澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

SMAPが「がんばろう日本 ありがとう中国 アジアはひとつ」

2011年08月17日 05時17分17秒 | 中国

 SMAPの木村拓哉が、来月行われる北京公演について、次のように語ったという。

東日本大震災について「中国の皆さまからの温かい支援をいただき、日本がもう一度立ち上がろうとしている最中」と指摘。北京公演で「日本の元気を僕らが体現したい」と訴えた。

 私の記憶では、大震災に対して中国から温かい支援など全くなかった。台湾からの義援金は、ついに200億円を超えたが、これに比べれば、中国からの支援など雀の涙と言っていい。
 北京公演を行うという商売上の都合もあるのだろうが、中国側への過度なお世辞は慎むべきだろう。上海万博における日本館への中国側の処遇、尖閣事件を口実とした反日デモの炎上、それに大震災直後にネット上で飛び交った「ざまあみろ、日本!」という書き込みを見れば、中国が一筋縄ではいかない相手であることは明らかだ。日本人が「平和」「友好」を叫べば叫ぶほど、足元を見られて、相手の術中にはまってきたという苦い経験がある。

 だから、キムタクがインタビューで言った最後の一言は噴飯モノだった。「がんばろう日本 ありがとう中国 アジアはひとつ」だってさ。
 反日国家、共産党独裁国家である中国にここまで媚びて、中国公演とやらを成功させたいのか? 

 SMAPの諸君は、たまには新聞を読んだ方がいい。「国民的アイドル」を自負するなら、中国はどういう国なのか、自分が何を中国に対して「ありがとう」と言っているのか、「アジアはひとつ」などと軽々に口走っていいのかどうか等々、少しは考えるべきだろう。
 まあ、ホストクラブの中年ホストそっくりになってきた木村拓哉にそんなことを期待するのは到底無理というものだろうが…。

 

賛同人に日中政財界の大物=来月のSMAP北京公演

時事通信 8月16日(火)18時34分配信

 【北京時事】日本の人気グループSMAPが9月16日に行う北京公演について、中国の唐家セン前国務委員や程永華駐日大使、海江田万里経済産業相、丹羽宇一郎駐中国大使ら政財官界の大物が賛同人に名を連ねたことが16日分かった。来年の日中国交正常化40周年を控え、今回の公演を「中日民間文化交流の象徴的事件」(関係者)として両国の国民感情改善に向けたイベントにする政治的狙いが強い。
 この日、SMAPを代表して木村拓哉さんが北京市内のホテルで中国のメディアやファン向けに記者会見し、東日本大震災について「中国の皆さまからの温かい支援をいただき、日本がもう一度立ち上がろうとしている最中」と指摘。北京公演で「日本の元気を僕らが体現したい」と訴えた。
 賛同人はこのほか、中国側が歴代駐日大使の武大偉、王毅、崔天凱各氏や邵※(※=王ヘンに其)偉国家観光局長、日本側が海部俊樹元首相、御手洗冨士夫・前経団連会長ら。スポーツ界からも元巨人監督の長嶋茂雄氏、卓球の福原愛さん、バスケットボールの姚明氏らが加わった。 


唖然とさせられた「ミヤネ屋」の中国高速鉄道事故報道

2011年07月25日 16時22分00秒 | 中国

 「ミヤネ屋」(読売テレビ)を見ていたら、中国の高速鉄道事故を採り上げていた。事故原因については、中国に対して辛口の批評が多かったようだが、中国の鉄道網を表した図を見て唖然とした。

 それは下図のとおりなのだが、驚くのは2020年には台湾海峡に高速鉄道が付設される予定になっていること。台湾海峡に海底トンネルを掘るらしい。そうなったら、我が愛しの澎湖諸島はどうなってしまうのか? もちろん、これは中国側の一方的な計画だろうが、それをそのままTV番組で引用し、今回の事故の説明資料に使うとは、あまりにも無神経だ。

 「ひとつの中国」「中台関係」等々のありふれた議論を繰り返すつもりはないが、ひとつだけ言っておきたい。読売テレビの番組制作者は、これが意図的であるのなら、貴方は中国のスパイ。何も気づかず制作したのなら、マスメディアに携わる能力に欠けた人おそらくコネ採用のバカボンでしょうね。

【読売テレビが引用した2020年の中国高速鉄道網】

 


ベトナムの反中国デモに注目!

2011年07月17日 18時08分27秒 | 中国

 毎日曜日、NHKがベトナムにおける反中国デモを熱心に報道している(下記参照)。「熱心に」と言うのは、尖閣事件が起きた直後、中国側の行動に抗議して東京の中国大使館前には八千人もの市民デモが整然と行われたのだが、NHKは、これを一切報道しなかった。表向きは「右翼のデモ」だという理由であったが、実際には中国側を刺激すると躊躇したからだと言われている。
 
 その弱腰NHKが、ベトナムの反中国デモを毎週熱心に報道しているのは何故か。まず留意しなければならないのは、ベトナムも中国同様、共産党一党独裁の国であること。わずか八十人程度の反中国デモであっても、ベトナム政府の容認がなければ、デモなどあり得ない話だ。それを十分承知しながらNHKが報道するのは、ベトナムの反中国デモが南沙諸島をめぐる領土問題であるから。尖閣事件で軟弱姿勢を指摘されたNHKが、南沙諸島問題を採り上げて、間接的に中国の脅威を国民に知らしめようとしているのかも知れない。

 七週連続で行われたハノイの反中国デモは、当然、ベトナム政府の意向を代弁している。それを熱心に報道するNHKもまた、何かの意図を持って報道している。注目すべき報道ではある。

 

 

ベトナム 7週連続で反中デモ

7月17日 15時58分  NHKニュース

南シナ海の島々の領有権を巡って中国との対立が激しくなっているベトナムで17日、7週連続となる中国への抗議デモが行われました。先週に続き、警察が途中で解散させましたが、より長い時間、行進するのを黙認し、ベトナム当局が対中関係と国民感情の双方への配慮に苦心していることがうかがえます。

