「蘇」を柱にして「蘇王麺」と「乳麺」を作ってみたのだが、作っている途中から既に妄想が始まって、「待てない性格」小生であるがゆえに、雨降り幸いとばかり取り組んだのだ。
雨々降れ降れ爺爺が お家でスイーツ楽しいな
ピッチピッチチャプチャプランランラン
まあ、鼻歌は無かったがオールディーズのBGMとともに雨の一日が退屈せずに済んだのだった。きっかけは「蘇」の塊にあった。これを伸ばして焼けば、美味しいクッキーが出来るはず!、素材が美味しいのだから更に香ばしさが加わるだろう。
まずは牛乳1リットルで蘇を作らねばならない。クッキーなど作った事が無いからオーブンレンジの取説で使い方を確認し耳たぶ程度の蘇を作った。これを丸棒で伸ばし形を抜いた。取説では厚さ8mmにするとなっていたけれど、小麦粉とは異なり伸ばしにくいしまとまりにくい。少々厚めの10mm超えになってしまった。
取説通り予熱してオートで約13分、いささか膨らんで焼けたのだった。食べてみれば蘇そのものより「スイーツ感」がある。生乳以外は何も添加していないにも関わらず旨い。コロナ禍の影響で学校給食が止まり、生乳を下水に廃棄している映像があったけれど、「蘇」にするなどして他用途に回せば、あんなもったいない事は防げたのではないだろうか。異業種の連携があれば可能な手間だろう。

さて、もう一品はヨーグルト100%のクッキーになる。原材料はヨーグルトでも、これを煮詰めて「ヨーグル蘇」に仕立てる。ヨーグルト風味の美味しいクッキーが出来るはずだった。
煮詰め始めて直ぐに生乳とは異なる反応に気が付いた。固形物と液体に分離が始まったのだ。どうせ水分を飛ばすのだから分離しても影響はないだろうと考えたのが浅はかな始まりで、この分離した性質が最後まで影響したのだった。煮詰めるのは順調で、返しヘラにも付着することなく扱いやすかったのだが、バラケてしまい易く固着しないのだった。練っても練っても粘り無し、マイヘビーバラバラなのだ。
結局、伸ばして型抜きしても脆くもひび割れてしまう。焼けば固着するかと思ったものの。焼きあがってもホロホロ状態のままで、これではカップに入れて焼くしかない。でもホロホロでは食べにくい。二八ソバのように小麦粉を加えれば繋ぎになるのだろうが、100%ヨーグルトとは言えなくなる。バターを加え練り上げればまとまるのかと思ったけれど、バターに固着能力は無いだろう。しっとりするだけにしか思えない。
どこかで折り合いをつけるしかないのだが、とりあえず後輩の栄養士にメールで照会してみた。妙案があれば良し、無ければ小麦粉か卵添加で初心を濁そう。ヨーグルト100%クッキーのためには妥協も止むを得ん。そうしてしまえば100%とは言えないのだが「嘘も方便」の口ではない、断じて!。
さて、味わいであるが、これがとっても美味だった。酸味と甘みの強いヨーグルト風味を想像してもらえればよい。さっぱりとした爽やかな味で、生乳からの蘇よりもダントツ「あり!あり‼」の美味しさだった。
もうクッキーとしての完成形を果たさねば撤退できない・・・。明日は雨だし9時にはスーパーに行く。

➡
蘇のクッキー
ヨーグル蘇のクッキー