トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

今日のトンボ「日向に出て来たオオアオイトトンボ」

2022-10-13 | 小父のお隣さん
 寒露も過ぎると良くしたものでトンボの種類も一気に減少する。その飛翔空間を埋めるかのように姿を見せるのがオオアオイトトンボで「漸く日向に出て来たか…」との面持ちで見る小生であった。
 イトトンボの仲間では比較的大柄だし止まる時は翅を開いているから小生が断定できる数少ない種でもある。選り好みする訳でも無いのだが見ていても面白味に欠けるトンボの印象だ。それでも細い枝に集団産卵する様子は別格なのだが、産卵枝の選定には厳しいようでトンボ自体は選り好みしている様に思える。

 日当たりのある風の当たり難い場所には数が出るようになっていても視認し難い体色でもあって注意を払わないと見過ごす事が多いトンボでもある。良く観察すれば体色の個性が多いトンボで陽だまりでの暇つぶしには格好の相手で色の系統としては下の二色が主かとも思うけれど、こういう性向を「色狂い」とでもいうのだろうか・・・。




今日の素労風努「ネコジャラシの酵母培養」

2022-10-13 | 何よりの楽しみ
 「駆けつけ三杯」とか「仏の顔も三度」とか言われるから「三度目の正直」でネコジャラシで酵母培養を試みる。ネコジャラシもイネ科だし穂には小さいながら穀物が出来る。きっと酵母菌や糀菌との相性は「良い!」はずだと妄想しての事である。
 エノコログサはヨーロッパやイギリスに園芸植物として持ち込まれ、今では「侵略性植物」に指定されているのだそう。クズは「グリーンモンスター」として指定扱いだしイタドリなどは「強害草」となってしまった。イタドリの席巻ぶりはノルウェーの庭や山で散見したが優に2m以上、茎の太いところは卵の径ほどもあるし密生し入り込む隙間もないほどだった。導入当初は人気だったとかで後先結果など検討もせず導入する事など、どこの国もやる事は同じだ。
 イタドリと同じ範囲に日本では希少とされるヤナギランの群落があったが、これは現地では庭の雑草扱いで高さも腰ほどになっていた。ところ変われば何とやらである。 

 エノコログサの穂はフイールドから摘んできた。熟穂か未熟穂か迷ったのだが双方半々で貯蔵瓶に入れキビ糖大匙1杯を投入し1週間ほど発酵させる。日に1回、揺するのだがそれで穂が砂糖液から出てしまう。その度にスプーンで押し込み液に押し込む。
 パンの元種として何回も使用する訳でも無いから少なめに仕込んだ結果なのだが、出来はともかく作ってみればボルテージは収まる。まあ、雨の日の手慰み、てなもんや三度笠・・・。濾しとる作業をキッチンで行いつつ視点が庭に行った。食用菊が蕾を見せている。「食用菊花で酵母採取」がプリントされてしまった。欲望は終いる事が無いのだ。誰が「人生70にして惑わず」なんて言ったのか。随分と迷惑な言動である。
 しかしなあ、こんなことに鼻息荒くしてホント、他人様には言えない情けないご先祖様に申し開きが立たん
         仕込み ➡  ➡  濾して完成

今日のトンボ「リスアカネが撮れるのは珍しい」

2022-10-12 | 小父のお隣さん
 10月中旬ともなれば、気温も20℃以下の日が続いた事も相まってトンボの種類は一気に減った。初旬に鳴いていたツクツクボウシは既に音沙汰もなく、この日に確認できたトンボはリスアカネ、マユタテアカネ、オオアオイトトンボ、ネキトンボの4種だけでシオカラトンボやオオシオカラトンボは視認できなかった。

    

