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ヨンフンは後悔していました。
ナム会長から、ロボットが人間より優れていると考えたことはないか?・・・と問われた時、返答ができなかったことを。
ヨンフンにはシンへの肉親に近い思いがありました。これまで、暴君のようなナム会長の下で必死に耐えて来たシンを見続けてきたから。お互いに精神的な支えとなっていたから。
シンへの揺るがない忠誠心とでも言える感情が、シンⅢとの関わりの中で薄れて来た証拠なのかもしれません。
それでもなお、ナム会長からの問いかけに、躊躇なくシンへの信頼を示せば良かったと今になって後悔しているのです。
そうじゃないと、シンがこの真実を知ったら、取り返しのつかないほどのショックを受け、暴走してしまうだろうから・・・。
そんな状況が起ってしまいました。
シンⅢとデービッドの会話を聞いたシンは、ナム会長がシンⅢがロボットだと分かっていて、人間の自分より信頼していると知ってしまったのです。
シンの暴走が始まりました。
まずは、シンⅢをヨンフンの名前を使って呼び出し、バッテリーを外して動けなくしてしまいました。
その上で、成り変わってソボンの前に現れたのです。
ヨンフンは、シンが持っていた古い名刺から、ジョンウにつながる秘密を調べていました。
名刺の療養病院は、ジョンウが自殺した病院だったのです。
その時、シンから連絡が入り、行って見ると、シンⅢがバッテリーを抜かれて座り込んでいました。
怒ったヨンフンに、シンは言いました。ナム会長が全て知ってて、敢えて黙っていたのは、シンⅢが大事だからだ・・・と。
だから、思い知らせてやる、自分が本モノのシンだと・・・と。
シンが代わりに現れたということは、シンⅢに何かあった・・・とソボンは察し、映画館を飛び出しました。
シンⅢは、電話にも出ません。
激怒したソボンは、シンに言いました。あいつが守ろうとしたのが、こんな人間とは・・・と。
「あなたはあいつの足元にも及ばないわ。」
あいつを葬り去るぞとシンが言うと、そんな事をしたら私が黙って無い、覚悟して・・・とソボンは言いました。
シンは少し羨ましかったんじゃないでしょうか。そこまで心配してくれる人が傍にいることが。
ナム会長が全てを知っていたということがローラの知るところとなりました。
ローラには、デービッドが手を組んでいたこともショックでした。
動揺しているローラをシンは冷静に見ていました。そして聞きました。
ロボットを消す方法は?・・・と。
ナム会長に、ロボットのもろさを見せつけてやると言いました。手動モードだったらコントロールできるのかと聞きました。
手動モード・・・不吉だわ
シンⅢを壊す事や手動モードで操ることは、ローラの真意じゃありません。
それを敢えてすると言うのは、シンが如何に傷ついて来たかと言う証拠です。そうやってローラを周囲の者に復讐してるようなものです。
ヨンフンは、シンを守るために自分たちが取った方法が、シンを傷つけることになったと分かりました。だから、ある程度はシンのやり方を受け入れようとしています。
ただ、誰かを傷つけるような事だけはしないと約束しろと言いました。シンは約束しましたが・・・。
シンⅢがやっとソボンのところに帰って来ました。
事情を知らないソボンは、心配でたまりませんでしたが、やっと帰ってきたのでほっとしました。
ところがですよ・・・。
シンⅢは、手動モードを搭載されていたのです。
シンの操り人形となってしまったということです。
シンⅢは、その瞬間は通常の意識ではありません。
すぐに気付いたシンⅢは、手動モードのバッテリーを外そうとしましたが、彼自身が外すことは出来ないようになっていたのです。
誰かを傷つけるような命令を出されたりはしないだろうかと心配になったシンⅢ。
ヨンフンは、そんな事はしないと約束した・・・と言いますが、イマイチ信じられないシンⅢでした。
手動モードの特徴として、シンⅢの視覚でとらえた景色を離れたところでいるシンがタブレットで見る事ができると言う事があります。
だから、状況を見ながら、指示ができるということですね。
マズイよ・・・
シンに内緒にしたい会話も、知られたくない環境等もシンⅢの目を通してシンは知ることができたのです。
シンⅢが突然ソボンの首を絞めました。
勿論、シンの命令です。
脅しの様なモノです。人間のシンよりロボットを信じると言うソボンに思い知らせてやろうということです。
その時は、一瞬の事でした。
我に返ったシンⅢは、ソボンから逃げ出しました。自分と一緒にいることが、ソボンを危険にさらすと感じたのでしょう。
ソボンもすぐに気付きました。いつものシンⅢではないと。時計のバッテリーも通常の物と違っていましたし。
僕から離れろ。僕が何もできないように・・・とシンⅢ。
ソボンは、ヨンフンから、手動モードの事を聞きました。
激怒したソボンは、ヨンフンも同罪だと言い放ちました。
ローラもこの件を聞いたのですが、シンに何も言いません。言えないんでしょう、シンに引け目があって。
シンⅢは、ヨンフンにシンを呼び出してもらいました。
何がしたいのか、確かめたかったのでしょうか。
ソボンを傷つけるようなことをさせたけど、これは序の口だとシンは言いました。これからもっといろいろやってもらうつもりだ・・・なんてね。
「問題は人間同士で解決してください。」
と、シンⅢは言いました。ナム会長に腹を立てたのなら、ナム会長と闘うべきだと。自分を利用するのは卑怯だ・・・と。
