野田首相が尖閣諸島の「国有化」について発言した。「平穏かつ安定的に維持・管理する観点から、所有者と連絡を取り、総合的に検討している」という説明には、今さらながら呆れてしまう。
「平穏かつ安定的に維持・管理」というのは、極めて曖昧な役所言葉。それが意味するのは、中国を刺激せず、従来通り放置するということだろう。
新たに何かやるとしたら、尖閣諸島に「国有地につき立入禁止」という立て看板を立てるくらいのことだろう。おそらく、野田はそれを自画自賛するのだろうな。
まさにご機嫌取り政治(ポピュリズム)の典型。国防、国益に関わる問題は、「国民の皆様のご意見」などを聴いていたら、実は国を誤りかねないこともあるのだ。それくらいのことは、松下政経塾でも教わっただろうに…。
野田首相が尖閣諸島を中国に「転売」などしないことを願うばかりだが…。
尖閣国有化「総合的に検討」=東京都とも協議―野田首相
時事通信 7月7日(土)11時54分配信
野田佳彦首相は7日午前、尖閣諸島の国有化について「平穏かつ安定的に維持・管理する観点から、所有者と連絡を取り、総合的に検討している」と述べた。中国などの反発が予想されることに関しては「わが国固有の領土であることは間違いない。領有権問題は存在しない」と語った。訪問先の福島県いわき市内で記者団の質問に答えた。
東京都の石原慎太郎知事が尖閣購入の意向を示していることについては「都がどのような計画を持っているのか把握しないといけない。さまざまな接触をさまざまなレベルでしている」と、都側と協議していることを明らかにした。
石原知事「黙って見ていてくれ」 都として尖閣購入方針
産経新聞 7月7日(土)12時10分配信
政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化する方針を固めたことについて、東京都の石原慎太郎知事は7日、政府から国有化方針を伝えられたことを認めた上で、「結構なことだが、これまでの経緯もある。黙って見ていてくれと伝えた」と話し、あくまで都として購入を進める考えを示した。
石原知事は「都庁に長島昭久首相補佐官と副官房長官が来て、『国が買うことにしました』」と言って来た」と説明、地権者と交渉してきたいきさつなどを挙げ、「いったん都が買うと答えた」とした。
また、地権者からも電話で連絡があったことを明かし、「(地権者は)『国から買いたいという話がきたが、石原さんにしか売りませんから、安心してください』ということだった」と語った。
記者団からなぜこの時期に伝えられたと思うか、と問われると、石原知事は「単なる人気取りじゃないか」と一蹴した。