 リスアカネは中秋位から目につく種になるのだがこのトンボだけの観察だとマユタテアカネと判断がつかない。顔面を撮影して眉状斑があるかないかでようやく「だろう⁉」程度の認識力なのである。たまたまこの日はマユタテアカネが度々アタックし丁々発止、いえいえ翔翔発止と追い立てていた事もあり体長の違いをはっきりと目に出来た。並べてみていると体格の差は歴然として、のび太がジャイアンを追い立てる形で「リスアカネに違いない」と至ったのであった。それでも正面から撮影してPCで拡大して確認しようやく安堵したのだ。
 この種に限らず「翅端斑」のある個体は理由は不明だが好きだなあー。

        

 

上の池のオオカナダモ抜去駆除

2022-10-12 | 水辺環境の保全
 今期、3回の抜去駆除を行ったオオカナダモなのだが15号台風による被害補修に行ったら水中に更に数を増して繁殖しているではないか。このまま放置する訳にもいかず翌日に胴長を用意して池に入った。
 ついでに立ち枯れし倒木となって身投げしたカラスザンショウの木もチェーンソーで刻み取り除く。敢て除かなくても生物環境のためには良かったのだが、これが有るためにオオカナダモの始末が出来難い。前の3回は跨いだりしながら除草したけれど、やはり厄介だったのは変わりない。

 準備はタライと貝掘り熊手の柄を長くした道具だけだ。タライには錨代わりの重しを付けておく。これが無いと抜去中の水の動きで離れて行ってしまい、これはこれで厄介だったのだ。水底まで見通しが無いから水底の根の当たりを熊手を深く差し込み揺すりながらオオカナダモを抜き取る事を繰り返した。
 一応は見える範囲を取り除いたのだが気温が下がり水が澄んだ頃にもう一回行わなければならないだろう。一旦侵入を許すと、ここは「侵入を許した」のではなく「意図的に投入」された結果なのだが完全除去に至るかどうか思いやられる。

             ➡ 

今日の素労風努「ごどの試作」

2022-10-11 | 何よりの楽しみ
 発酵に拘泥するのは小生が薄幸だったからでその証拠は頭頂部が発光して照明、いいえ証明している間違えようもない事実なので取調室でも「間違いありません」と言わざるを得ない。それで「かつ丼」が提供されれば差し引きプラスである。人生というもの決して「不光」ではないのだ。
 まあ、耄碌ここに至り、病膏肓に入ると言われかねない小生ではあるけれど二度童ともなれば後退一方で郷里で食した食べ物がご馳走になっている。このごろ「醤油の実」を新米に載せてアフアフと掻っ込めないかと妄想中なのだがそれよりも魅力的な食品を知った。それは津軽地方の伝統食品「ごど」なのである。

 「ごど」はかの発酵学大先生小泉氏だったかの著作「臭いもの大全」?だったかに載っていたように思うのだが既に手元には無く確かめられない。たまたま女優小雪さんが尋ねる番組で改めて開眼。最初は「魅力的な女性になったなあ!」だったけれど顔の向きを両手で「ごど」に向けなおして平常進路にしたのだった。まあ、いい歳こいて目ん玉をピンクのハート型にしようとは祖父母や父母とも思っても見なかっただろう。

 それはともかく解説中に「納豆菌・糀菌・乳酸菌」で出来上がる食品と言ったのを聞き、これは「えひめAI」と同じではないかと気が付いたのだ。もう「食べるえひめAI」である。過去ブログにも掲載したが「食べるえひめAI」は試作している。この時「ごど」は頭に無かったから、となると作って食べて見なければ収まらない。

 まずは材料集めなのだが納豆と糀、塩は家にある。不足した大豆は水煮が安く店頭に有ったので二袋購入し納豆と混ぜてまずは納豆を用意する。
 一晩、40℃10時間、ヨーグルトメーカーで発酵させて準備万端。今回もリサーチしていたレシピとは異なるのだが、比較してみればテンデバラバラなのはいつもと同じ。もともとこういう食品はアバウトで構わないのである。であって今回のレシピは残り物の使い切りに重点が行った。
            納豆         400g(水煮二袋に納豆1パック分で発酵させた)
            糀          100g
            塩           20g(豆のほぼ5%)

 当初は透明容器に入れ食卓の上で経過観察を行いながら養生させるつもりだったものの気温が20℃程度までの肌寒い状態が続くのでヨーグルトメーカーに入れ替えて28℃で1週間を目安に発酵させる。