でも、シンには通じません。
僕が怖いから操るのですか?・・・とシンⅢ。
自分はシンと争うつもりは全く無いし、シンの物である家や会社、家族を奪うつもりも無い・・・と。
「僕にどうしてほしいのですか?」
そう聞いたシンⅢに、シンは冷たく言いました。消えろ・・・と。今すぐ消えろと。
それを聞いたシンⅢは、屋上の淵に歩いて行きました。躊躇はありません。
人間を傷つける前に消えます・・・と言って。
シンは手動モードに切り替えました。
「降りろ。」
シンⅢは、すぐに降りました。
「分かったか?お前には消える自由もない。」
そうですね、僕はただの機械ですから・・・とシンⅢ。
「こんな時、人間は無力感を覚えるのですね。」
行き場の怒りや空しさをシンⅢにぶつけるシンですが、相手は全てを受け入れる機械で、余計にシンは苛立つんじゃないでしょうか。
駐車場に戻ったシンを待っていたのは、ソボン。
ソボンはシンⅢをずっと探しまわっていました。自分を危険な目に遭わせたくないからと離れて行ったシンⅢを。
そこでシンの車を見つけ、待っていたのです。
ソボンはつかつかと歩み寄ると、思いっきりシンの顔を殴りました。元格闘技選手です。普通の女性のパンチとは比較にならない強烈さだったでしょう。
シンⅢを元に戻さないと、殺してやる・・・と。
イェナは、荒れるシンに不安な気持ちを抱きながらも、ずっと付き添っています。
その原因がナム会長にあると思ったイェナは、ナム会長に抗議に行きました。シンが全てを知った・・・と。
そして、ロボット開発に関しても全て知ってて、ロボットであるシンⅢをシンより信頼するのは酷いと。
シンとの関係を修復したいのなら、今すぐ行動してください・・・とイェナは言いました。手遅れになる前に・・・と。
帰ろうとしたイェナは、父ソ専務に会いました。
ソ専務は、シンⅢがソボンを襲った監視カメラの映像をナム会長に見せに来たのです。
シンがシンⅢを操ったとナム会長が知ると、シンの立場はますます悪くなります。イェナは、ソ専務に現在の状況を話すしかありませんでした。
あいやぁ・・・このところ姿を見せなかったソ専務が、こんな重要な情報を得たらまた何か画策しそうですよ
ヨンフンはシンを説得しようとしました。
手動モードを止めろ、人を傷つけるようなことはするな・・・と。
でも、シンは拒否しました。
ヨンフンは最後の警告だと言いました。人をまた傷つけるような事をしたら、縁を切る・・・と。
初めてでした、ヨンフンがこんな事を言うのは。シンは自らの手でまた一人の大切な人との縁を切ってしまいそうです。
ソ専務が動きました。
シンを呼び出して、ジョンウの死の真相を話したのです。真相と言っても、それは自分に都合の良いように書き換えたモノです。
ジョンウは、会社の内部告発をしようとして、ナム会長の指示で療養病院に軟禁されていました。
ローラとシンが帰国したとの知らせを受け、会おうとして事故に遭った・・・とソ専務は言いました。
シンがジョンウの二の舞にならないかと心配で・・・なんて言いました。善人ぶっちゃって
ナム会長は、会社の利益になると思ったら人間シンを切り捨てる人だと言いました。ジョンウのように・・・と。
ソ専務がシンに渡したのは、ナム会長とジョンウの会話の音声。
ナム会長は、内部告発の資料を渡せとジョンウに迫っていました。そして息子シンが危険な目に遭っても良いのかと脅したのです。
実の息子への台詞とは思えません。
自分は家族より会社を選ぶ・・・というナム会長の言葉を聞いた瞬間、シンはもう怒りが抑えられなくなりました。
そして、その録音機を叩き壊したのです。
ソ専務の作戦・・・シンのナム会長への怒りを沸騰させるという作戦は成功です。
シンⅢは、幻影が見えるほどにソボンを想っていました。
ソボンも・・・です。
シンⅢの携帯には、ソボンからの伝言が届いていました。
“正直、昨日あんたの事が怖かった。ロボットだと初めて感じたから。だから帰って来ないの?謝るわ、そんな事を思ったこと。会いたい・・・。会いたくて死にそう。あんたが抱きしめてくれるまで泣きながら待つから。早く来て”
シンⅢの足が、ソボンのところに動きだしました。
駆け出しました。
やっとソボンの前にシンⅢが。
泣いてるのが見えない?と言うソボン。
ソボンに向かって歩き出したシンⅢ。
ところが、シンⅢは、ソボンの横を素通りしたのです。
慌てて手を取って引き留めたソボンの手を振り切り、シンⅢは歩いて行きました。ソボンだと認識していません。
そのまま、シンが運転する車に乗り込んで行きました。その時、シンⅢが認識できる人間はシンだけだったのです。
シンⅢがナム会長を襲いました。ソ専務と話しているその目の前で。
ソ専務、止めません。
そこに、ソボンが。必死にシンⅢを止めようとしますが、無理。
でもね、次の瞬間、今度はシンⅢがソボンに襲いかかったのです。
ソボンの首を絞め挙げました
怖くない、何も怖くないわ・・・とソボン。
息が詰まりそうになった時、ソボンの目から涙が。
「お願い、帰って来て。」
涙が、シンⅢの手に落ちました。
その瞬間、泣いているのを見たら抱き締めると言うルールが浮かびました。ソボンとの思い出も。
手動モードを自力で切る事ができたのです。
手を放して、ソボンを抱きしめたシンⅢ。
ごめん・・・遅くなって。
泣けたわ・・・
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