ベトナムと中国の間では、南シナ海の南沙諸島などの領有権を巡る対立が激しくなっていて、ベトナムの石油探査活動や漁船の操業が中国の船に妨害されるなどの事件が相次いでいます。ベトナムの首都ハノイでは、先月5日から毎週日曜日に中国への抗議デモが行われていて、7週目の17日もおよそ80人が市の中心部にある中国大使館の近くで行進しました。警察は、初めのうちは行進を黙認していましたが、開始からおよそ30分後に解散させ、半数余りの参加者を連行しました。一連のデモを警察が解散させるのは2週続けてのことですが、行進を黙認した時間は先週より長くなりました。今週末に中国も参加してアジアの安全保障を話し合う国際会議が開かれるのを前に、ベトナム当局が対中関係と国民感情の双方への配慮に苦心していることがうかがえます。


中国共産党90歳の不都合な真実

2011年07月01日 09時04分09秒 | 中国

 今朝の産経新聞「正論」欄に「中国共産党90歳の不都合な真実」と題された論文が載っている。

 執筆者の鳥居民氏は、ことし81歳になる。40年も前、「毛沢東 五つの戦争」(草思社 1970年)を著して、当時の文化大革命論争に一石を投じた。文化大革命の評価については、今にしてみれば、「中国」への思い入れと肩入れとしか思えない、異常なほどの文革礼賛熱が燃え上がった。特に、早大の安藤彦太郎、新島淳良といった日中友好プロ活動家(肩書きは早大教授)、中国研究所に属する菅沼正久といった人達の言動は、異様なほどだった。
 この鳥居民氏は、在野の一研究者として、中国礼賛の輪には加わらず、終始一貫した立場を貫き通した。

 今日は中共(=中国共産党)創立90周年の記念日。1921年のこの日、上海の疎開の片隅で、中共第一回党大会が開かれたのだった。
 鳥居氏が指摘するように、党創立から45年(=90周年の半分にあたる)の1966年は、まさしく文化大革命が勃発した年であった。だが、中共当局は、文化大革命、その前兆でもあった大躍進といった失政の数々については、今なお封印したままだ。

 中共という政党自体がソ連共産党・コミンテルンの指令によって成立した事実は軽視され、毛沢東による中国革命の独自性ばかりが強調されている。中共にとって不都合な真実は、すべて封印してしまうというのが、彼らの得意技なのだろう。

 80歳を過ぎてなお、中国研究を続ける鳥居氏の情熱には頭が下がる思いだ。

 

中国現代史研究家・鳥居民 中国共産党90歳の不都合な真実

2011.7.1 03:08  「産経新聞」
 

 7月1日の今日、中国共産党は創立90周年を迎えた。「愛党」をスローガンにした祝日である。今年の初めから、中国共産党が「私たちは幸福だ」といった宣伝戦を全土で繰り広げてきたのは、この「愛党」キャンペーンに繋(つな)げる算段があってのことだった。

 ≪党史真ん中に毛の過ち、文革≫

 さて、中国共産党は、自分たちは90年の歴史を持つのだと鼻を高くしているが、その歴史のすべてを明らかにすることはできないできた。この90年の丁度(ちょうど)真ん中に当たるのが1966年なのだと気づけば、感慨を覚える人もいよう。毛沢東の死まで10年間続く文化大革命が始まった年である。

 彭真(ほうしん)北京市長が若者2人に両腕をねじ上げられている光景を収めた写真を見せられて、「スマートでないが正直だ」「地球規模で問題は展開」などと語った日本人もいたのだが、文化大革命が毛の復讐(ふくしゅう)心を込めた粛清だったことは後に誰もが知るようになる。

 だが、共産党はその文化大革命の系統的な研究を許していない。そして、文革を生み出した大躍進運動と「3年の自然災害」についても、真実を伏せてきた。

 ≪口つぐんできた大躍進、飢饉≫

 昨年、「毛沢東の大飢饉(ききん)」という題の歴史書が、英国で刊行された。邦訳は今月末に発行される。著者は、フランク・ディケーター・ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)教授である。教授は2005年から09年にかけ、広東省から甘粛省までの地方党委員会が管轄する公文書館を訪れ、大躍進運動と大飢饉に関する党の資料を収集し、隠蔽されてきた秘密を調べ上げた。そして、党幹部により収容所に送られて殺された者が250万人にも上り、餓死者と合わせて犠牲者は4500万人に達することを明らかにした。

 明らかになった事実はもうひとつある。ディケーター氏のような外国の研究者が党の公文書館から資料を収集できたことからも分かるように、「毛沢東の大飢饉」を認めようとする党幹部がいるという事実である。政治改革を怠り、硬直化した政治体制を弾圧と投獄でこの先も維持していくことはできないと考える人たちであり、その中心人物は温家宝首相だ。

 ところが、毛沢東を卑しめてしまったら、党そのものが傷つき、党による支配が難しくなると、これまで通りの考えを変えようとしない党幹部がいる。さらには、党の権威を浸食する価値の多元化を抑えるためには、いまこそ毛沢東が必要だと、もっと積極的に捉(とら)える党幹部がいて、潜勢力を持つ党長老の支持を得てもいる。

 これらの2つの勢力が、来年秋の党大会に向けて、影響力争いを繰り広げる中で、毛沢東批判を許さないと説く党幹部、国家副主席の習近平氏、重慶市党委書記の薄煕来(はくきらい)氏が力を強めている。

 ≪改革成せずに涙した?温首相≫

 この5月の下旬、日中韓首脳会談が東京で開かれ、温首相が来日した。公式行事のない一夜、温首相は中国大使館員と華僑の集まりで話をした。政治改革が必要だと説いているうちに、首相は涙ぐんで、目頭を指で押さえた。

 温家宝首相は1980年代後半の党総書記の胡耀邦、続く趙紫陽と同じように、政治改革の志を遂げることができないまま退陣することになるのであろうか。

 では、ソ連共産党が91年に壊滅した後-胡耀邦が87年に追われ、趙紫陽が89年に追われた後、と言ってもよいのだが-、今日までの20年、中国共産党が存続できたのはなぜだったのであろう。

 何よりも幸運に恵まれた。アメリカの好景気がずっと続いたのである。中国の港からアメリカの港に向かうコンテナ船は食料以外、アメリカ人が住まいの中で必要とするすべての物を運んだ。アメリカから中国に戻ってくるコンテナは、あらかたが空っぽで、せいぜい古新聞と干し草だった。

 中国の対米貿易は膨大な黒字となって、アメリカ国債に化け、そうした低コストの資本供給が、アメリカの住宅建設を異常なまでに拡大させ、それがまた、中国の対米輸出を増大させていく。