 ➡  一週間経過した状態である。ここまで1日1回撹拌し使ったスプーンを舐めて味を見てきたのだが発酵が進むにつれて蓋を開け匂いを嗅ごうとするとむせかえってしまう事があった。アンモニア臭のような刺激臭である。
 一週間経過した段階で「スプーン一杯の幸せ」を味わおうと口に入れたのだがこれが何とも摩訶不思議チチンプイプイアブラカタビラだった。思わず「Oh!」とも「Àa! 」とも言えぬ感想であった。発酵による重奏調の味わいはチューバやコントラバスを奏でられたごとく身体髪膚の隅々までしびれが行きわたった。その後に生じるバグパイプと竹製の打楽器‘’ジュゴグ‘’の合奏のような感覚、人生晩秋に於いての初体験というのも「あるのだ!」。
 まあ、材料に間違いは無いけれど伝統的レシピ通りではない配合だから影響はあったのかどうなのか比較材料も無いから何とも言えない。更に1週間の発酵を継続する事にした。

 余談で蛇足なのだがレシピを比較していた段階で「ごど」の事を「コンタミネーション(雑菌汚染)」と記述していた記事に出会ったのだが「contamination」は確かに「汚染」と辞書にあるけれど「雑菌汚染」と記した理解は全く間違いと言うしかあるまい。「ごど」は雑菌汚染された食品ではなく「意図された複合菌発酵食品」である。
 この「汚染」とする用語を持ってきた最初の経緯を知る訳もないのでむやみな指摘は控えたいところであるけれど、小生が想うに「ごど」の事も「複合菌発酵」という事実も判断できないまま「汚染」とした表現解釈があまりにも稚拙で理解力が無い。
 「ごど」の発酵食品としての科学的価値は研究者さえ度肝を抜かれる「複合菌発酵」にあり「雑菌汚染」こういう表現は伝統的発酵食品を生み出した下々在野の創意工夫や知恵を馬鹿にしている。

 ここで怒り心頭、鼻腔までつながって回路が復旧した。1週間目の匂いは何を隠そう「シンナー」あるいは「ペイント洗い液」を想起させる香りだった。これは何を意味するか…分かるはずも無い。「アンモニア臭」が生じるとの記述もあったけれど、むせかえりはしたもののアンモニア臭とは思えなくやっぱり「シンナー臭」である。
 更に12日目、撹拌すると糀や豆の分解が進み溶け合う感じになっている。スプーン1杯を口に入れればまずは納豆の味わい、大豆を噛みしめれば塩味が感じられ匂いはまろやかになった気がする。炊きたての新米に乗せて食してみたいのだが南魚沼の新米はまだ届かない。仕方がないから冷蔵庫で待機させる。

      


上の池での後始末

2022-10-11 | 水辺環境の保全
 言わずと知れた台風15号の後始末である。大量の出水で沈泥部は堆積が進み、山体からの絞り水の誘導路も水量が多くて越流し決壊してしまった。
 それにオーバーフロー部の丸太の流出と漏水孔の顕在化で丸太ダムの途中から基盤と接する面に流入部が見えてきて、これも合わせて補修する事にしたのだ。丁度この日は「脱穀」予定日であったものの足踏み脱穀など行っている場合ではなく、脱穀など中学生ともなれば行える作業で「災害復旧・環境保全」は他をもって代えられないとしてこの作業を優先するとして断ったのだが作業の中身が見えないだろうから「サボリ」と想われたかもしれない。

 沈泥部の堆積土砂の浚渫は後日にして、池の中ほどへ流入路を生じさせた砂州の部分を掘り上げて当初の池の傍水流を戻した。流入する土砂を少しでも池中央部に運ばせないための策である。

 絞り水の導水路も絞り水と共に流れ出る土砂を浚渫し易い林道近くに堆積させるための手段で、普段は小水路であっても15号台風の降雨量では運びこまれる土砂も水も大量だったから容易に越流・決壊に至った。ここも簡単に水路を通じさせるだけにして作業を終える。土手の幅と水路幅を広げる算段を行う必要があるけれど、ここまやはり後回しだ。

