価は高くなるのだろうが「端麗すっきり」でないのが残念!