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「イチ・ニ・サン・…は、日本語本来の読みではない?」について考える

2020-12-07 07:59:16 | 言葉

「1・2・3・…」と数えるのに、私たちの日本語には二通りの数え方があります。

「イチ・ニ・サン・…」と「ひ・ふ・み・…(ひとつ・ふたつ・みっつ・…)」です。私たち日本人には至極当たり前のことのように思えますがそうではないようです。

英語やドイツ語に二通りの数え方はないそうです。世界中の言語の中で、数について二通りの数え方を持つのは、日本語と朝鮮語のたった二つだそうです。

 

なぜ日本語と朝鮮語だけなのでしょうか。

隣接する中国語との関係によるものだそうです。中国語は、古代神聖文字の流れを汲んで現在も機能し続ける世界唯一の表意文字「漢字」に基づく言語です。西洋のエジプトやメソポタミアの神聖文字は失われ、表音文字のアルファベットにすべて取って代わられました。いまや世界に表意文字は漢字しかなく、しかもこれにどうしても依存し続けねばならないのは、中国語と日本語を残すのみです。その中国語も「簡体字」という脱「漢字」化により漢字は失われつつあります。

 

中国とは言語帝国でした。古代東アジア世界においては、特にそうだったようです。

神聖象形文字として生まれた「漢字」=中国語は、周代・春秋戦国時代の俗化(=普遍化)と秦・始皇帝による統合化プロセスを経て、東アジアの普遍語となりました。華北中原に発した「漢字」は、中国大陸全体、朝鮮半島、日本列島、インドシナ半島に拡がった。無文字段階の周辺地域はたちまち中国語化したのです。

 

早い話、これが「音読み」でです。そしてこれによって整序されつつも同化されなかったものが日本語の全「訓読み」と朝鮮語の「数の訓読み」でです。言語の保証には文字=書き言葉の裏付けが要ります。漢字圏たる東アジアにおいては、いかなる「文字」を選んだかでそれぞれの運命が決まったのです。日本人は仮名、朝鮮人はハングルという表意文字を生みました。しかし両国はこれに一本化できずに、中国語=漢字も保持しました。これが「音読み」と「訓読み」の二重性を生むのです(ただし、朝鮮語の場合は、数詞だけだそうです)。

 

言語、そして「民族」に感傷は本来必要ありません。なぜならそれらは始めからあったものではなく、「成った」後からの議論だからです。ともあれ、日本語と朝鮮語は二重化したのです。「音読み」が本来中国語読みであることへの意識は私たちに乏しいとおもいます。中国語=漢字はそれほど私たちの日本語の内部にあります。

次を見てください。

 

いずれも現代音ですが、古い中国語の音を残していると思われるのは客家語と日本語です。「客家語」は最古で漢の音、遅くとも唐の音を残すと言われます。

「客家語」と「日本語」の音読みが酷似していることに気づくと思います。

この「音読み」は何を意味しているのでしょうか。他でもありません。

かつて「日本人」や「朝鮮人」は、言語においては中国語を話した「中国人」であったということです。

つまり、日本も朝鮮も中国も未だなかったのですから…。

それから、近代国家の「一民族・一言語・一国家」などと言った虚妄に囚われないでほしいのです。かつての「文明的=中国的」ニッポン人は、普遍語の「中国語」と日常語の「ニホン語」の両方を使ったに違いないのです。

 

さらに言い添えておくと、「ニッポン人」は一集団ではありませんし、全集団が中国語を話す「中国人」だったわけでもありません。また、「ニホン語」とは地域語(方言)であり、列島には数多くの「ニホン語」があり、これは東アジア全域で同様であったでしょう。それに、集団や地域語に「国境」などなかったということでしょう。

 

訓読みとして残った倭(和)語(やまとことば)の数詞に触れてみます。

参考までに朝鮮語の「訓」も示しておきます。

 

そうそう、「ハナから承知」の「ハナ」はおそらく朝鮮語なのでしょう。

 

「ひ・ふ・み・…」は単独で読み上げるとき、単音節なら「ひー・ふー・みー・…」と二音節に伸ばして発音します。

個数を数えるときは、現代では「つ」を付ける。「ひとつ・ふたつ・みっつ・…」です。この「つ」はもともと「ち」であったようです。「はたち」は二十歳、「みそぢ」は三十歳代をいまは言うが、それぞれ二十個(はたち)、三十個(みそち)が原義です。

ちなみに「ち」が「つ」に代わるのは、「日本」の読みが「にちほん」から「につほん」へ変化することを想像させます。

 

人を数えるときは「たり」を付けた。「ひとり・ふたり・みたり・よったり・…」です。

日を数えるときは「か」を付ける。「ひ?か・ふつか・みっか・よっか・…」です。

最後に面白い現象を紹介しておきます。「十」から音読みでカウントダウンしていくと、どうしても訓読みしてしまう数が二つ現れます。

「七」(なな)と「四」(よん)です。声を出していってみてください。

 

 

したっけ。

 

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流し込むなど可能かぶふぅィ暫し棘状の海塚 

にうずくまりわたしたち固有の肉体がはぜる

 記憶のふあんに堪える堪えて噛む海鳩が翔ぶ  

〈母ァさん 母ァさん〉

 あなたさえ答えようもないのです 

(後略)

 


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6 コメント

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へ~でした (ゆり)
2020-12-07 08:24:48
おはようございます。

>「ハナから承知」の「ハナ」

1のことだったのですね。
私は、牛とか馬とか先っぽの鼻から・・・かとおもってました。端からと・・・。

今の中国は嫌いだけれど・・・色々影響は受けてますね・・・
返信する
★ゆりさん★ (都月満夫)
2020-12-07 10:11:51
大昔は大中国語が共通語だったのではないかと思われます。
それが証拠に、未だに漢字を使っていますから…。
その頃の中国は偉大でした。
今は嫌な国ですが…^^
したっけ。
返信する
Unknown (きままなマーシャ)
2020-12-07 14:04:44
おもしろいですね^^
政治も文化も中国の影響が大きいですね。
なんといっても中国は長い長い歴史がありますものね。
返信する
★きままなマーシャさん★ (都月満夫)
2020-12-07 16:45:38
世界四大文明の一つ「黄河文明」発祥の地ですからね。
歴史は日本の比ではありません。
漢字圏でいえば日本は中国の一部だったのかもしれません^^
したっけ。
返信する
こんばんは^^ (sakurabana)
2020-12-07 21:53:36
日本は中国の尻尾だと言われるのが
分かるような気がします。
日本は言葉も文字も文化までも盗んだとも・・・
昔はひとつの大陸で地盤沈下で離れたのかも?ですね。
返信する
★sakurabanaさん★ (都月満夫)
2020-12-08 06:26:23
盗んだわけではないと思います。
一つの文化圏だったのだと思います。
でも、独自の進化えお遂げました^^
したっけ。
返信する

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