 この日のメーンイベントはオーバーフロー部の補修で流出した丸太を元に戻す事と漏水部の解消の二点だである。まずは漏水部の地下の部分を確認するとスコップがすっぽりと入るほど広くて深い。完全に消滅させるには丸太ダムの積み上げ基盤まで掘り下げねばならず、そこまでの労力は掛けれないから土嚢を並べて押さえる、ここも対処作業だ。

 丸太ダム部と両脇の護岸丸太は流出したので下流から運び上げ、丸太ダムの材方向も流れに平行に変更した。これで増水時の丸太が受ける圧力は減じるし、ほとばしる水勢も丸太の間に流下して和らぐだろうと言う目論見である。
 この作業も根治作業ではない。土嚢を積み並べてオーバーフロー部の高さを整えてきたのだが自重による自然沈下と水流による土砂の侵食で随分と嵩が減って高さを減じている。ここに土嚢を再度積み上げ現在は丸太と土嚢で押さえてある水位線まで高さを揃えたいのだが土嚢の数は100袋に達する見積もりで土嚢を作り運び積み上げる作業を想うと眩暈がする。
 何時かは、というより早めに実施したい作業ではあるのだが及び腰・逃げ腰・へっぴり腰のままである。



 

今日の素労風努「コバノガマズミ酵母で小パン」

2022-10-10 | 何よりの楽しみ
 元種が完成したから早速パンにしてみた。比較検討するならフォカッチャなり食パンなりに同一種で焼く方が正しい方法ではあるけれど元より度々起こすパン種酵母でも無く、高齢者の気まぐれ・暇つぶし・ドンファン気質のなせる行為でもあるから「色々あっても人間だもの」でよろしいのである。歳をとっても浮気性は治らん!。と言うより短期記憶が損なわれているから取り留めも無いのである。

 いつもの事ながら参考にするようなレシピも取り留めも無く雑多で意中の❤は無かったから、いつもと同じ勝手配分で強制レシピになった。
          
             元種分     強力粉  150g
                     発酵液  150g  (3回に分け元種発酵)
             元種溶解分   発酵液   適量   (使い切り、余りは庭土に散布)
             
            強力粉           100g (生地調整で大匙3を更に追加)
            キビ糖            15g
             塩              3g
            バター            20g
            牛乳             60g

 材料を全て合して生地作り終了し一次発酵は6時間とする。
 元種作りの折り、3回の発酵が2倍づつにはならず発酵力の弱さを懸念したが心配した通りの事態になった。

 一次発酵室温で6時間後でも膨らみは殆ど感じられない。気温が20度前半では発酵には低すぎる。

 成型後の二次発酵室温2時間後も膨らみは変化なし。4個に分割し丸めてテーブルタイム1時間後に予熱200℃12分で焼く。焼き目がやや薄くて火が通ったか心配だったものの加熱中に膨満し粗熱を取ってから半分に切り分けて断面を見れば十分な膨張はあったと言える。
 肝心の風味だがフジバカマ酵母によるパンの様な臭みも無くて黙っていればドライイーストで通りそうだ。食感はやはりモチモチしており「フォカッチャ」の方が良かったかも知れない。とは言え爺我自賛の加工なのであるから客観性には欠けよう。
 試食は素パンだったが夕食と朝食はサンドにしてホームマックもどき・・・。砂糖、バター、粉乳を増加させれば更に美味しくなるのは分かっていても枯れていくだけの高齢者に高カロリーは不要だ。言わば「唯一無二の酵母で作る」事に意義を見出しているから試してみれば「はい、さようなら」アデユーであるものの小生にしてみれば人類初、並ぶ者はいない火星到達に匹敵する。ハア、妄想だけの侘しい老後・・・。

            

