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人間シンの意識が戻り、動けるようになったのは、いつだったのでしょうか。
とにかく、その時、その場にはイェナしかいませんでした。
シンは、自分の意識が戻った事を、内緒にさせました。そうやって周囲の人々の言動を知ることで、現在の状況を確認しようとしたのでしょう。
プレゼンの日、その日に限ってイェナの携帯の電源が入ったのも、シンの指示でした。
そうやってソ専務を欺いておいて、シンⅢをアジトに呼びもどし、自分はイェナと共にプレゼンの会場入りしたということなのです。
イェナは、実の父親を裏切る事も厭いませんでした。
何としてもシンの唯一の協力者となり、シンの傍に居続けたいと思ったからです。
ソ専務がシンⅠを持って会場に乗り込んで来ることも予想していたのでしょうね。その場で、自分が本モノだと知らしめることで、ソ専務の思惑を外し、黙らせることが目的だったのかもしれません。
コップを叩き割ったシン。その手は血まみれとなりました。
呆然と見詰めるソボンに、シンは言いました。
「俺を好きだって?くだらねぇ。」
その瞬間、ソボンは、キルスイッチが押されてしまったと思いました。
で、すぐさま会場を飛び出し、シンⅢに連絡を取ったのです。
シンⅢは、アジトにいました。
でも、呼び出したイェナは勿論、人間シンの姿もありません。どういう意味かと戸惑っている時、ソボンからの電話が入ったのです。
シンⅢは、ずっとソボンからの連絡を待っていました。
GPSを使うのは友達じゃ無いと言われ、どうすれば良いのかと思っている時、ヨンフンが助言してくれたのです。
ただ待てばよい・・・と。必ず連絡があるからと。
ソボンは泣きながらシンⅢを抱きしめました。
「どこにも行かないで。」
事情を聞いたシンⅢは、人間シンに会いたいと言いました。自分にどれくらい似ているのか気になったのです。
「全然似てない。」
ソボンは言いました。
ソボンは、人間シンとシンⅢを会わせたくないと思っていました。シンⅢに危険が及ぶと思ったのです。
でも、世間体のあるので、結局シンⅢは、入院することになりました。社員たちの前でシンが倒れたからね。話は合わせておかなきゃってことね。
シンは、プレゼンは延期だ・・・と言って帰ろうとしました。
でも、直後に倒れてしまったのです。やはり、無理だったのです。いきなり動くなんて。
ローラはイェナを詰りました。
万が一の事があったらどうするの・・・と。
ローラはキルスイッチをどこかに隠してしまいました。
デービッドが持ち出そうとしたんですが、既に金庫の中には無かったのです。
デービッドには分かっていました。ローラがシンⅢへの思いを敢えて消そうとしていることを。
苦労してきた息子シンに償うためには、シンだけを見つめ、シンだけを愛さなくてはいけないと思ったのでしょうね。
でも、長い間傍でローラだけを見つめてくれ、癒してくれたシンⅢを、そう簡単に破壊するなんて、出来ないとデービッドは思っています。そんな事をしたら、ローラ自身が一番苦しむ事になると思うから。
入院したシンⅢは、ソボンのさっきの態度の意味を考えていました。
泣いた理由は?・・・とシンⅢ。友達の僕に会えたから?・・・と。
「もう友達じゃない。」
何故?嫌いになった?・・・とシンⅢ。
「逆よ。もっと好きになったの。あんたが好き。友達じゃ無く人間の男と同じように。」
僕は人間じゃない・・・とシンⅢ。
「人間の男よりあんたが好き。嘘だと思う?」
ソボンは手を差し出しました。シンⅢはソボンの手をとり、嘘探知機を働かせました。嘘じゃない、真実だと分かりました。
愛と言う化学反応のこと?と聞かれ、ソボンは頷きました。
今はどの段階なんだろう・・・とシンⅢ。ドーパミンの分泌?・・・とあれこれと分泌物について聞きました
「そんな分析は必要ないわ。愛は頭で考えるんじゃなく、感じるものだから。あんたと一緒に居たいと言う気持ちよ。」
気持ちを感じることは、シンⅢには難しいことでした。
君を感じてみたい・・・そう言って、シンⅢはそっとソボンを抱きしめました。でも、まだ無理でした。
大丈夫、何も求めてないから・・・とソボン。愛するだけで良いのです、ソボンには。
ソボンは母の形見のペンダントをシンⅢの首にかけました。
好きな人が出来たら上げろと言われていたようです。見返りを求めず愛せる時に大人になると母が言っていた・・・とソボン。
デービッドは、ローラの思いをソボンに話して聞かせました。
そして、キルスイッチはしばらく大丈夫だとも。
遠くに逃げても遠隔操作ができるようで、シンⅢの電源を落とすしか防ぐ方法は無いそうです。
それを知ったソボンは、キルスイッチを使わせない方法を思い付きました。
シンの意識が戻りました。
