トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

今日のトンボ「マルタンヤンマの産卵」

2021-07-28 | 小父のお隣さん
 いつも通りの水見回り。上流部から下り始めいつも通りの状態にさしたる想いも無く棚田部の畔で「ハッ!」として立ち止った。水稲の株元からトンボが飛び立ったのだ。目に入った瞬間から「マルタンヤンマ!」と確定できる全身の茶系色、「残念!」と思いつつ姿を追ったのだ。
 ところがシオカラトンボのアタックが直ちに始まった結果、舞い戻って水面に降りてくれた。これぞ神仏のご加護、父祖の恩恵、山神様の降臨に違いなかった。この幸運を見逃すほど耄碌していないはずなので当然撮影を開始する。とりあえず撮れる枚数は制限せず後で選択すれば良いのだ。それもヨイヨイになってからでは遅いから本日宵の口に選択、アップが望ましい。

     

 てなもんや三度笠、で似たようなカットばかりなのだが「良く撮れた」と思える物だけアップする。マルタンヤンマが明るい棚田部で産卵している姿は恐らく初めてではないか…。概ね泥水池で出会う事が多く、それも陰になっている場所が好みのように思っていた産卵場所なのだ。とりあえず撮影に満足。しかし水見回りを続けるのは通り過ぎなければならず産卵の邪魔になる。「仕方がないからお手紙書いた…」とつぶやきながらマムシか熊に出会ったようにゆっくりと後退。そして難無きを得たのだったマルタンヤンマは。これは小生の「惻隠の情」であり「おもてなし」でもあり「江戸しぐさ」でもあったわい。
 でもでもあの環境破壊NPOには絶対に見せないと心に誓った行動でもある。姥捨て山は世界が異なる幽界に近く、小生は妖怪扱いなのだからバランスは取れているし写真も撮れていた。そう!これで夕食は豪華に「素麺」で決まり!。

      

上の池の葦抜き

2021-07-28 | 水辺環境の保全
 上の池の葦が広がった。水面面積の半分近くまでになったから、もう猶予はなく見ていても片付く訳も無し、バカ長をつけて池に入った。この日の最高気温は32℃、胸までの防水バカ長はすぐ蒸れてしまう。腰回りに携帯蚊取り線香をベルト止めにしているから余計に通気が悪い。
 膝上まで水中に在ると言っても涼しくはならず、四本鍬を葦の株向こうに打って更に押し込み、グイグイと柄を押し根茎を浮かせてから摺動させながら泥から引き上げるのだ。太い地下茎なので大方は泥中の中に残ってしまうものの、1本1本引き抜くより早いし確実だった。

 昨季までは底の泥土まで腕を伸ばし生え際を掴んで曳く抜いていたのだが、大方プッツンするか力負けしてスコップでしゃくりあげるやり方だった。今回の四本鍬を使う方が効率が良かったものの汗だくになってしまう事は変わらない。服装から冷却効果は妨げられるのは承知だったので水冷の帽子に代え、飲料水も麦茶に梅干しを入れ、塩飴も随時舐めながらの作業だったが半分も引き抜きが終わらないままに終了とした。
 誰もいない場所で熱中症で倒れ水面に浮かんだりするのは趣味でない。よろけて沈してもバカ長に浸水すれば立ち上がるのも難儀になる。去る大昔、郷里の河川でアユ釣りをしていた瀬古選手の監督は、その装備のために起き上がれず流されたのだ。まあ、池だから流される心配は皆無なのだが戒名は欲しくない。

 今回、ちょっとした作業の改良点は「3mほどの孟宗竹」を浮かべて使用した事だ。これを浮き代わりにし抜いた葦を載せておけば岸に一挙に運べると言うものである。やってみれば確かにそうなのだが竹を持って引くと竹だけが抜けてくる。竹の上の葦に四本鍬を引っ掛けて引くとうまくいった。抜いた葦は陸に上げ乾燥させ枯れ死させる。面倒だからと水際になんて置こうものなら復活させかねない。
 越後稲作農家の小父ごんぼうとしては「葦は父祖の代からの敵」なのであって、水田では漏水の元凶であった。葦原を許せるような水面面積の無いフイールド水域では「水域の席巻植物」である。少しは許しても繁殖は押さえねばならないのだった。

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