オニヤンマの水路を付け替え

2022-10-09 | 水辺環境の保全
 フイールド水域の整備を始めた当初、氾濫しながら流路の定まっていなかった棚田跡の細流にオニヤンマがパトロールしているのを度々見かけたから崖側に浅く幅広の水路として設えオニヤンマの産卵を狙ったのだがオニヤンマの産卵自体は場所はランダムで「こんなところで⁉」と言いたいのが度々だ。だから今は「オニヤンマの水路」とも言わずに経過しているが、この水路の左岸法面が台風15号の降水量に負けてずり落ちて水路を潰してしまった。

 台風一過後の9月25日、どこも酷い惨状ではあるがこの場所、水路が無くなった結果、昔のようにヤナギの林に溢れていたのだ。その日は急遽、応急処置としてせり出た土砂の先端部の土を穿ち水の散逸を防いだ。

 翌日道具を一輪車に載せて復旧作業に入ったのだが元の水路を掘り出す手間より新たに付け直した方が合理的なので、埋もれかけていた左岸の護岸丸太を掘り取り新たな水路を付け加え護岸木を杭止めして完成した。
 本来なら断水復旧こそ急がねばならない項目なのだけれどあまりにも作業量が膨大で、とりあえず水域のネットワークだけを復旧させておく。水系の途中で水が散逸するようでは下流の湛水が危うくなる。まあ、どちらにしても毎分20ℓ程度でも送水が止まっている現状は赤信号の点滅状態で、断水復旧は1週間以内に達成したいのだが、やってみなけりゃ分からない・・・。ただこの記事をアップした9日時点では通水出来ていて、ここが復旧作業第一号地点であるけれど崖の下の復旧作業の影に埋もれてしまったのだ。それほど崖の下の復旧は苦労したのだった。


*十三夜

2022-10-09 | 感じるままの回り道
              カネタタキ木星添えの十三夜

              障子開け十三夜浴ぶ不眠どき

              夜に合わぬ深夜放送十三夜

              雪隠やぼうとただ立つ窓の月

              音もそぞろ時に見上ぐか十三夜

              まくら胸覚めて句考の十三夜

              むら雲を灯し消えたる十三夜

              垣間見て眠れぬ夜なり十三夜

              江戸川や月は満ちゆく女児哀れ

              むら雲も消えてくさめの十三夜

              月を浴び瞑るまぶたに月の圧

              月々も憑きものづくし月見草

              

水が絶たれりゃ通路の伐採・・・水源地への生命線

2022-10-08 | 今日は真面目に
 手順から言うなれば、まず最初にこの作業を行って水源地までのルートを整備すべきだったのだが「記録的降雨による被害断水」では普段通りの手順では無理で、とにもかくにも「通水第一」でやらざるを得ない。「通行の不便」より「断水による環境破壊」を防ぐ方が優先事項だ。

 奮闘努力、困難辛苦、上げ足下げ足、肩腰トントンの結果、ようやく安定通水が叶ったから今後も後始末が続く水源地への安全通行に倒木の処理を行った。立ち木の倒れた部分だけなら個人奮闘でもなんとか目途は立つものの「路面土砂塊の排除ともなると無理である。今回は車両を通せる状態までは諦めて一輪車を通せる状態まで手を入れた。
 川沿いの駐車スペースまでの林道上には流出した砂礫が積み上がってはいるけれど平らかにすれば車両は通せそうなものの立ち木が根株もろとも滑り落ちている部分は小生が排除は困難だし手も出したくはない。斜面側を通れるようにしても再度の崩れ落ちがあるやもしれないので反対側を通り抜けれるように灌木を伐採した。

 ヒノキが斜面から表土もろとも滑り落ちた現場は見た目は大層大げさなのだが、根株の部分は勢い付けて道路を越えて滑ってくれて、そのあとの路面流水が路面の土砂を流した結果、倒木を切り刻むだけで車両を通せる余裕はあるけれど前述の道路に滑り落ちた表層根塊は2トン車の荷台ほどもあるから担当課が行ってくれるまで放置である。「金がない!」と言われているから目途は無く警告表示と黄色いテープの規制線だけで終わったので、これからは道具を抱えて運び上げるか一輪車も車載し乗せ換えて運ぶことになるのかその都度選択しなければならなくなった。


