澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

奇妙なウクライナ報道

2022年02月28日 18時13分37秒 | マスメディア

 今日は台湾の「ニ・ニ八事件」から75周年。奇しくも今、ウクライナ国民は、侵略者ロシアに対して戦いを続けている。「今日のウクライナ」が「明日の尖閣」「明日の台湾」になるかも知れないのに、その危機感を明確に表明するマスメディアはほとんどない。

 一連のマスメディア報道で気になるのは、基本用語の不適切な選択または歪曲だ。
 「ウクライナ市民」→「ウクライナ国民」
 「国際連合」→「連合国」
 戦火にさらされているのは、「ウクライナ市民」だと言うマスメディア。それでは、志願して銃を握った人が「市民」だというのなら、属する軍隊はゲリラ(非正規軍)だとでも言いたいのか?ここでも「国家」を嫌うマスメディアの偏向が見られる。
 マスメディアは相変わらず「国際連合」による停戦を期待しているが、そもそも「国際連合」(United Nations)は連合国のこと。中国語で国際連合は「連合国」という。第二次世界大戦に勝った連合国と敗北した枢軸国(日独伊など)の対比を表す言葉であるのに、戦後、日本外務省はこの言葉を「国際連合」と僭称した。これによって、敗戦国の屈辱を誤魔化したつもりだったのだろう。「敗戦」を「終戦」と言い換えたのと同じ発想だ。先日の「関口宏 サンデーモーニング」で寺島実郎がこのことを指摘していたのは、意外だった。

 「ウクライナ侵攻」→「ウクライナ侵略」
 さすがに「ウクライナ進攻」と言ったマスメディアはなかったが、「侵攻」もまた欺瞞的ではないか?欧米メディアは、「Russian invasion」「Russia invades…」を使っている。そう、「侵略」が正しい使い方だ。

 「国際社会」「国際秩序」「国際協調」
 これもマスメディアが大好きな言葉。「国際社会はどう見てるか?」と言われると、そうなのか、と鵜呑みにする視聴者。「国際秩序を乱すロシアの侵攻」などと使われるが、実は「国際秩序」はテキトーに使うべき言葉ではない。第二次大戦の経緯、ヤルタ会談、東西冷戦とその終結などの歴史を踏まえて、初めて意味を持つからだ。「国際協調」とか「国際平和」もまた同様。「国際○○」という言葉は、胡散臭い。