先日、マツダから新発売された「マツダ3」を試乗してきた。「マツダ3」は「アクセラ」の後継車。アクセラは、輸出用は以前から「マツダ3」という名前で売られていたから、今回初めて、世界共通のネーミングとなった。そのデザインはアクセラを踏襲していて、すっきりとした好印象。
試乗した1.8Lのディーゼル・エンジンは、発進、加速が素晴らしい。アクセラのラインナップには、2.2Lと1.5Lのディーゼルがあったが、試乗したことはない。だが、新しい1.8Lディーゼルの静粛性には、驚くばかりだ。
私のクルマは、現在5年モノの「アクセラ・ハイブリッド」。試乗と同時に行われた下取り査定では「84万円」と査定された。新しい「マツダ3」を購入するとなれば、さらに220万円が必要と分かり、何だかガックリした気分になった。
「アクセラ・ハイブリッド」は、トヨタ・プリウスの第二世代のハイブリッド・エンジンを搭載した、プリウスの異母兄弟。言わば、「マツダ・プリウス」と呼ぶに相応しいクルマだ。その評価については、次の映像で詳しく語られている。
【独自性】マツダ・アクセラハイブリッド 試乗レビュー 後編 Mazda 3 Hybrid review
聴くところによれば、アクセラハイブリッドは、発売五年にして、一万台程度しか売れなかったという。マツダの”走り”を期待する人は、1.5Lガソリン車を選ぶ、プリウス並みの燃費を重視する人は、本家のトヨタ・プリウスを買うからだ。
次の写真でわかるように、確かにアクセラハイブリッドのシフトレバーやアクセルペダルは、トヨタ・プリウスと同一。
”プリウス・ミサイル”と揶揄される、最近の高齢者によるプリウス事故。シフトレバーの配置が、原因の一つと指摘されているが、ご覧とおり、アクセラハイブリッドは全く同じ。アクセルペダルに関しては、他のマツダ車は全て「オルガンペダル」式なのに対し、アクセラハイブリッドだけは、「吊り下げ式」だ。これも、アクセルとブレーキを踏み違える一因だとか。
結局、アクセラがマツダ3にモデルチェンジされた際に、アクセラ・ハイブリッド車はそのラインナップから消滅した。マツダ3は、当面、1.8Lディーゼルと1.5L、2.0Lガソリン車を置き、秋以降、スカイアクティブXというエンジンを搭載した「マイルド・ハイブリッド」車を発売するとか。マイルド・ハイブリッドは、従来の意味でのハイブリッド車ではないから、資金力のないマツダでも開発可能。
アクセラハイブリッドは、結構、いいクルマ。特に、BOSEのサウンドシステムはスバラシイ。なのに、孤児のような扱いを受けて、一世代で消失してしまった。
そんな車を買ってしまった私の不明を恥じるべきか、それとも、華々しくラインナップを飾りながら、売れないとなれば枝葉のように切り捨ててしまうマツダの販売戦略のいい加減さに責任があるのか。
まあ、多分、乗り潰すことになるのかなあ…。