崖の下のジジ・・・危機一髪だった!ナマステ‼

2022-10-07 | 水辺環境の保全
 断水解消の作業は終了したのだが作業の顛末残り分。さて、ようやく排砂バルブを掘り出し開放してみたものの連続した排水は無し。一晩経過しても滴も垂れていなかった。「これではまだまだ難航かも…」の一抹の不安を胸に車載した一輪車にエンジンポンプ一式を載せて取水地へ運ぶ。3カ所の崩落部は一輪車も抱えて乗り越えようやく林道終点の丸木橋まで到達したがここも崩落している。ここからエンジンポンプを抱えて河床に下りて河床を取水堰まで行った。

 強制送水のセットを行い、まずはエンジンをアイドリング状態で運転しながら管口付近に詰まっている砂泥を流出させてホースが中に入る距離を得る。少なくとも50cmは挿入して送水しないと水圧でホースが排出されてしまうのだ。ホース先端を狭め管内の砂泥を洗う。濁った取水升内の作業なので勘だけが頼りだ。
 一旦運転停止しホースを管内に挿入し再びアイドリング運転を開始する。詰まりが先まであればホースは抜け出て来るのだが何とか収まったままでホースの膨らみを観察していると圧が掛かったり緩んだりと脈動してきたので何とか送水できていると判断。そのまま運転を継続させて排砂バルブまで排水を確認に行った。

 ➡  ボゴボゴと濁水がほとばしっているから「ヤレヤレ」思わず「竜神様!水神様!弁天様!ナマステ」とつぶやくしかない。しばらく待機して排水が澄み始めた頃合いに排砂バルブを閉じた。ここまで送水を初めて30分でこれ以降は吐水口までの後半分の排砂である。一旦ポンプまで戻り少しだけアイドリングアップをしてからフイールドの吐水口まで確認に行った。今まででは行わなかった行為であるけれど断水が長引いたし送水確認をしてから撤収したかったのだ。

 片道15分歩いて吐水口で確認する。濁りは出ているが2週間ぶりの通水になった。吐水量を量るためのバケツの用意は無いので確認は翌日回し。
 フイールドの水域は乾燥してはいないものの底を露わにして絶体絶命状態だ。通水がなったとはいえ一晩で満水位になるはずも無く両日必要だろう。そしてようやく良日が訪れるのである。生活には全く関係のない断水解消だったけれど「里地里山の環境保全」という視点に立てばこれも必須な復旧作業である。まあ、こんな視点と行動は小生だけで人生、生まれた時も死ぬ時も独りなのだし姥捨て山では生きていても孤爺なのだから、せめて健気な生物の意気に感じようぞ。
 長いスパンで判じれば「基盤生物層」が豊かであってこそ人間も健康に生かされる世界のはずなのだと信じて疑わない。とは言えまあ、猫の額程度のフイールドだから影響は皆無で、それはそれで良ーく解っていらっしゃいますだ。

     隣接池の水位    二つ池の水位    棚田部の水位

*還り来ぬ青春

2022-10-06 | 花の下に長居
                バス停に裸脚乱立秋深し

                秋風に応援の声黄葉色

                青春はスマホへ恋路秋立ちぬ

                吾亦紅まけじと背伸びいわし雲

                病葉やさくら最速裸樹となり

                秋の声避けしエヤホン登下校

                登校を急ぐJKチャリ夢中

                マスクしてエアホンスマホ孤々の秋

                道路走髪シャッシャッと秋染まぬ

                途切れつつ歓声聞こゆ秋澄めり

                青春の声老秋の騒ぐ胸

                下校時や嬌声も無し山粧う

                はや暮れぬバス待つ生徒秋の水

                バス止まる蚕のごとく校衣吐く


                

