多分、マスメディアは採り上げないと思うので、「Go to トラベル」の「自粛」問題について触れておきたい。
小池都知事は、東京都民である高齢者(65歳以上)に「自粛」を促し、「Go to …」の対象から外すことを言明した。だが、ここで言う「都民」の範囲は、極めて曖昧で恣意的である。
東京都の区市町村別で新型コロナの陽性者数の推移をみると、クラスターが発生したり、陽性者数が増加しているのは、ほぼ二十三区内に限られる。先に「Go to …」の対象から外された札幌、大阪については、札幌市と大阪市を対象にしただけ。函館や旭川、堺や富田林などは含まれない。一方、小池都知事は、東京都全域の高齢者を対象とした。感染者が極めて少ない多摩地域の市町村部も一緒くたにしている。
これって、「大阪都構想」の騒動を連想させる。大阪都ができれば、特別区(元の大阪市)だけを対象にするのではなく、堺や富田林市も必ず一緒くたにされる。一方、政令指定都市の「矜持」を守る札幌市は、北海道知事の一方的な判断で対象の範囲を決められることはない。
こんなときだけ、特別区(23区)と一緒くたにされる「都民」は迷惑千万。きれいな水も緑もある多摩地区は、特別区のような「感染地帯」ではないのだからね。