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「初不動・不動明王」について考える

2021-01-28 06:48:03 | 記念日・祝日・行事・習慣

1月28日は「初不動」です。

初不動(読み)ハツフドウ

その年最初の不動尊の縁日。1月28日。《季 新年》「正月の末の寒さや―/万太郎」

デジタル大辞泉の解説

一般に「お不動さん」として親しまれている「不動明王(ふどうみょうおう)」の、その年最初の縁日です。

不動明王は不動尊(ふどうそん)ともいわれ、不動の字からわかるように、サンスクリット語のお名前は阿修羅(アシュラ・Acala)で、これは「動かない」という意味だそうです。

不動」とは、「道心の大にして寂(しず)かなるの義」だそうで、「見ため穏やかに微動だにせず、それでいて心の中は道心(正しい道を求める心)を大きく」という事らしいです。

 不動明王は、五大明王※・八大明王の一つ。明王とは、大日如来の真意を受けてさまざまな悪魔を退治する役目をもつ諸尊で、忿怒(ふんぬ)の相、つまりものすごい怒りの表情が印象深いです。

 

大日如来(だいにちにょらい、梵: Mahāvairocana)は、真言密教の教主である仏であり、密教の本尊。一切の諸仏菩薩の本地。 .

 

※五大明王とは、不動明王を中心として四方に位置する「降三世明王(ごうざんぜ――)」(東)・「軍荼利明王(ぐんだり――)」(南)・「大威徳明王(だいいとく――)」(西)・「金剛夜叉明王(こんごうやしゃ――)」(北)の総称です。

 

堅固で不動の菩提心の威力によって、種々の煩悩・障害を焼き払い、悪魔や迷いのすべてを抑さえ静め、 菩提を成就させ、長寿を得させるといわれ、如来の使者として真言行者の護持にあたります。

 

護持(読み)ゴジ

[名](スル)大切に守り保つこと。尊んで守護すること。「憲政を護持する」

デジタル大辞泉の解説

 

不動明王は、悪魔と対決するために、色黒き顔は怒りの相をし、目をカッと見開き、右手に剣、左手に羂索(けんさく)を持ち、火炎の中に立つ。この火炎は、大日如来の忿怒から生じたもので、明王がすべての煩悩と罪から離れ、動揺のない、即ち「不動」境地に入っていることを示しています。

インドはもちろんチベットや中国など広く信仰されていますが、とりわけ日本では観音信仰、地蔵信仰と並ぶ篤(あつ)い庶民信仰があり、成田山新勝寺などがその代表例です。

 成田山新勝寺の御本尊不動明王は、平安時代に第52代嵯峨天皇(在位:809年5月18日〈大同4年4月1日〉- 823年5月29日〈弘仁14年4月16日〉)の勅願を受けて真言宗の開祖、弘法大師空海(くうかい、774年〈宝亀5年〉- 835年4月22日〈承和2年3月21日〉)が自ら一刀三礼(ひと彫りごとに三度礼拝する)の祈りをこめて敬刻開眼された御尊像です。

江戸歌舞伎の第一人者である初代團十郎の願い

歌舞伎の舞台に暫や鳴神に代表される荒事を取り入れ、人気を博した初代團十郎。しかし、跡継ぎに恵まれず、成田山の当時の本堂である薬師堂で一心に子授けを祈願します。すると見事、待望の長男を授かったのです。

 

お不動さまの御利益りやくにむくいる父子で演じる「兵根元曽我(つわものこんげんそが)」

初代團十郎が中村座で親子共演した「兵根元曽我」は、お不動さまへの祈願が成就して長男を得たことに感謝をあらわした舞台で、不動明王をテーマにした初めての歌舞伎でした。この舞台が大当たりしたことに感謝し、成田山に大神鏡を奉納しました。また、この共演を機に市川家は、「成田屋」の屋号を使うようになったのです。

現代にも続くお家芸

「不動の見得」は、成田屋の屋号を持つ歌舞伎界で市川家にだけ許されたお家芸です。見得のかまえにはお不動さまの精神が宿っているといわれています。また、同じく市川家に伝わる「にらみ」は、邪を祓うお不動さまの御霊徳をあらわしたものです。「にらみ」の表情は、歴代團十郎によるお不動さまへの深い信仰の証です。