 中国はたちまち「世界の工場」になり、農民工は「2等公民」の扱いを受けながらも、1億人から2億人へと増え続け、「世界の労働者」となった。中国の基幹産業を独占する国有企業も巨大な力を持つようになり、党長老の一家はいずれも大財閥となった。実質的に大地主になっている地方の党幹部の親族も、大資産家となった。そして、軍事費と治安費は毎年2桁もの伸びを続けてきた。

 クレムリンからソ連国旗が消えて、ロシアの三色旗に代わってから20年この方、中国共産党の存続の日々はこのような塩梅(あんばい)だった。しかし、この先、中国の経済が、これまでと同じ仕組み、同じやり方で進展していくことはあり得ないし、軍事費と治安費が5年ごとに倍増することを許してきた時代も終わらざるを得ない。習近平氏と薄煕来氏は、温家宝氏が手厳しく批判している、「封建主義の遺風」「文革の余毒」にひたっている余裕はないはずである。(とりい たみ)


中国、内モンゴルに戒厳令

2011年05月29日 20時07分42秒 | 中国

 中華人民共和国の内モンゴル自治区で遊牧民の反政府抗議行動が起きて、中国当局は戒厳令を発したと伝えられる。
 中国共産党は、「ひとつの中国」という虚構のもとで、モンゴル、ウイグル、チベットなどの少数民族を抑圧、支配している。最近では辺境地域への漢族の移住、学校教育における「普通話」(=北京官話)の強制などの政策を強め、漢族と少数民族とのあつれきが高まっている。
 

中国、内モンゴルに戒厳令か 遊牧民の抗議行動拡大

産経新聞 5月29日(日)17時53分配信

 【北京=川越一】中国内モンゴル自治区で、炭鉱開発に反対していたモンゴル族遊牧民2人の事故死をきっかけに反政府抗議行動が拡大している。国際人権団体、アムネスティ・インターナショナルなどによると、中国当局は29日までに、同自治区の一部に戒厳令を敷いたもようだ。

 同団体が27日に発表した報告などによると、今月中旬、遊牧民1人が石炭を積んだトラックにはねられて死亡。4日後にも1人が車の衝突で死亡した。同自治区では、炭坑開発による大気や水質汚染の深刻化に遊牧民が反発。業者や政府に対応を求めていたことから、事故を装った殺害を疑う声が上がった。

 住民らは23日ごろから、死亡原因の究明やモンゴル族の人権尊重などを求めてデモを開始した。当局が24日に運転手らの拘束を発表した後も抗議行動は激しさを増し、25日にはシリンホト市で、モンゴル族の学生らを中心に数千人が政府庁舎を取り囲むなどする騒ぎが発生。27日には同市郊外で、遊牧民や学生らと治安部隊が衝突し、40人以上が拘束された。

 チベット族やウイグル族による抗議活動が多発する中、モンゴル族居住地での衝突は、中国当局にとっては新たな“火薬庫”となりかねない。遊牧民らの怒りには、石炭採掘など自治区の資源をあさる漢族への反発も見え隠れする。

 それだけに、7月1日に共産党創立90周年を控える中国当局は治安部隊の大量動員やインターネット規制に加え、戒厳令まで発して、少数民族による抗議行動の飛び火を押さえ込もうとしている。

中華文明は一度滅んでいたのだ

2011/02/21 07:23更新

メインフォト
筑波大学大学院教授・古田博司氏 

【正論】

 ◆対中イメージ砕いた3事件

 菅直人首相は最近、中国事情に詳しい財界人を集めて懇談会を開き、日中国交回復40周年にあたる来年に向け、新たな日中関係を再構築することを視野に入れた提言を要請した。これは、2月下旬に日中両政府が外務次官級の戦略対話を行うという方針とも連動、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で悪化した関係の改善を図り、首相自らの訪中も探るという、政財界一体の打開策と期待されている。

関連記事

記事本文の続き けだし、日本人の中国イメージは、近年の3つの事件により大きく傷ついた。第1は2007年の毒餃子事件であり、日本側に毒混入をなすりつけ、2年後に犯人逮捕を小さく報じ、謝りもしなかった中国側に、日本人は大いに不信感を持った。孔子の言葉を借りれば、「子曰(いわ)く、已(や)んぬるかな、吾(われ)未だ能(よ)く其(そ)の過ちを見て、内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり」(老先生の嘆き。残念だな。私は己の過ちを認め、心の中で己を責めることができる者に出会ったことがないのだ。公冶長篇)である。

 第2は08年の北京五輪開会式である。国際舞台でのCGを使った偽装や口パクによる革命歌曲独唱の擬態など捏造(ねつぞう)が次々と暴かれるにつれ、日本人の多くが唖然(あぜん)とした。「子曰く、朽木(きゅうぼく)は彫るべからず、糞土の牆(かき)は●(ぬ)るべからず」(老先生はおっしゃった。腐った木には彫ることはできない。ぼろぼろになった土塀は上塗りできない。公冶長篇)であろう。

 第3は10年9月の尖閣事件である。民主党政権のビデオ非公開のもくろみを一海上保安官がネット公開という形で打ち砕いた。孔子にいえば、「民、信ずる無くんば立たず」(もし為政者への信頼がなければ、国家も人も立ちゆかないのだ。顔淵篇)である。

 ◆儒教的教養への幻想を排せ

 日本人は中国に対し「四千年の歴史の国」「孔子、孟子を生み、漢字を伝えた文明大国」との尊崇の念を抱いていたのに、これは一体どうしたことか。古い世代を中心に儒教的教養への畏敬は根強いのだが、ついに儒教研究の碩学(せきがく)、加地伸行氏をして「中国のエリート層には孔子や孟子のような仁者が大勢いるはずだなどと、呆(あき)れた妄想をしている人もいますから」(『正論』11年2月号)と忠告せしめるほど、実態とイメージはかけ離れてしまったかに見える。

 しかし、中華文明は夙(つと)に滅んでいたのだと主張する人が日本にはいた。中国文学研究の泰斗、吉川幸次郎博士である。その著作集の14~16巻と26巻によれば、モンゴルの侵略は中華文明の絶滅を意味した。元代では科挙制度が開国から百年あまり廃され、再度開かれたが、漢化ぎらいの宰相バヤンによってまた断たれる。モンゴル人は七面倒くさいことをいう読書人より、実務の才のある吏を重んじた。元では、相当の知識人でも膝を屈して小吏になったという。

