盆の時期を迎え、墓参り。
1年過ぎるのが早い。
以前は、墓の前で手を合わせ、亡くなった親族への思いを寄せていたものだった。
しかし、それだけでなく、近ごろは自分らも遠からずここに近づくのかな、という気持ちになってしまう。
その前に立ち寄った菩提寺の13回忌の貼り紙を見ると、かつて世話になった、地域の名士の方の名前があった。
17回忌には、私より若いのに亡くなった親戚の名前もあった。
たしか、このブログを初めてそんなに経たない頃に、その死に驚いたことがあった。
あれから、16年もたつのか…。
私の生まれ故郷の彼らが亡くなってから、そんなに経ってしまったのか…。
人の命の炎はやがて燃え尽きる。
そう分かっていても、なんだか虚しさがこみ上げてくる。
そんな思いでいたら、すでに廃校となっていたわが母校の小学校も、まもなく解体されるのだという。
立ち寄ってみたら、解体工事の看板が設置されていた。
校舎はカビや汚れでうすぎたなくなっていた。
思えば、この建物は、私が小学校5年生のときだから、1968年に新築されたものだった。
それから今では、半世紀以上が経ってしまった。
すでに、少子化等の事情から、2002年に閉校となってしまった。
それ以来建物はずっと残されていたのだが、いよいよ解体の運びとなってしまった。
この校舎の向かって手前右側には、体育館と呼ぶには狭すぎる運動場があった。
手前の校庭スペースには、最下位を走るばかりのつらい運動会の記憶が残っている。
また、自分がいじめにあっていた、ひどくいやな記憶が残る小学校の建物だとはいえ、そこに私の小学校時代はあった。
いやな記憶ばかりでも、ここで少年時代を過ごしたから、今の私がある。
建物がなくなってしまうのは、やはりさびしい。
存在がなくなってしまうのは、人も建物も同じなのだな…。
永遠に不変なんてものは、ない。
「無常」。
そんな言葉を思い出していた、今年の盆である…。