今夜、BSフジ「プライムニュース」にツァヒャー・エルベグドルジモンゴル国大統領が出演。テーマは「対中・対ロ・対北朝鮮 独自外交戦略の真意は」だった。
(安倍首相と握手をかわすツァヒャー・エルベグドルジ・モンゴル国大統領)
視聴者からは『日本とモンゴルの関係について聞きたい事、言いたい事』を募集という話だったので、柄にもなく次のような質問メールを送ってみた。
「モンゴル民族はモンゴル国のほかに、内モンゴル自治区(中華人民共和国)、ブリヤート共和国(ロシア連邦)にも居住し、独自の言語・文化を守っていますが、将来、国境を超えモンゴル民族の交流を発展させるお気持ちはありますか?」
私のこの質問に対して、エルベグドルジ大統領は、次のように話された。
「世界全体で自らをモンゴルと思っている人は一千万人ほどいます。そのうち、300万人が今のモンゴル国にいます。私たちは世界中の自分たちをモンゴルと理解する人たちに関して交流があります。特に文化交流、人道的な交流については、自由に行っています。私は個人的にも、モンゴルと認識する人たちを応援していきたいですし、ひとつの屋根の下で応援していきたいと考えています。」
(現代のモンゴル~緑の線で囲んだ領域がモンゴル国、内モンゴル自治区、ブリアート共和国を内包した「大モンゴル」)
中露両国の「共産主義」「大国主義」に翻弄され、その居住領域の一部しか独立国として確保できなかったモンゴル民族。内モンゴル自治区(中国)には、モンゴル国の二倍にあたる600万人が居住するが、漢族農民の入植によってモンゴル人は牧草地を奪われ続けてきた。今や内モンゴル自治区は漢族の植民地同然となってしまった。中共(中国共産党)による内モンゴル自治区の狡猾、残虐な統治については、近年、楊海英・静岡大学教授の一連の著作によって、広く知られるようになった。一方、ブリヤート共和国はロシア連邦内の自治共和国に過ぎないから、独立したモンゴル人の国家はモンゴル国(外モンゴル)をおいてほかはない。
そのモンゴル国大統領が「ひとつの屋根の下で応援していきたい」と言うのは、実に微妙な表現だ。モンゴル民族の統一を志向する汎モンゴル主義(Pan Mongolism)は、中露両国が最も警戒するイデオロギーだから、そう受け取られないような表現を使ったに違いない。ちなみに、反町キャスターに「提言」を請われて、大統領は「平和なアジア」と縦書きのモンゴル文字で記した。旧ソ連の影響下、モンゴル人民共和国のモンゴル語はキリル文字(ロシア語のアルファベット)で表記されてきたが、大統領は民族本来のモンゴル文字を使った。ここにも、強いメッセージが伝わってくる。
この3月まで一年間、ある大学で「モンゴル近現代史」を聴講したので、身近にモンゴルを感じられるようになった。戦後40年間、日本とモンゴルの間にはほとんど交流がない時代が続いたが、モンゴル語専攻の学生は、毎年30人前後(東京外大と大阪外大モンゴル語学科)絶え間なく育成されてきた。今夜のエルベグドルジ大統領のモンゴル語を通訳した方もきっと卒業生なのだろうか。ようやくモンゴル語が脚光を浴びる時代が来るのかと思うと、他人事ではあるけれど率直にうれしい。
2015年5月22日(金)
モンゴル大統領生出演
対中・対ロ・対北朝鮮
独自外交戦略の真意は
ツァヒャー・エルベグドルジモンゴル国大統領
私の声 募集テーマ
『日本とモンゴルの関係について聞きたい事、言いたい事』
「在沖・モンゴル末裔」のお話、興味深く読みました。
ただし、多分ですが、伝説のような気もします。と言うのは、「明が元を滅ぼして…」という王朝交代の思考自体が、史実は異なるようです。すなわち、モンゴル人の元朝は、中原から撤退はしたものの、モンゴル人の王朝(北元)は依然として隆盛を極めていた。そのことが、漢民族の「正史」には、意図的に軽視されているということです。
櫻井よしこ氏の次の一文に関連のことが書かれています。
http://yoshiko-sakurai.jp/2008/06/19/719
在沖・シナの末裔=久米ソウセイカイ=華僑
は、多少分かりますが、「在沖・モンゴル末裔」が居るそうなのですが・・・詳しく知りたいものですね。
http://okinawa-rekishi.cocolog-nifty.com/tora/2005/05/post_4191.html
他にも「在沖縄・平家の末裔」も、おられるようです。(うちの長男嫁の家系にも関係有りか??)