今まで削り出した卵型に納得のいく形状は少なくモヤモヤが残っている。たまたま拠点道具小屋に道具を戻しに行って端材が目についた60mm角のスギ材である。手に持ったところ軽く感じたのでこの材で試作してみる事にした。旋盤加工時の衝撃を少なくするために両端面に描いた円の近くまで鉋で角を削る。こうする事で切削衝撃が激減するから安全を考慮すると欠かさない準備なのである。今回もデッサンして視覚的に卵型の理想形と思われる外径を導き出した。短径55mm、これは角材を削り出して得られるはずの円柱形の寸法で長径はデッサンして得られた70mm前後にした。気持ち的にはいわゆる卵型の底部と言われる部分は球体の半分のイメージである。
そんな事を心掛けながら削り出してみたのだが短径長径の大まかな寸法は合致していてもスケッチと実物の差が大きい。この相違は未だに理解できないけれど長径を詰めてみるしかなく5mm程度詰めてみたのだが加工に必要な捨て身の部分を取ってみるとやはり野暮ったい。今回はゲージを作り合わせつつ削り出すつもりだったけれど切削を急いだのでゲージはまたも無し。「げーっ、爺の股は無い」と独り下ネタギャグを行って見たところで猛暑の中に消えていっただけだった。
それはともかく今回はスギ材だったのだが無理して「軽い材」の桐やヤナギを使わなくても良かったのが分かった。その上、桐やヤナギ材より強度があるので切削中にムシレの発生が少なく肌が綺麗になる。サンドぺーパーを掛ければ滑らかな表面も出来る。あーあ、ヤナギや桐だと奮闘した苦労は何だったのだろうか。桐材購入に使ったお足でアイスを食べたかった。冷凍ボックス満杯に出来たはず。かくして病膏肓に入ったままである。何せ高齢者だもん小用はショボショボと長く続くのがお約束だぁ!。