崖の下のジジ・・・断水解消には、さらに三難

2022-10-05 | 今日は真面目に
 台風15号に因る取水升への土砂流入と表層崩落で排砂バルブが埋没し断水の憂き目と成ったのだが3日には通水に至った事は昨日の記事に入れた。しかし復旧作業の顛末記事は終わっていない。

 その顛末の続き。取水地の惨状は見た目ほど酷くは無くて、どちらかというと河床低下で取水不能になる事を恐れていた左岸側に土砂や流出物が堆積して天然の堤を形成してくれた結果、その点はラッキーだった。
 取水升は傘型フイルター天井まで砂泥が詰まってはいたものの二重透水壁を設置した結果埋没せず、逆に増水流が右岸寄りで土砂を流し続けてくれた結果、復旧は取水升内の浚渫と流路の整えで済んだのだ。

 ところがである。斜面崩壊で埋まった排砂バルブ地点をようやく掘り出したものの排砂バルブを開放しても水は来なかった。こうなると管路の接続部を上流から外して排砂し、また接続するを繰り返すかエンジンポンプで弱い水圧を掛けて排砂バルブまで強制通水するしかない。
 然るにエンジンポンプを運ぶ通路が3カ所の破壊で車での通行は不能で復旧見込みは全くなく、そうなると26kgのポンプ本体とホース類をどう運び上げるかが課題になった。エンジンポンプを抱えて3カ所の障害を乗り越えるのは老骨にはいささか不安で苦痛だ。生まれも育ちもSで始まる姓であっても老骨に鞭打ちたいSにはなり切れない。何せ文字通り雅な雅魚沼米作農家の出自なのだから。

 最初の関門、林道に流出した土砂が路面を埋めた。この程度なら整地して何とか走行は可能だ。

 二カ所目は立ち木と共に表層滑りが発生して倒木はチェーンソーで処理出来ても根株毎崩落した土砂の部分は重機が必要なので、車の進入は不可能となった。

 三カ所目は沢に渡した丸木橋。ここも出水で流路幅が広がり落ちてしまった。歩行には何とかなるがポンプを抱えての渡りは危険だ。近くで河床に下りなければならない。

 現実は一刻も争うフイールド水辺の渇水がある。ほぼ全域の底が現われて、底土の乾燥には至ってはいないけれど雨の予報は一週間も先で待ったなしの状態。手をこまねいている訳にもいかず老骨に打ち打つ事にする。
 崖の下の掘り出し作業を終えての帰路、フイールド道具小屋に立ち寄って車載していた牽引器やスコップ、ツルハシと交換する形でエンジンポンプ一式と一輪車を載せた。一輪車は後部座席を倒し助手席背もたれも倒してどうにか入った。
 この一輪車に道具を満載し水源地まで運ぶのだがかの「三難」の度に載せ下ろしをしなくてはならぬ。ちなみに小生は五男であるがご難に満ちた人生、尾羽うちやぶれるまで動かなければならない運命だった。まあ、水商売は自転車操業てなもんや三度笠・・・。

 フイールドの生物棲息環境は県内の両横綱と単位記録密度と記録期間など分母を整えて比較すれば圧倒的勝利環境なのであり「里地里山保全指定」も叶う実態は十二分にあるけれどいかにせん、保全維持を通せる先が見通せないのが地雷でもあり時限爆弾でもある。まあ、色即是空空即是色、現世に変わらぬことなど無い「後はおぼろ、後はおぼろ」が関の山か・・・。

10日ぶりの通水‼

2022-10-04 | 水辺環境の保全
 台風15号では1時間当たり100mm超えの雨量を記録し、深夜3時間ほど続いたからフイールドも被害甚大だった。
 降雨増水時の被害を押さえたくて隣り沢からの送水を遮断し送管内に砂泥の流入を防ぎたかったものの管路中ほどにトイレ手洗い水を出し放しにしていた箇所があったため結局は砂泥が詰まった。まあ、水源地の荒れ様は別風景になっていたから小手先だけでは駄目だった対策でもある。

