澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「トランプ大統領」を予見できなかった人たち

2016年11月09日 20時55分22秒 | マスメディア

 米国大統領選、いざトランプが当選してみると、日本のマスメディアのいい加減な報道ぶりが際立った。



 私が知る限りでは、TVで「トランプ勝利」を公言していたのは、藤井厳喜木村太郎の両氏のみ。米国外交の専門家、米国通を自認するジャーナリストの大半が、クリントン優勢と言っていたのだから、彼らの専門知識、分析能力に疑問符が付けられて当然だろう。このことで連想したのが、1933年、日本が国際連盟を脱退したときの経緯。時の外相・松岡洋右は、世論の糾弾に遭うのを覚悟して帰国したら、提灯行列で大歓迎された。国際連盟脱退は日本の運命を分ける決断だったのに、国民はあっけなくそれを受け入れた。マスメディア(当時、ラジオはNHKのみ、新聞は「朝日」「読売」など)も賞賛の報道を行った。国際関係を洞察する能力の欠如は、今日に始まったことではないのだ。

 その木村太郎はTVで「トランプ大統領になって、米国が続けてきた”冷戦”が初めて終わる。12月15日、プーチン首相が来日するのは、極めて重要。冷戦後の新たな日露関係を構築するチャンス」だと語っている。
 安倍首相はトランプ当選の感想を求められて「日米関係は、普遍的価値で結ばれた揺るぎない同盟」だと応えた。普遍的価値とは、米国流民主主義を受け入れて、言論の自由、人権などが担保された状態を指す。だが、トランプ自身が明言した人種主義がその「普遍的」価値をぶち壊す可能性には触れていない。トランプがこじ開けた「パンドラの箱」に目を背けてはならないのだ。



 こんなとき、私たちは決して「地球市民」などではない、白人でもなく、英語も喋れず(すなわち、それは植民地ならなかった日本ということでもあるが)、一蓮托生の「列島人」(西部邁)であることを思い知らされる。

 国際関係の潮目が変わると、常に「バスに乗り遅れるな」とばかりに状況追随的に行動する日本人。その習性は今も昔も変わらない。

「ニュース女子」(11月7日放送) 藤井厳喜氏がひとり「トランプ当選」を予見