藤沢浮世絵館で「藤沢と江戸の出版事情(蔦屋重三郎と絵師たち)」が始まり見学してきましたました。
藤沢市は、旧東海道の宿場町として発展した歴史を有しており、藤沢市が所蔵する江戸時代から昭和初期にかけて北斎や歌麿、広重、国貞など巨匠が描いた浮世絵が多く保存されており、今回は、「東海道五十三次コーナー」・「藤沢宿コーナー」・「江の島コーナー」・「企画コーナー」の4コーナーで、63点の浮世絵名作や版本などが展示されていました。
展示コーナーの入口には、東海道の原点の日本橋を渡る旅人の絵画が展示されています。
「東海道五十三次コーナー」では、「江戸時代のベストセラー」をテーマに、東海道の名所を描いた、東都名所や東海道膝栗毛などの図会や浮世絵と版本を織り交ぜた多くの作品が展示されていて、浮世絵と江戸時代の出版事情が紹介されています。
「藤沢宿コーナー」では、「藤沢にまつわる版本たち」をテーマに、歌川国芳や国貞などの作品が17点展示されています。
歌川国芳」の藤沢龍口寺の難事を描いた?「相州龍の口御難」錦絵
幕末期の遊行寺の境内を描いた木版墨摺の「遊行寺境内図絵」作品
歌川国貞の照手姫を描いた錦絵の作品
国貞と広重の合作の善光寺や歌舞伎役者の中将姫を描いた作品
「江の島コーナー」では、「七福神」を描いた船に乗った宝船や船遊び、福を見立てた小道具、福の神・江の島詣の様子を描いた浮世絵が9点展示されています。
「企画コーナー」では、「蔦屋重三郎と絵師たち」をテーマに、喜多川歌麿や葛飾北斎など、蔦屋重三郎との縁がある絵師達の作品が多く展示されています。
腰越から見た相州江の島を描いた「相州江之島絵」
喜多川歌麿の「弥生の江之島詣」の錦絵
江の島の海で泳ぐ子ども達を見ながら船を漕ぐ美人を描いた作品
「おまけコーナー」では、葛飾北斎の波が打ち寄せる七里ヶ浜の様子と春の江の島を描いた作品
大河ドラマ「べらぼう」で話題の蔦屋重三郎のゆかりの浮世絵の絵師の作品との関わりが紹介され、現在ではあまり見られない現代画とは異なる浮世絵の様子を学ぶ機会でした。