正月の舞台で観客をぐっとにらむ「にらみ」がお家芸ですが、これは、市川団十郎に乗り移った不動明王がその悪鬼退散の霊力を観客に与えるというもの。にらまれると1年間風邪をひかないといわれ、団十郎が「それでは一つ、にらんでみせましょう」というと、客席はどっと沸くのです。

初代・二代目「成田屋」の始まり

 

また、「五色不動」といって、目の色か身体を黒白赤青黄の五色に分けて五つの不動を祀(まつ)ることがあります。

そうして江戸を護ったことの一つが「目黒不動」であり、「目白不動」「目赤不動」なども残っています。

 

目白(めじろ)不動尊・神霊山金乗院慈眼寺

東京都豊島区高田にある、江戸五色不動随一とされる神霊山金乗院慈眼寺(しんれいざんこんじょういんじげんじ)が目白不動である。

金乗院は五色不動唯一の真言宗寺院である(その他はすべて天台宗)。

 

目赤(めあか)不動尊・大聖山東朝院南谷寺

東京都文京区本駒込の大聖山東朝院南谷寺(なんこくじ)は、現在では「目赤不動」と呼ばれているが、もともとは「赤目不動」だったという。

 

目青(めあお)不動尊・竹園山最勝寺教学院

東京都世田谷区太子堂にある最勝寺教学院(さいしょうじきょうがくいん)は上野の寛永寺末寺であり、青山の地にあったことから「目青不動」の名が付けられた。

 

目黒不動尊・泰叡山瀧泉寺

東京都目黒区にある泰叡山瀧泉寺(たいえいざんりゅうせんじ)である。落語『目黒のさんま』は、この瀧泉寺の参詣者のための休憩所が舞台とされる。

 

目黄(めき)不動尊・養光山金碑院永久寺

目黄不動尊は2か所ある。東京都台東区三ノ輪にある、養光山金碑院永久寺(ようこうざんきんぴいんえいきゅうじ)から。

当初は真言宗寺院であったが、日蓮宗を経て現在の天台宗寺院となったという。

 

目黄(めき)不動尊・牛宝山明王院最勝寺

もう1つの目黄不動尊は、東京都江戸川区平井にある、牛宝山明王院最勝寺(ごほうざんみょうおういんさいしょうじ)である。

 

なお、目黄不動尊は過去に通称としてこの名で親しまれていた寺院がこの2つの他にもあり、不動尊像の目が黄色や金色だったためとされる。

また、浅草の勝蔵院にあった「明暦不動」と関連があるともされ、「めいれき」が転じて「めき」とされたという説があるが、詳細は不明である。

東京の五色不動とは?

 

高野山明王院(和歌山県高野町)の赤不動、三井寺(みいでら)(滋賀県大津市)の黄不動、青蓮院(しょうれんいん)(京都市)の青不動は「三不動」といわれています。

 

したっけ。

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは~ (haru)
2021-01-28 15:48:48
こんにちは~

ここまで詳しくなると全然知らない事ばかりです。
初不動なんて言葉有ったんですね。

高野山の赤不動も見た事ないで~す。
返信する
Unknown (きままなマーシャ)
2021-01-28 15:59:20
こちらの神社でも初不動祭が行われていたようで
車が渋滞してました。
長い古墳内であるんですけど
今年はどんな方法で行われたのかなって思います。
返信する
★haruさん★ (都月満夫)
2021-01-28 16:36:23
調べて見ると、色々分かりますね。
市川團十郎の成田屋が成田山由来だったとは…。しかも、にらみは、不動明王が乗り移っているという由来までありました^^
したっけ。
返信する
★きままなマーシャさん★ (都月満夫)
2021-01-28 16:38:32
そうですか。
初不動が行われていましたか。
密にならないように、何か対策はしていたのでしょうか?
なんでも中止になる昨今、伝統行事の火は消さないでほしいですね^^
したっけ。
返信する

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