トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

巣立ちすればしたで・・・絶えない

2019-07-09 | 感じるままの回り道
 玄関ポーチの雨樋カバー内の雛が巣立ったようだ。未明からとっぷりと暮れた時間帯まで親鳥の警戒音が続いている。幼鳥は家の周囲で「チッチ」とか「ヒッヒ」とかに聞こえる鳴き声を出しているが姿は見えない。
 小生が庭に出ると至近にまでやって来る。隣家のブロック塀の上や勝手口の庇、温水給湯器などの上にまで降りてくる。接近する時は6尺程度の距離しか取らない時もある。攻撃してくる行動は無いけれど「警戒」か「警告」か小生にも幼鳥にも双方にとってのメッセージ性が感じられる鳴き声だ。

 「カキクケコ」のどの単音にも聞きとれるくぐもった連続音で鳴き続けている。そのうちに「血を吐く」のではないかと思うけれどホトトギスではないから大丈夫なのだろう。それにしてもよく声が枯れないものだと思ってしまう。
 今のところは野良猫が近くに来ている様子はないもののいつ何時来襲するか判らない環境でもあるから親鳥の心配は尽きるところが無い。

 至近で鳴いている姿を見ると盛んにお辞儀点頭して鳴く。その時に尾羽を立て扇子のように開く。この一瞬の姿が美しく撮影したかったけれど無理だった。連写を続けるしか無いだろうが、そこまでやる程の興味は無し。後になって気付いたのだがこの構図、どこかで見た記憶があった。既に朧になっている記憶をほじくると、どうも日本画にあった構図みたいだ。それはホトトギスだったのかどうかは不明だが、確かに見たように思えた。

 とにもかくにも早朝4時ころからとっぷりと暮れた20時近くまで鳴き続けて、ほんとに「ご苦労さん」としか言いようがない。まあ、幼鳥にとって一番危険な時期であろうから親鳥の心配は分かり過ぎるほど分かるけれど、さて我らホモサピエンスはこれほどの心情があるかとつらつら思案しても昨今の見聞・報道では「無い!」としか思えなかった。
 大脳新皮質が発達し過ぎた哺乳類では、それらは相対的に縮小し片隅に追いやられ去ってしまうのは当たり前田のクラックに思える。
 まあ、「策者、策に溺れ、術者、術に敗れる」あるいは「発展の中に崩壊の芽育つ」、そんなところか。それにつけても親痛は軽くない…。