トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ミソハギの花は秀逸

2021-07-29 | 小父のお隣さん
 S先生からは野外の植生で「夏季のミソハギは大切な植物のひとつ」と折に触れ教えていただいていたのだが小生には「盆花」と言う記憶や経験値に基づく情感の方が大きかった。
 ところがミソハギが開花すると同じころに開花するカラスザンショウの樹冠から届く唸る羽音には遠く及ばないものの、蜂類や小さな甲虫類がやってくる。その中で何時も探すし楽しみにしているのはセイボウで、いわゆる「青蜂」類なのだがフイールドではミソハギの花でしか見たことが無い。

 ところがこの頃は「タイワンタケクマバチ」という外来種が現れるようになって、このミソハギの花で観察できるようになってきた。だからどうした、と言われても返答に窮するだけの小生ではあるけれど、単なる郷愁の植物ではなく生態系に重要な位置を占めているだろう夏季の植物であるという事は理解できるようになった。
 郷里のミソハギは水田地帯の水路に点在しているだけで群落をつくっての植生ではないものの、ここフイールドでは群落と言って良いまとまりに育ってきたから、これはこれで花枯れの夏季には美しい風景になった。しかしながら遠景はそうであっても、その重要性は群落の中に入ってみないと理解できないだろう。

 ミソハギの花は小さく、言わば集団美なのだが小さいだけに吸蜜や花粉採集は瞬時に終わる。故に花に留まる時間は瞬間的でカメラを向けピントを合わせる時間も無く次に移ってしまうのだ。移動もランダムで予想は付かず小兵に泣かされてしまう「禿げ頭、総身に知恵が回りかね」てなもんや三度笠・・・。
 それでも胸の高さまで達した花穂に囲まれていると一瞬だが棺桶からお花畑へトリップした感覚が来る。クワバラクワバラ生望生望、聖母様。因みにだが姥捨て山には歳暮は来ない。

           


温水田の泥浚いとカサスゲ抜去

2021-07-29 | 水辺環境の保全
 温水田へ上棚からの流下水路の刈り払いをしたのが先日の事。刈り草を集積し刈り跡を露わにすれば池の様子も露わになる。上棚からの法面から漏水が甚だしく、結果として二つ池は水位低下し流下水路は干あがっている。この漏水を流れるままにしておくと浸食が進むので漏水孔にパイプを突き刺して温水田に落とした。落水させないで水を繋ぐとカニやイモリが入り込み更に漏水孔を拡幅させる恐れがある。
 かなりの量の漏水なのだが上棚の流入部が判明しておらず処置できないままで、今のところはお手上げだ。この状態が一進一退で継続しており一旦は重機で掘り返し鎮圧しないと耕盤下の漏水網はどうにもならない。漏水部が頻発する範囲を陸地化させるしか今のところ策は無いのだが埋め立て用土の調達先も運ぶ量も膨大で出が出せない。現在の二つ池水面面積を半分にするだけの埋土量はは0.3馬力以下の出力爺にとっては天文学的数値である。

 さてパイプで漏水を誘導し、その上を浚渫土で覆って安定させた。池の中央部のカサスゲは春に抜去したけれど、その後の繁殖で再び抜去せざるを得ない規模になってしまった。少しは残しておかなければ羽化台が無くなるし、で残すのだけれど成長が早く常日頃適正規模にしておくには手間暇必要な厄介な植物でもある。

       ➡  浚渫     ➡  カサスゲ間引き抜去