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今回は、「㉕蛤蜊観音(こうりかんのん)」を描きました。
蛤のような二枚貝には稀に真珠の玉が入っており、その真珠を観音にたとえた。
蛤は蜃気楼を起こすという伝説から、観音様の蜃気楼を見せた。
大きな蛤に乗って海を渡りながら漁師の安全を祈っている。
ご利益:豊漁・財運・繁栄
ボッティチェリのヴィーナスの誕生を思わせる構図です。
㉕蛤蜊観音(こうりかんのん) 中国創出の観音菩薩です。蛤の殻の中、或いは蛤に乗り海を渡る姿で表現されます。仏典には記載が無く『佛祖統紀』巻四十二、唐文宗開成元年条が出典。
「唐の文宗は蛤が好きだった。それを知った地方官僚が地元の漁民に蛤漁を科した。悪天候でも漁に出なければならず、遭難が相次ぎ、漁民たちは天を恨んだ。観音菩薩は哀れみ、五色の輝く大きな蛤の中に身を隠した。
この目立つ蛤は早速朝廷に届けられ、調理人が包丁を入れても開かなかった。偶然文宗が厨房を訪れると蛤は口を開き、中から真珠の観音像が出てきた。文宗は驚き国中に蛤漁禁止令を出し、漁民たちは安心して暮らせるようになった。」とあります。
ただし、この話には原型があり『原化記』の故事「白田螺」が変化したもの。観音信仰の流布と共に創作されたと考えられます。 |
したっけ。