ここの水域を覆っていたのはウシノヒタイとチゴザサである。ミソハギも大株に育ってしまい水面面積の減少に関与してきたから抜去し移植しなければならない。ウシノヒタイは半畳ほど広がっている様に見えても株元を捕まえ引きずれば容易に全体を陸に上げられる。そもそも水中根は泥土まで入り込まないから抜去は楽なのだ。それに引き換えイネ科のチゴザサはランナーを横にも縦にも伸ばし他の植生の間にさえ忍び込んでいく、いわゆる夜這い草と言われるだけあってしぶといのだ。
株元を押さえたつもりでもランナーの節々から発根して泥中に根を張りその上千切れ易い性質から親元を引き上げても育った子株や孫株の残りが目立つ。ウシノヒタイは鍬を打ち込んで曳き獲るのは容易だけれどチゴザサはクワの刃をスルーする事も多くて結果的には手取りになるのだ。この手抜き、下を向き四つ這い姿勢のままなので眼鏡に汗が溜まり視界が歪みぼやける。かといってゴム引き手袋の泥だらけのまま眼鏡を外す訳にもいかず「我慢・我慢」で抜き取りを続けてしまう。泥だらけのゴム引き手袋は脱げ難いし脱げても泥水で両手を洗ってタオルで拭いてから眼鏡を外すと言う段取りになるから面倒この上もない。その上、泥に染まったタオルは洗濯しても素地の色が戻らず泥入りに染まったままだ。こうなると洗濯をしたのに綺麗には見えず何枚かまとまった時点で漂泊が必須である。
それはさておき、割と手早く片付いたもののさすがに33℃となると先に進みたくない。胡粉と膠を購入するために市街中心部に行くことにして撤退した。自分で作業し撮影した写真なのだが見れば見る程リザーブ水路に見えてしまう。泥水池2そのものより2と3の接続水路が中央部で大部分を占めているからそうなのだが何度も見返してしまうほど似だカットになってしまった。