トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

年寄りの冷や汗、蛇足と言うにはちと不足・・・

2021-07-03 | 今日は真面目に
 山腹の大ヤマザクラが傾き、これも胸高直径40cmほどの大杉にもたれてしまったのが昨秋だった。それが一月前の雨の夜に二本とも共倒れしてしまった。山腹の林内という事で杉の先端部が林道に覗いたのだが通行を妨げるほどでも無く緊急排除の物件でも無いので放置していたのだが、子細に観察したら分岐した大枝がもう一本のスギを押しており、そのスギの梢は僅かに他のスギに掛かっているだけだった。このまま放置すればデコピンのごとく支えが外れれば落下倒木となる。悪い事にスギの高さを眺めれば先端部は林道に落下間違いない位置なのだった。

 一旦、掛かりが外れ倒れ始めればもう一度掛かって止める木も無くストレートに着地する可能性もあり、こういう事案の処理は業者任せが何より安全なのだが、小生としては用材として護岸に使いたい思惑もあって余計な手出しをする事にしたのだ。
 とりあえずは斜面下側の枝の部分を排除して全体を確認できるように、また作業の足場を整えなければならないから枝の排除から始めた。然るに倒木の上に乗り枝を払うなんて芸当は「事故を起こしてください」と同様で、ここは高枝切りを用いて下側から枝を排除する。枝を切り離し集積する時に気が付いたのだが「さくら」だったのだ。それも普通に見られる桜のサクランボより数倍大きい実をつけていた。「これは食する価値があるだろう」と赤い実を選び口に入れたものの「渋い実」だったのだ。樹果は実賭けによらない見本…。

 水域の除草の後、昼まで時間があったからの作業なので枝払い完了まではこぎつけなかったものの、周囲の概略は頭に入れた。もう、片手間どころの作業ではなく、近ごろ稀に見る危ない作業になるだろう。渋いお爺お爺、渋い実を食べた・・・。人生は因果の集まりであるが緩斜面で足元はしっかりした林床なのが救いと言えば救いだ。それでなくとも身体足元不如意にまっしぐらの昨今「足元を泥に取られて貰い杖」よりましである。

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