 皇帝も6、7代目は特にシナ嫌いで、8代目は科挙を再開したものの、自分は簡単な漢字しか書けなかった。9代目はモンゴル語訳で読書した。13代目は漢字を書くのが好きだったが、大根に彫った字の拓本を近臣に賜(たま)う始末。最後の第15代順帝は漢文の読み書きができたが、モンゴル人でなく漢人との落胤(らくいん)だという異聞もある。

 ◆ひれ伏さなかったモンゴル

 文明の絶滅はまず詩文に表れた。詩人たちは滅びた過去をなぞる。元代は唐詩をまね、水っぽく無内容で無気力な詩を大量に生んだ。次の明代は、安易な科挙を行い、詩人の能力を欠いた知識人が台頭、唐詩のまねごとが排他的になった。最後の清代では、こんどは宋詩が排他的になぞられた。

 他方、元以降は非読書人によるフィクション文学が堰(せき)を切ったように発生する。元の演劇、元曲が作られたが、台詞(せりふ)はたどたどしく、大した描写力もない。言葉を然(しか)るべく並べる頭脳がなく、論理はあらぬ方向へそれる。それが明で伝奇物になり、清では京劇になるが、元代の写実性も明代の叙情的な優雅さも失われていった。

 それでも吉川博士が「水滸伝」の翻訳を試みたのは、文学愛好者としてよりも、文献学者としての興味からだという。唐詩の時代には、日本には「万葉集」という詩集があり、「水滸伝」よりも先に「源氏物語」という小説があり、日本留学帰りの魯迅よりも先に漱石、鴎外という小説家が近代にいたことを、これからも中国人は知ろうとすらしないだろう、と吉川博士は述べている。

 結局、シナ人の「文力」の前に、ついに頭を垂れなかった最も屈強な民族、それがモンゴル人であった。中国以外の地域に広大な領域、ロシアやペルシャなどを支配したモンゴル人にとってみれば、シナ大陸は征服先の一文明圏にすぎないという相対的な見方をしていたからであろう。

 中華文明は、宋代を最後に一度絶滅している。菅首相の懇談会は、文化やスポーツ、芸能などの分野でも「人的交流が非常に重要」と指摘している。ならば、吉川博士の生涯をかけた研究の結論もまた生かされるのではないかと、期待するのである。(筑波大学大学院教授・古田博司)


日本の大地震に拍手する中国人がいる

2011年03月12日 08時39分39秒 | 中国

 さきほど、中国語が堪能な知人から、中国のネットで日本の大地震を”拍手で歓迎”するという書き込みが横行していると聞いた。
 四川大地震では、日本のレスキュー隊が活躍したのに、恩を仇で返すかのような中国人の仕打ちには驚き呆れる。
 
 その書き込みとは例えばこんなもの※。「鼓掌」とは「拍手をする」の意味。「日本の大地震発生をみんなで拍手しよう」という意味だ。

※ http://www.xinpg.com/article-222014.html

北京时间13时46分日本本州岛东海岸附近发生8.9级地震。大家热烈鼓掌!!!!!!!
(北京時間13時46分日本の本州東海岸付近でM8.9クラスの地震が発生。皆さん、熱烈に拍手を送ろう!!)

 中国政府の反応も実に冷ややか。「日本人は困難に打ち勝つことが出来ると信じている」というとぼけたコメントを出した。

  中国全国政協会議の趙啓正報道官は日本の東北地方でマグニチュード8.8の巨大地震が発生したことに対し、地震被害者に慰問の意を示し、「地震による被害から一刻もはやく立ち直り、日常生活を取り戻せるよう願っている」と述べた。新華社通信が報じた。

 趙啓正報道官は、「1995年の阪神大震災で見せた日本人の力と勇気は深く印象に残っている。日本人が困難に打ち勝つことができると信じている」と述べた。

 対照的に、台湾政府は、直ちに次のようなコメントを出し、義援金の拠出を決定した。こういう緊急時に、どの隣国が本当の友邦なのか、実によく分かる。心すべきだろう

台湾が30万ドルの義援金<noscript></noscript>

 【台北時事】台湾外交部(外務省)は11日、日本で大地震が発生したのを受け、日本政府に30万ドル(約2500万円)の義援金を送ると表明した。また、日本から援助の要請があれば、救援隊を派遣する用意があるとしている。(2011/03/11-22:10)





「忘れられたヒマワリ~中国“知識青年”たちの闘い」と新彊の植民地化

2011年02月18日 10時52分06秒 | 中国

 またNHKのドキュメンタリー番組を採り上げるが、こちらは番組批判ではない。
 「忘れられたヒマワリ~中国“知識青年”たちの闘い」(NHK BS 2月18日再放送)が放送された。NHKのHPによると、この番組は次のような内容だった。

 (忘れられたヒマワリ~中国“知識青年”たちの闘い)

「文化大革命(1966~76)の時代、毛沢東は都会の若者を“知識青年”と呼び、「農村に学べ」をスローガンに、農村に“下放”した。その数千数百万人。農作業に明け暮れ満足な教育を受けていなかった知識青年らは、その後の改革開放で突如現れた競争社会に敗れ片隅へと追いやられた。
60歳を越えた彼らがいま、失われた青春を取り戻そうと声を上げ始めた。上海出身の張志堯さん(64)は、名門高校を卒業すると同時に新疆ウイグル自治区へ下放され、今もその地に住む。当時の下放通知書には、太陽を意味する毛沢東の周りをヒマワリが囲むイラストが描かれていた。知識青年たちは、太陽に忠誠をつくすヒマワリとされてきた。張さんは全国の元知識青年に呼びかけ、待遇改善や補償を政府に要求する全国大会の開催を決意する。しかし、主催者やスポンサーになってくれる組織がなかなか現れず、政府からは開催の同意が取り付けられない。9月、やっとのことで開催の見通しが立ったが、元知識青年の中から「政府を批判するな!」との声が上がる。はたして張さんは無事大会を実現できるのか。
番組では、全国大会に向け格闘する張さんの半年間を追う。」

 私が興味を持ったのは、張さんというかつての「知識青年」が、当該大会を無事開催できたかどうかではなく、別のところにあった。番組には、新彊ウイグルに「下放」されたという、かつての「知識青年」たちが「我々が何もなかった新彊に文明を持ち込み町を建設した」と口々に言う場面が出てくる。これは、独裁者・毛沢東が「下放」政策を執ることによって、図らずも獲得した「偉大な成果」ではなかったか、と私は思った。
 
