全7室、予約の取りにくい人気旅館の三水館。
夏休み前の平日、空いている日を探して宿泊。
↑ の案内がなければ通り越してしまいそう。
背の高いききょうや夏草が茂るアプローチの石段を上がり玄関へ。
レンゲショウマがたくさん植わってるように思ったが、
これがレンゲショウマかどうか?ちょっと自信がない。
木曽福島や松本の古民家を譲り受け、貴重な材料を再利用された本館。
壷の大きさに比べればちょっと花が貧弱な気もするが・・・。
三和土(たたき)の広い土間に思わず目がいき、いいじゃないですか。
ひんやりとした中にもあたたかい雰囲気を感じる土間。
右手のフロントでチェックインを済ませる。
式台の前に整然と並べられた草履を見て、テンションが上がる。
この整然さ、好きだなぁ。
式台の右手は朝夕の食事処。
赤いはな緒が色を添える。
フロントあたりからロビーを見る。
大きなテーブル、心地良さそうな椅子がズラリ並ぶ。
長押であった板を2枚つないだ大きなテーブルに木製の椅子。
椅子は木工作家井崎正治さんの作。
井崎さんは、この宿のデザイナー。
木工品だけでなく、木彫り、絵画・・・井崎ワールドの三水館。
突き当たりのステンドガラスの戸の向こうに蔵の部屋。
明治40年に建てられた蔵は、松本から移築したもの。
一般客室へは階段を上がり2階に。
看板ネコのニャン蔵君が気持ち良さそうに廊下に寝そべっている。
うん、気持ちいいね、この敷物。
2階の通路床に敷き詰められた敷物は麻製品。
毛足が長くなるとストッキングに悪影響を及ぼすとかで、この毛足の長さになったらしい。
三水館、スリッパはない。
素足にこの感触、たまりません。
もう、おじいちゃん・・・らしい。
お世辞にも愛想がいいとは言えない。
夕食時、キジトラが食事処に走って来て、私達のテーブルの下でごろにゃん、ごろにゃん。
可愛かった~。
しかし、すぐにスタッフに連れ出されてしまった。
翌朝、風呂場への入口で待機し、しきりに建物内へ入りたがっていた。
どうぞ~。
戸を開けてやるとびゅ~んと走って行った。
ネコ好きにはたまらない宿かも。
吹き抜けを囲むように部屋が並ぶ。
これも井崎さんの作品。
油絵だった。
吹き抜けから玄関を眺めると、整然と並んだ草履が壮観。
ごちゃごちゃした飾りは何もない。
シンプルだが計算された美しさが光る宿。