立春を迎えたとたんに、今年のあの寒さをコロッと忘れさせるような暖かい日中の一日。
もちろんこのまま暖かくなるだろうなどと甘い考えをするわけではない。
豪雪地帯では、まだまだ当分の間、屋根の雪・屋根から落ちた家の周りの雪の山が消えてなくなることはない。
春の雪解けを待ち望み、夏を迎えて、楽しみにされていた大相撲秋田場所が、早々に中止と発表され、東北の大相撲ファンをがっかりさせてしまった。
相撲界の続発する不祥事。色んなところに暗い影を投げかけている。
ここにも、がっかりした気持ちで今年の冬を嘆いている男がいる。
待てど暮らせど「寒アヤメ」が咲いてくれない。全く咲きそうな気配さえ見せないこの冬。
一様に冬枯れた庭の片隅で、たおやかな優しさの中に凛とした気品を漂わせて咲く可憐な花、寒アヤメ。我が家の数少ない自慢の一つであった。
例年、正月が明ける頃から咲き始め、大寒を迎える頃が最盛期なのに。
昨年の少雨・酷暑の夏が、冬に花開くための栄養分を蓄えさせなかったのだろうか。
手入れはいつも通り、枯れ葉を抜き取り、わずかながら肥やしもやった。
ああそれなのに、待てど暮らせど咲いてはくれぬ、寒アヤメ。
お天道様にもそれなりの都合はあろうが、もう少しだけ寒さをがまんするから、一輪だけでも見せておくれ。
こんな我が儘が、世の中を不幸にすることも分かっちゃいるのだが・・・。
( 写真: 左 葉ばかりの今年の寒アヤメ。 右 昨年見事に咲いた花 )