 言うまでもなく、新彊ウイグル自治区は、歴史的にウイグル人の居住空間だった。満洲族の征服王朝である大清帝国においてウイグル族は、満洲族と同等の地位を得ていて、決して漢族の後塵を拝する立場ではなかった。清朝の崩壊後、漢族を主体とする「中華民国」が成立し、清朝の最大版図がその領土であると主張したため、新彊ウイグルは「中国の一部」とされてしまった。しかしながら、中華人民共和国(1949~)成立当初は、漢民族による周辺地域への移住はさほど公然とは行われなかった。だが、文革期の政治的昂揚(あるいは狂気)を利用して、毛沢東は漢族の「知識青年」を革命のためと称して、新彊、チベット、内モンゴル、満州などの異民族地域に送り込んだ。これらの「知識青年」たちは、「革命」の美名のもとその人生を無駄にされた、といま嘆いている。だが、それらの地域は、今や漢民族が実質的に支配する漢族の「植民地」となっているのだ。

 文革の犠牲者である「知識青年」は、反面、少数民族に対しては抑圧者として存在したのだという歴史を、このドキュメンタリーの裏側から読みとることができる。もちろん、NHKはそのことに決して触れようとはしないが…。
 何はともあれ、興味深い番組ではあった。

 

   

所さんの目がテン! 「中国人」特集

2011年02月06日 09時10分52秒 | 中国

 昨日、日本テレビ系列で放送された「所さんの目がテン! 中国人」をビデオで見る。中国人の特性がよくでていて、とても面白かった。
 
 

 中国人に対する一般的なイメージは、①列に並ばない、②決して謝らない、③いつも怒っているだった。
 ①については、北京のバスターミナルでビデオ撮影して観察。その結果、必ず割り込みをする人間がいることが分かる。係員の制止も無視して、平然と割り込むのだ。これに対して、列に並ぶ人が、数珠繋ぎになって対抗するという写真も映し出された。何故、このようにマナーが悪いのか、その原因について、在日中国人の日大教授は「中国人には行列を守るという習慣がない。それは戦乱の歴史のせい」だと解説した。戦乱の歴史!?それでは、何の説明にもなっていないのだが…。「中華人民共和国」建国以来、60年も経過しているのだから、近代国民国家の体裁はもう整ったはずだ。にもかかわらず、行列のひとつさえ守れない社会であるという事実は、中国共産党の国造りに根本的な欠陥があるとしか思えない。

 ②の「決して謝らない」というイメージに関しては、昨年、家人が北京に旅行したとき、北京在住の友人から「街で人にぶつかったりしても、決して先に謝ってはいけないよ」と釘をさされたという話を思い出した。このTV番組では、日中それぞれ15人の学生に対して、どっきりカメラのような実験を行った。すなわち、「世界で一番軽い皿」という表示を付けた皿を割ってしまったとき、素直に謝るかどうかの実験で、日本人は全員が「すみません」と謝罪したのに対し、中国人全員は「私が割ったのではない」「最初から割れていた」と謝罪を拒否した。

 残念ながら、これに続く画面は、録画予約の不手際で見ることができなかったが、最後まで見た人は中国人の特質をよく知ることができたのではなかったか。
 台湾で地下鉄や台鉄、あるいは船に乗るとき、行列が守られるかどうか見ているが、割り込む台湾人は一度も見たことがない。一方、中国・瀋陽駅で行列などお構いなしに改札口に突進する中国人の群れを見たときは、正直ぞっとした。同じ中華圏に属する台湾と中国では、何故かくも違うのかは、「戦乱の歴史」などという雑な思いつきではなく、もっと真剣に解明されて然るべきだろう。

 尖閣事件での居丈高な中国人の対応を見て、菅首相のように「一衣帯水」などと間の抜けたことを言っている場合ではないと思った人も多いはず。
 日テレもたまにはいい番組を作るんだと感心した。
 

 
 


中国反日教育の恐ろしさ!を見る

2011年01月24日 19時34分10秒 | 中国

  知人から教わったYouTube映像を見て驚いた。フジテレビ系列のニュースで報道された映像らしいが、中国の反日教育の実態を真っ正面から取材している。

 映像や写真を駆使して、これでもかと言うほど生徒に「中華愛国主義」「反日感情」を駆り立てる。歴史的事実はどうなのかなど全くお構いなし。そもそも、中国共産党が主体で抗日戦争を戦ったというテーマ設定自体が、中共(ー中国共産党)に都合のいい歪曲された話になっているのだが、生徒はそんなことも知らされていない。。
 
 この授業では、生徒に討論をさせるが、「弱ければ負ける」「やられる前にやれ」といった粗暴な結論が導き出される。こういう「反日教育」を受けた大学生が、毎年、一千万人も輩出されるのだから、今後の日中関係に影響を及ぼさないはずはない。だが、日本のマスメディアは、その実態をほとんど報道しない。

 この「反日教育」が始まったのは、1989年6月の「天安門事件」以降だ。中国共産党は、この事件に体制転覆の危機を感じて、愛国教育の必要性を痛感した。そこで、格好のスケープゴートになったのが、日本だった。

 この映像を見ていると、日本の歴史認識論争など、ほのぼのとしたものに思えてくる。日本人が何でも「悪いことをしました」と謝るだけでは、この隣人はさらに弱みを見つけてつけ込んでくるだけだ。

中国反日教育の恐ろしさ!これは教育ではない洗脳だ!


宮脇淳子「中国人とのつきあい方」は必見ビデオだ!

2010年11月22日 02時28分59秒 | 中国

 菅直人首相が中国政府要人に対して何度も使ったメッセージに「一衣帯水」という言葉がある。中国への親近感を込めてか、あるいは相手のことを知らずに中国に媚びるためか、とにかく日中は近しい間柄なのだという意味で使ったのだろう。

 昔、故・衛藤瀋吉氏の授業で「唇歯輔車」(しんしほしゃ)という言葉を聞いたことがある。これも日中間の親しい間柄、あるいは抜き差しならぬ間柄を指す、よく使われた言葉だった。
 だが、菅首相が歴史に詳しかったり、中国古典から何か教訓をくみ取ろうとかする人とは到底思われないので、「一衣帯水」など誰かが書いた原稿をそのまま使ったに違いない。
 
 ここに採り上げる宮脇淳子氏「中国人とのつきあい方」は、中国人とは何かを直ちに理解できる秀逸な内容だ。宮脇氏のビデオ講義「世界史はモンゴル帝国から始まった」のなかの一部。他の講義も同様に新鮮で興味深い。閣事件で盛り上がった中国人に対する素朴な疑問が、このビデオを見れば一気に氷解することは間違いない。