ローラは大喜びですが、シンはよそよそしい態度です。彼には、母の愛情が信じられないのです。
自分がいなくても、ロボットを作って息子の代わりをさせていたことが引っ掛かっているのでしょう。
そして、ヨンフンへの信頼も揺らいでいます。
意識が戻っていないフリをしていた時、ヨンフンの呟きを聞いてしまったからです。
ヨンフンはシンⅢが可哀相になると言っていました。シンと同様に、周囲の人に振り回されているところがです。
ソボンはローラに会いに行きました。
全てのバッテリーを見せました。中には、シンⅢの腕についていたモノもありました。
その時、シンⅢはバッテリーを外され、ただの機械となっていたのです。
破壊されたくないから、隠したとソボンは言いました。
あの子にとっては屈辱的なことよ・・・と叫ぶローラに、破壊する事よりマシでは?・・・とソボン。
キルスイッチを渡してください・・・とソボン。でも、ローラは拒否。
彼を破壊したら、私も一緒に吹き飛ぶことになります・・・とソボン。二度と離れないから・・・と。
「いつか破壊される時、私も一緒に死ぬんです。」
シンⅢがソボンを守ると約束してくれ、ソボンもシンⅢを守ると約束したから・・・とね。それが礼儀だと言いました。
ローラは、ソボンの想いに賭けました。シンⅢを守ってほしいからです。
キルスイッチを渡しました。
シンがソボンを呼びました。
シンⅢを連れて来いと言いました。ソボンはデービッドに連絡し、シンⅢを連れて来てもらいました。
初めて、シンとシンⅢが向かい合いました。
シンⅢは嬉しそうですが、シンは複雑でした。ロボットに見えませんからね。
しばらくシンⅢの全身を見まわしたシン。行動すら瓜二つで思わず苦笑してしまいました。決して面白いわけじゃありません。
シンⅢは、記憶メモリーに保存されているシンⅠ、シンⅡの映像を見せました。
あなたの為のロボットですから、警戒は不要です・・・とシンⅢは言いました。
「俺の命令を聞くか?」
と、シン。
「喜んで協力します。」
と、シンⅢは言いました。
キルスイッチはデービッドが保管することになりました。
シンⅢは、ソボンの家に泊まりました。
ソボンの部屋を見て、ソボンを理解したいと言うのです。
既にチョ記者はシンⅢについて知っていますから、興味津津です。
結果的に、この時、ソボン父も彼がロボットだということを知る羽目になってしまったのです。
理解の域を超えてたようですが・・・。
だけど、娘ソボンが悲しい思いをしていることだけは分かりました。父親とすると、娘が哀れだったでしょうね。
ソボンは、シンⅢに言いました。
手をつないで歩きたい・・・と。
普通の恋人同士のように散歩する二人。ステキな女性を見つめるシンⅢに嫉妬してしまうソボン。
シンⅢはそれを察しました。で、謝る代わりに願いを聞く・・・と言いましてね。
手をつないで、ハグして、額にkiss
「大胆ね。」
言いながらもソボンは、頬を赤くしていました。
シンⅢは、シンに呼び出されました。
ローラに会ってくるよう言われたのです。そこで、シンの指示通りのセリフを言うよう命令されていました。
シンは、ローラが自分とシンⅢのどちらを愛しているか、知りたかったのです。
ローラはシンⅢに冷たく対しました。
僕より人間ナム・シンが大事だということ?・・・とシンⅢ。
「あなたを見ながらシンを思い続けていた。二度と私のところへ来ないで。来たら死ぬわよ。」
その言葉をシンは携帯で聞いていました。
すぐに分かりました。自分が幼い頃、母ローラを危険から救うために、わざと酷い言葉を言って別れたのですが、その時と同じ台詞だったからです。
自分がローラを救いたかったように、ローラもシンⅢを大事に思っていると分かったのです。
そして、シンⅢもまた、嘘検知器で計ることなく、その言葉が嘘だと分かりました。長い間一緒に暮らしていたからです。
「人間は血縁を大事にする。息子を優先して当然だ。僕に罪悪感を抱かないで。今までありがとう。僕を作ってくれたこと、忘れない。」
そう言って立ち上がったシンⅢ。
シン・・・とローラが呼びかけました。
「あなたは私よりずっと頭が良くて立派な子よ。もう私じゃ無く、カン・ソボンさんを守ってあげて。母さんも感謝してる。」
シンⅢは笑顔でした。そしてローラも、泣きながらも素直な表情に戻っていました。本心が言えたからでしょうね。
シンⅢはソボンに連絡しようとしました。でも、出ません。
その時、ソボンはシンの前に立っていました。
あいつのSPなら、俺も守ってくれ・・・とシン。
ソボンが嫌な顔をしたので、人間だから嫌なのか?・・・とシンが聞きました。
「いえ、人間らしくないから嫌なのです。」
と、ソボン。
怒ったシンが立ちあがり、ソボンの腕をつかみました。
その時、シンⅢが。
掴まれたソボンの腕を取り、シンから引き離しました。
「僕は彼に君を近づけたく無い。これが嫉妬?」
きゃぁ~っ