人類最古の職業は売春婦である。などといわれていますが、ならばいったい、いつごろから売春が行われていたのだろうか。
メソポタミア文明の基礎をつくったシュメー ル人の記録の中に出てくる「神殿娼婦」が記録 の上では最古のものだそうです。紀元前5000年頃のことです。
シュメール人はチグリス、ユーフラテス両河川の治水(ちすい)と灌漑(かんがい)農業に成功し高度の都市文明を築(きづ)き、楔形(くさびがた)文字の体系を作り出しています。
シュメールの都市は神殿を中心に築かれたが、この神殿の女祭司(さいし)は神の、つまり王の第一の女性でありました。そこに神々の側女(そばめ)として仕(つか)えていたのが「神殿娼婦」なのです。
彼女らは、神殿に貢納(貢納)する男性のすべてと性的交渉を持たねばならない義務があったのです。もちろんそれは不名誉なことではなく、未知の男との肉体的合一は、神秘的な婚姻として、崇(あが)められていたのです。もちろんそのような神事的な理由をつけ、男性が彼女たちに強制していたのかもしれません。
シュメール人たちが宗教の中で愛の女神イ ナンナを崇拝したといわれます。
しかし、シュメール人がさほど性的に乱れていたわけでもあり ません。一夫一婦制が家族の基本でしたし、娘を誘惑した男は、その娘を妻にしなければならなかったのです。
ともあれ、この「神殿娼婦」が神殿内での売春へと様相を変えていくには、さほど時間はかからなかったと思います。
「快楽のためには結婚、よく考えてみたら離婚」
「喜びに満ちた心で花嫁、悲しみに満ちた心で花婿」
「楽しみ、それはビール。いやなこと、それは遠征」
「パンのあるときは塩はなし、塩があるときはパンがない」
この格言に当事の世界観があらわれていると感じます。というか人間進歩していないような気がします。
したっけ。