先月末、旅行したマレーシア。久しぶりのペナン島の変貌には、心底驚かされた。「東洋の真珠」だったはずのペナン島は、今や人口120万人を擁する大工業団地に変わっていた。首都・クアラルンプールの発展も驚異的で、市街地や官庁地区の威容や繁栄ぶりは、今や日本を凌ぐほどだった。
東西交易の要衝、世界遺産の街・マラッカは、どうなっているのか?最終日、初めてマラッカを訪れたのだが、これもちょっとがっかりという感じだった。セント・ポール寺院、フランシスコ・ザビエル像は、思いのほか質素で期待外れ。周囲は大規模な開発が行われていて、古い港町の風情は全く残っていなかった。少なくとも以前、「世界ふれあい街歩き」で紹介されたようなマラッカではなかった。
マレーシアの一人当たりGDPは、日本の四分の一程度というが、旅行者として見る限りでは、もっと豊かな印象を受ける。石油・鉱物資源が豊富で、自然災害が少なく(台風、地震がない)、治安が良く人口も少ないので、これからさらに経済発展すると思われる。「アジアで唯一の先進国・日本」は今や夢のまた夢。東京五輪で蕩尽した後、次の大震災が起きれば、日本は世界の最貧国に陥るという予測があるくらいだから、旅行を楽しめるのも今のうちか。