 宮脇淳子氏は、東洋史学者で学術博士(東京外国語大学)。東洋史の碩学・岡田英弘東京外国語大学名誉教授の奥様でもある。

第1回 中国人とのつきあい方 1-2.wmv

第1回 中国人とのつきあい方 2-2.wmv


広州アジア大会は「中華思想」のオンパレード

2010年11月20日 10時45分21秒 | 中国

 評論家の大宅映子氏が、広州アジア大会のマラソンの結果に憤っていた。中国の参加選手は、スタートラインの最前列に並ばせ、外国人選手は第2集団の列からスタートさせたというのだ。そんなあからさまなことをしてまで勝ちたいのかと呆れていた。

 尖閣諸島問題なんて、中国人にとってはたいしたことじゃあない。ドラエモンとミッキーマウスの偽物で話題を呼んだ遊園地について、中国の新聞は「あれは古来の中国にあった物語を再現したもの」と強弁したという。何でも中国のモノというふてぶてしさ、これが「中華思想」の具体的な表れだ。

 広州アジア大会では、中国にとって「同胞」であるはずの台湾選手も酷い目に合っている。日本ではこの事件についてはあまり報道されていないようなので、下記の記事を転載させたいただいた。

 大宅氏は「中国がこんなことばかりやっていると、国際社会で問題になるのにね…」と呆れ顔の様子だったが、こういうことを性懲りもなく続けるというのが、また中国人の特性でもあるわけだ。
 
 スポーツ大会まで「国威発揚」の道具としてしまう中国。だが、「中国」という国家そのものが、少数民族の土地、言語文化、歴史遺産を強奪して成り立った「人工物」に過ぎないことを忘れるべきではない。中共(=中国共産党)指導者は、「中国」という国家の危うさ、いかがわしさを認識しているからこそ、こういう破廉恥な真似をしてまで、「国威」を発揚しようとするのだ。

【広州アジア大会】女子柔道・金メダルを盗んだ疑惑の判定[桜H22/11/18]

【台湾の声】より転載

【卑しい国・中国】台湾選手テコンドー失格問題


台湾でも反中感情沸騰―今こそ日本は友邦の側に立て


今、台湾国中が反中国で沸騰している。広州アジア大会で十七日に行われたテコンドー女子四十九キロ級一回戦で、優勝候補の台湾選手楊淑君がベトナムの選手に対して九-〇とリードしながら、突然防具のセンサーに不正ありとされ、失格とされたのだ。

思いもかけぬ判定で泣き崩れる楊淑君選手

試合前のチェックでは何も問題は指摘されなかった。そのため選手本人はもとより、台湾国民全体が激怒した。直後の記者会見で主催者側が台湾メディアの質問を通訳せず、怒った記者たちが退席して抗議するとの場面も見られた。

主審はフィリピン系韓国人だった。そこで台湾ではやはりこれまでないほどの反韓感情も高まっている。

柔道女子四十八キロ級決勝でも、断然優位だった福見友子選手が中国の選手に判定負けを喫した。「ここまでひどい審判は見たことがない」(吉村和郎・全日本柔道連盟強化委員長)と、中国の影響力を疑うかのような怒りの声が上がっているが、それに比べて台湾の怒りがはるかに激越なのは、これまで散々台湾に嫌がらせを続けて来た中国への、あるいはその言いなりになる各国への怒りが爆発しているからである。

まさかの判定負けで呆然とする福見選手

怒りの矛先は、この問題に関して沈黙する国民党政権にも向けられている。それもこの政権が今やすっかり中国の傀儡に成り果てているからだ。台湾と中国の「関係改善」については日本でもしばしば報じられているが、台湾の敵である中国が台湾に「やさしい」のは、台湾政府がこの敵に「従順」になっているからなのだ。

果たして台湾はこのまま、中国に気兼ねする国際社会から救いの手を差し伸べられることなく、中国の手中に転落していくのだろうか。もしそうなれば、日本の国防も大きな危機に瀕することになる。


試合中着けてもいないセンサーを着けていたと不正の証拠にされた楊選手


「琉球は古来より中国の領土!」と宣伝する中国ビデオ映像

2010年11月18日 20時26分50秒 | 中国

 尖閣事件によってようやく日本人は、中国の領土的野心に気づいたが、中国が狙うのは尖閣諸島だけではない。琉球群島(=沖縄)まで自らの領土だと主張していることは、多くの日本人はまだ本気で受けとめていないようだ。中国による沖縄併合などと書くと、「ネットウヨク」と揶揄されるのがオチだが、下記の映像を見れば、早々お気楽ではいられないはずだ。

 【台湾の声】より転載

【中国の野望】「琉球群島は古来より中国の領土!」 JSN


琉球独立プロパガンダは、新聞の記事だけではなく、中国内のネットでは様々なイメージ動画も出回っています。今回詳記する動画は、沖縄の文化を紹介するようなきれいな動画なのですが、「琉球群島は古来より中国の領土!」というメッセージが強くこめられたものです。
 動画をみれない方のために、簡単に紹介説明します。

<琉球独立プロパガンダ動画:「琉球群島は古来より中国の領土!」>
http://www.youtube.com/watch?v=wVTSSD8Anxo&feature=player_embedded

 琉球列島の地図の上に「琉球王国」と表記された地図が現れます。そして、沖縄本島の地図が表示され、その上に次の大きなテロップが流れます。「琉球列島は、古くから中国の領土である。次に中国の古地図の上に「中国の隋朝は、琉球王国に対して行政管轄を実施していた。」と説明されます。
 その後、古代琉球王国の身分の高そうな人々のモノクロ写真、琉球王の絵が移され、次に首里城のきれいな写真がBGNとともに移されてきます。その後、沖縄観光スポットが紹介されていくのですが、最初に、「琉球王国は中国のものだ!」というメッセージがあったので、
ここで見る首里城や観光地は全て、中国のもののような錯覚に陥ってしまいます。
 中国国内で流すプロパガンダとしては、実に非常に良くできています。
 このようなプロパガンダが中国に広がり、危険な状態になっているという事を、日本国民は早く知るべきです。                          (JSN代表 仲村覚)

JSN■中国の琉球群島(琉球は古来より中国の領土!)


中華帝国的版図とは?

