

事もあろうに葦抜き作業の杖代わりに使い、終わった後はカワセミの見張り台用に池の中央に差し込んでおいた竹の天辺に降りたのだ。普段は近くにいるとすぐに飛び去るのに今日は飛び去る風もなく警戒もせず、あくびまでかまして居続けている。撮影の大チャンスなのだが接近すれば逃げられる。移動はせず望遠側最大にして撮影したのだが、やはりボケ気味になった。それでも今までに撮影したカワセミの写真に比べれば大きくとれた、がそれだけの品質。
さあ帰ろ!と駐車場に行ったら聞きなれない鳴き声が近くでする。鳴き声方向の樹木を見つめていると枝先が動いたりするし、時折は影が見えたりする。動かずに待っていたら正面のクヌギの中から頭上のウツギの中に飛び込んで鳴いている。この鳴き方の一部がサンコウチョウのさえずりの一部に近かったからサンコウチョウかもと思いカメラを構えていたら、また正面のクヌギに移り姿を現した。
鳴き声は短く三音で二音目と三音目は同じ、一音目がオスがさえずる単音に似ていた。メスのサンコウチョウは見たことが無かったが間違いなくサンコウチョウのメスに違いない、それに巣立った幼鳥連れに違いないと確信、つまり小生は「お邪魔虫」だろうと、また池に行ったのだった。
次に戻った時には警戒音だったろう鳴き声はなく、車を走らせたら拠点高み方向からオスのさえずりが聞こえてきた。巣立った幼鳥をつがいで面倒を見るのかどうか知らないけれど撮影出来た写真を図鑑対照したら間違いなくサンコウチョウのメスである。里山保全活動を始めた当時、サンコウチョウやオオルリの姿を見るどころかさえずりさえ無かったのだから、毎日泥だらけの日々であっても役には立っているのだろう。
背中側の羽毛が茶系で連想したのはマルタンヤンマだ。上の池でカワセミから視線を外した周囲には赤とんぼも居たのだが、ショウジョウトンボとばかり見ていたけれど撮影して確認したらネキトンボだった。今まで見当違いをしていたことになる。