 送水管途中の最重要部、排砂バルブが斜面の崩落で埋まり、これを掘り出して排砂作業を行わなければ通水は不可能なので足掛け4日を要して地上部に露わにしたのだ。そのあと排砂バルブ開放しても排水されず、翌日はエンジンポンプを取水升まで運び上げて強制通水し、なんとか断水から脱却できたのだった。しかしながら加圧送水時はそれなりの吐水はあっても加圧送水を止めて自然送水に任すと一端は流量が下がり定量復旧するのに一晩を要する。
 理由は判然としないのだが「管路800mで落差は3m、その上、前半分が下り勾配で後半分が昇り勾配」では管内の水を押し出してくる水圧が弱く「ジワジワ」としか水が届かないのだろうと推定している。水だけに推定するしかないのだった。

 さて一夜明けての流量測定は15ℓのバケツに30秒でほぼ満水に少々不足で計測したら13リットルあった。これで毎分26リットルの流量が復活したことになる。今までの最大吐水量は27ℓ/分、だったから満足せねばならない。本ブログの記事にはまだ顛末のすべてを載せてはいないけれどとにかく祝着至極であった。「崖の下に埋没」なんて事態にもならずドリンク剤1本で祝杯。

         

崖の下のジジ・・・竜神様!水神様!弁天様!

2022-10-04 | 水辺環境の保全
 さてこの日は牽引器を用意し根塊の抜去移動から始める。根塊は崩落した斜面に残っていたであろう切株の末路でもある。それがよりによって肝心かなめの排砂バルブを直撃し乗っかってしまったのだ。ああ、人生は「マーフイの法則」に満ちている。我が身は「年金孤老貧乏暇なし・幸薄し」ではあるけれど頭頂部の薄さの方が日本男児の末路にあっても哀しい。

 牽引セット ➡  地上に出す ➡  下流側に据える
 さてさて気を取り直して作業開始。牽引器の固定点は適切なところが無いのだが崩落した立ち木の幹に固定して曳く。根塊に掛けた鉢巻も移動に合わせ固定位置を変えながら下流側のやや広い場所まで移動させ据えて終わる。根株なので突起が不規則で、このために作用点を移さないと地面に突き刺さる形になり易いのだ。

 根塊を抜いた窪みからは直接バルブは見えなくて更に掘り下げていると排砂バルブの本体が見えて来た。開閉バルブの操作軸は上向きで最初に視認できたのだが崩落体の直撃でハンドル軸が折れて操作できなくなってしまった。これを閉鎖出来ないと排砂バルブを開放しても十分な効果が及ばない嫌いがあるものの排砂バルブの損傷でなくてホッとする。
 バルブ位置の管を掘り出し再び埋没しないように枕木を数カ所当ててから排砂バルブを開放してみる事にした。もう「神様!仏様!弁財天様!」と祈る気持ちでバルブを開けた。水はほとばしり出たけれど喜んでもいられない。通水していなくてもバルブ近くの水は流れ出るのだ。ものの5分も経たないうちに水流は弱くなり水滴だけになった。やはり途中で詰まっている。
 砂泥流入を止めるため中間地点のバルブを閉じたのだが排砂バルブの上流部にトイレの手洗い水取水のための管が接続されており、これは24時間出し放しだから取水口からはその流量は入る。結局は砂泥混入を避けられなかったのだ。取水升外側にバルブがあるけれど横着した結果で惨敗。これで「エンジンポンプで強制通水」せねばならん。
      バルブ部出した ➡  枕木で浮かせる ➡  排砂バルブ開放

 三日間を要し送水管を露わにしたけれど断水解消のためには取水口からポンプ圧送して砂泥を排出しないとならない。そこまでの通路が3カ所の崩落で車が走行できなくなっている。26kgのエンジンポンプを500mほどをどう運ぼうか頭が痛い。いやいや、頭ではなく肩、肘、腰、膝が既に幻痛を起し始め防衛体制に入ってしまった。
 泣くな身体よ 泣いても水は出てこない ちょっぴり出てくる涙だけ ボロボロ出て来る汗と垢 サノヨイヨイ。まあ、人生は報われない苦労で出来ている事は寅さんも歌っている・・・。