2010年11月17日 01時58分03秒 | 中国

 尖閣諸島における中国漁船衝突事件は、平和呆けした日本人にも「黒船」的効果をもたらした。「尖閣」以前と以後では、日本国民の中国観は大きく変わったのではないか。
 
 だが、この事件のずっと以前から、評論家・櫻井よしこ氏は、日本人の対中認識の甘さに警鐘を鳴らしていた。ここに部分引用したのは、9月に書かれた評論。平野聡氏(東大準教授 アジア政治外交史)がその著書「清帝国とチベット問題」(名古屋大学出版会)で明らかにした中華帝国的版図に触れていて、中国の本質を理解するうえで参考になる。  

 

櫻井よしこ「東シナ海で決まる民主党外交の浮沈」より 

中華帝国的版図

日本政府はこの際、中国外交の基本型を心に刻んでおくことだ。尖閣諸島は日本固有の領土であり、東シナ海は国連海洋法条約に従えば、中間線をもって折半するのが常識だ。にも拘らず、自国の領土領海だと主張して「報復」を持ち出す。

中国のこの理不尽な対応はどんな理屈や考えによるものなのか。 答えは、何世紀にもわたって中国が周辺諸国と切り結んできた歴史を見れば明らかだ。チベットを例にとってみよう。

元々チベットは、自治が基本の「藩部」という位置づけにあり、中国と対等の同盟国関係にあった。中国も対等を認めてきた。たとえば18世紀中葉の清朝乾隆帝のとき、チベットの指導者、パンチェンラマに対等の相手としての礼を尽している。

乾隆帝70歳の誕生日の慶賀の席で、パンチェンラマは乾隆帝と同じ高さの台に置かれた全く同じ椅子に坐り、一段下に控えた朝鮮使節を引見した。朝鮮使節は乾隆帝に対するのと同様にパンチェンラマにも3回の叩頭(こうとう)を以て臣下の礼をとっている。中国とチベットが対等であり、両国が同盟関係にあったことが窺われる。だが、中国は後にそれを反転させた。新しい華夷秩序の理論を構築し、自らをチベットの統治者と位置づけたのだ。

重要なことは、中国の主張や掲げる理論と、現実が、全く合致しないことだ。だが、彼らは一切気にしない。彼らは事実とは無関係の中華式世界秩序を、言葉によって創り出すのである。その言葉に従って、世界秩序が形成されなければならないと考え、嘘や謀略を駆使して突進するのである。
右の事実は佛教大学非常勤講師の手塚利彰氏が明らかにし、10月出版予定の『中国はなぜ「軍拡」「膨張」「恫喝」をやめないのか--その歴史的構造を解明する』(文藝春秋)に納められている。こうしてみると、いま、中国がチベットを中国の「核心的利益」と位置づけ、如何なる外国の介入も、独立も許さないと主張することの不条理に気づかされる。

南シナ海も同じである。中国は1992年に南シナ海の西沙、南沙、東沙、中沙諸島の全てを自国領だと宣言した。事実とかけ離れた中国領有権の主張は、同年に米国がフィリピンに保有していた大規模な海軍、空軍の両基地を閉鎖し、撤退したその軍事的空白の中で展開された。ASEAN諸国は怒ったが、中国は力を誇示して、或いは実際に軍事力を行使して、有無を言わさない。

中国外交のこの手法は現在も変わらない。基本的型として、彼らは史実も現実も無視し、中華帝国的版図を宣言する。漁民或いは漁民を装った軍人を、中国領だと主張する島々や海に進出させる。元々の領有権を保有する国々が船を拿捕したり漁民を捕えると、それを口実に軍事力を背景にして相手を屈服させるのだ。


一ミリも譲らない決意

こうして中国は95年初頭までに南沙諸島の実効支配に取りかかった。現在、南シナ海、特に西沙諸島周辺海域には中国海軍の軍艦が常駐し、「銃撃」も辞さない構えをとり続けている。

南シナ海の現実から東シナ海の近未来図を読み取ることができる。不条理な理屈で日本を巻き込み、わが国の海域で展開されるこの闘いは、13億の民を養うための熾烈な戦いであり、その戦いに勝つことなしには生き残ることさえ出来ない中国共産党の命運をかけた大勝負なのだ。民主党はその中国政府の意図を冷静かつ正確に見極めることだ。

たとえば、中国政府の厳しい対日措置は中国国内の反日世論を沈静化させるためだというような見方に過度に傾くのは危険である。日本人の感じ方や価値観で中国外交を見ると、必ず間違う。

自民党時代にこんなことがあった。交渉が進展しなかったとき、所管大臣の故中川昭一氏が日本側も東シナ海の試掘に入ると宣言し、帝国石油に試掘権を与えた。だが、後継大臣の二階俊博氏は方針を変更して試掘権の行使を否定した。当時流布されたのは、「とりわけ親中派の二階氏が担当大臣になった。中国側が親中派の面子をつぶすはずはない。むしろ、強硬派だった前任者の時よりも日本に有利な解決法を示すはずだ」という希望的観測だった。

周知のように事実は反対方向に動いた。根拠なき楽観は自滅に通ずる。日本外交はさらに追い込まれて、現在に至る。

国益をかけた交渉の場に、個人的感情や希望的観測は厳に戒めなければならない。民主党外交は、従来の日本政府の主権意識なき外交を繰り返してはならない。これまでの負の遺産の中で、対中外交は非常に難しい局面にある。

だが、いま、中国が一気呵成の攻勢に出ているのは、明らかに民主党政権の戦略と能力を疑っているからだ。民主党は兎も角も、自民党政権が出来なかった船長逮捕に踏み切った。ここからが重要である。日本政府として、領土領海に関しては一ミリも譲らない決意を静かに、しかし断固として示すことだ。


チベット族デモも拡大 中国語教育の強制に反発 

2010年10月25日 08時59分06秒 | 中国
 東京・西新宿にあるウイグル料理店「タリム」を経営するウイグル人夫妻が、先日、TVのインタビューに応えて 次のように語っていた。
 「今年から、新彊ウイグル自治区では、学校教育で普通話(=北京語)だけが教えられるようになった。これでは、ウイグルの文化が失われてしまうと心配です。」
 この夫妻の国籍は、中華人民共和国。日本に留学して、そのまま日本に滞在しているそうだが、多分、故郷であるウイグルに戻るのは難しいのではないか。

 昨日、蘭州で「反日」デモが行われ、200人の高校生が参加と伝えられた。中国各地でのデモは毎日のように報道されているが、そのすべては漢族による「反日」デモであり、少数民族地域の「反政府」デモについては、全く報道されない。

 そんななか、昨日の「産経新聞」で伝えられたのは「チベット族デモ」のニュース。チベット族に対する普通話(=北京語)の強制に対して抗議するデモだったようだ。「産経新聞」は、英国BBCの報道を下敷きにして、このニュースを伝えたが、おそらく他の新聞では報じられていないだろう。このニュースが漢族による「反日」デモに劣らず重要だと思われるのは、中共政府が少数民族の言語・文化まで収奪しようとしていることだ。新彊ウイグル、内モンゴル、チベットでも、各民族固有の言語文化が奪われ、少数民族の漢族化がいっそう進められているという事実だ。

 ここで思い起こしたいのは、「ひとつの中国」という概念は、清朝の最大版図をそのまま「中華民国」が引き継いだことから始まった、虚構の概念であることだ。英国BBCがチベット問題をきちんと報じるのは、清朝が瓦解したとき、英国がチベット独立を承認していたという歴史的経緯があるからだ。

 連日の「反日」デモに対して、一喜一憂の報道を繰り返す、日本のマスメディアは、もっと歴史に目を向けて、「中国はひとつ」という虚構から再検討すべきだろう。 
 さらに言えば、この「中国はひとつ」という虚構こそが、中華世界に住む人々に不幸と災厄をもたらしてきた元凶なのである


チベット族デモも拡大 中国語教育の強制に反発 

産経新聞 10月24日(日)21時11分配信

 【北京=川越一】反日デモが続く中国で、少数民族による政府への抗議デモも広がりをみせている。中国語による授業を義務づける教育改革に対しチベット族が反発し、青海省チベット族居住区で火がついた学生による抗議行動が首都北京にも飛び火した。民族同化をもくろむ当局のいき過ぎた教育改革が、漢族への不信感を増幅させている。

 チベット独立を支援する国際団体「自由チベット」(本部・ロンドン)によると、青海省黄南チベット族自治州同仁県で19日、民族学校の高校生ら5千人以上がデモ行進し、「民族、言語の平等」を訴えた。20日には同省海南チベット族自治州共和県で学生が街頭に繰り出し、「チベット語を使う自由」を要求。22日には、北京の中央民族大学でも学生がデモを敢行した。

 英BBCによると、24日には黄南チベット族自治州尖扎県で民族学校の生徒に教師も加勢し、総勢千人以上が教育改革の撤回を求めてデモを強行、治安部隊が出動する事態に発展した。

 発端は9月下旬、青海省が省内の民族学校に、チベット語と英語以外の全教科で中国語(標準語)による授業を行うよう通達したことだった。教科書も中国語で表記する徹底ぶりで、小学校も対象という。

 当局の中国語教育の強化の背景には、中国語が話せないため職に就けないチベット族が少なくないという現状がある。就職難はチベット族と漢族の格差をさらに広げ、それがチベット族の当局に対する不満につながっているのも事実だ。

 しかし、2008年3月、チベット自治区ラサで発生したチベット仏教の僧侶らによる大規模騒乱が示すように、中央政府のチベット政策に対するチベット族の不満、漢族に向けられる嫌悪感は根強い。

 今回の教育改革も、チベット族学生の目には「漢族文化の押しつけ」「民族同化の強要」と映っているようだ。「自由チベット」は中国当局がチベット語の“抹殺”を図っていると主張している。

 同省共産党委員会の強衛書記は21日、黄南チベット族自治州で学生代表と座談会を開き、「学生たちの願いは十分尊重する」と約束した。中国当局が反日デモ同様、教育改革に対するチベット族の抗議デモが、体制批判に転じることについて懸念している状況をうかがわせる。


「反日」中国と対峙しない民主党政権

2010年10月19日 20時39分52秒 | 中国
 午前中、大学の授業を聴きに行く。担当教授は、中国近現代史の専門家で、特に義和団事件に係る業績が多い。その教授が今日、中国で荒れ狂う「反日」デモについて、次のように話された。

「近い将来、中国は3~4隻の空母を保有する。中国のネットを見ていると、そのとき、中国は琉球群島を領有するために軍事行動に出て、米国・日本と一戦を交えるべきだという意見がおおっぴらに語られている。これから中国はあらゆる面でますます強圧的な態度に出てくることは間違いない。特に軍部の中には、琉球(沖縄)を占領することによって、日清戦争以来の屈辱の歴史を晴らしたいという願望がある。中国人にとっては、日本は憎むべき相手でしかない。そういう面倒な相手であるから、覚悟して付き合わなければならない。」

(尖閣諸島が中国領土だと主張…)

 中国が領有を狙っているのは、尖閣諸島だけではない。かつて琉球王国が清朝と日本に「両属」していたという歴史を根拠にして、琉球(沖縄)さえも中国の領土だと主張しているのだ。試しにネットで「回収琉球」と検索すると、そのような主張が際限なく出てくる。こんな感じだ。
http://search.cn.yahoo.com/search?v=web&ei=gbk&searchFlag=&fr=fp-tab-web-ycn&pid=ysearch&source=yahoo_yhp_0706_search_button&p=%BB%D8%85%A7%C1%F0%C7%F2

 昨日から、特にテレビ朝日とNHKは、中国の「反日デモ」を憂慮する素振りを見せながら、事態の沈静化を日本側の自制に求めるような報道をするようになった。これは「日本の一部の誤った考えが、中国の反日デモを引き起こした」という中国政府報道官の発言をなぞったものだ。要するに、日本側で「右翼」がデモ行進したのがよくないので、中国を怒らせるようなことはやめよう、ということだろう。温家宝は「領土問題は一寸たりとも引けない」と断言したのに対し、何と弱腰の「媚中」メディアなのだろうか。

 菅直人は○○のひとつ覚えのように、「戦略的互恵関係」に基づいて両国の関係を発展させていくと繰り返している。だが、教授が指摘するように、本質的に「反日」の中国人と仲良くやっていくことなど、実はほとんど不可能なことなのだ。にもかかわらず、民主党政権は、脅威を増しつつある「反日中国」を直視せず、問題を先送りするばかりだ。昨日、仙石由人は「日本はずっと前から中国の属国化している」というふざけた発言をした。愛国心のかけらも持たない人が、官房長官になるのだから、日本国の前途はお先真っ暗だ。